【就寝前の読書週間】1日の疲れを癒してくれる優しい小説~女性作家編~

レコメンド

仕事や家事に追われてちょっぴり疲れた夜に、就寝前の読書はいかがですか?優しい小説の世界に触れて、1日の疲れを癒してもらいましょう。今回は女性作家の中から、1日の疲れを癒すのにぴったりな小説を紹介します。

癒し系男子に心も体も癒される「植物図鑑」著:有川浩

「植物図鑑」有川浩
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主人公のさやかは社会に少し疲れたOL。そんなさやかの前に「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできた良い子です」と言う青年・樹が現れます。そしてさやかは樹という名前だけしか知らない青年と同居生活を始めていく、というストーリー。文字通り「草食系男子」の樹は、道草を「狩って」来てさやかにさやしい味の手料理を振る舞ってくれます。さやかと樹が週末の「狩り」を通して心を触れ合わせていく様子は、樹が作る料理のようにやさしく読者を癒してくれます。

心にしみる手紙のやり取り「往復書簡」著:湊かなえ

「往復書簡」湊かなえ
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「告白」で一躍女性ミステリー作家として名を馳せた、湊かなえさんの短編連作集です。タイトルにある通り、本作品には手紙形式で綴られている短編小説が3本収録されています。就寝前に読み切ることができる短編集は、就寝前読書にピッタリです。
また、3本目の「二十年後の宿題」は映画『北のカナリアたち』の原作にもなりました。手紙形式ならではの暖かさで、登場人物たちの過去や事件をそっと優しく紐解いていく本作品で、手紙の暖かさに触れて癒されてみてはいかがでしょうか?

まっすぐな愛が、ただただ切ない「雪猫」著:大山淳子

「雪猫」大山淳子
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この物語は、白い猫タマオの恋を描いた物語です。タマオは自分を救ってくれた少女に恋をします。タマオが少女に向ける優しい愛情は切なくも愛おしく、柔らかな雪のように癒しをもたらしてくれます。化け猫伝説や、「猫が人間の言葉を話す」といった都市伝説をうまく織り込んでおり、ファンタジックな仕上がりの作品です。最後まで読んだとき、「雪猫」というタイトルに込められた意味と美しい装丁の意味が明らかになります。そのとききっと、タマオの深い愛情を感じられるでしょう。

不思議な妖怪たちに癒される「しゃばけ」著:畠中恵

「しゃばけ」畠中恵
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就寝前に妖怪物?怖くて眠れなくなりそう…。なんて心配はいりません。この作品に出てくる妖怪の多くは、主人公である「若だんな」こと、一太郎を見守る心優しい妖怪です。物語は病弱な若だんなが、監視の目を潜り抜け外出することから始まります。抜け出した若だんなは、なんと人殺しを目撃してしまったのです。そして若だんなと妖怪たちは、力を合わせて事件解決を目指していきます。ちょっと不思議な優しい妖怪たちが、疲れた心を癒してくれる1冊です。

巧と豪に向き合うひと時を「バッテリー」著:あさのあつこ

「バッテリー」:あさのあつこ
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「バッテリー」とは、野球のピッチャーとキャッチャーのコンビを表す言葉です。中学校入学の直前、自身の才能を信じてひたむきにトレーニングを続けるピッチャーの巧と、キャッチャーである豪が出会い物語が始まります。バッテリーを組んだふたりが時にぶつかり合いながらも成長していく様子は、児童書でありながら大人にも大切なことを訴えかけてきます。寝る前のひと時、ひたむきなふたりの青春に向き合ってみてはいかがでしょうか?

『北のカナリアたち』
(C)2012「北のカナリアたち」製作委員会