細やかな線描写と複雑な恋愛模様「MARS」の原作者・惣領冬実とは?

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細やかな線描者で見る者を引き込み、複雑な恋愛模様で読んだ者の心をつかんで離さない。そんな名作「MARS」の作者・惣領冬実とは、一体どんな人物だったのでしょうか?今回は代表作や惣領冬実の生い立ちをご紹介します。

実家は観世流能楽師!しかし舞台には上がらなかった


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実は惣領さんの実家は観世流能楽師の家系。子役として舞台に上げられそうになったものの、本人が頑なに拒んだため、舞台を踏むことはありませんでした。しかしこの頃から絵を描くのが好きで、馬の絵を描いてみては周囲に見せてまわっていたんだそう。

美大受験に失敗し服飾専門学校へ。なんと師範免状を取得


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成長した惣領冬実は母親の勧めで美術系に進み、大学を受験しますが失敗してしまいます。そのままフリーターになっていたところを見かねた母親に、手に職をと言われ服飾専門学校へ入学します。そしてそのまま服飾が性に合っていた惣領冬実は、師範免状を取得するまでの腕前に成長するのです。

装苑賞に出品するための資金作りのために漫画を描く


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装苑賞とは、新人デザイナーを対象とした公募のファッションコンテストです。コシノジュンコや山本寛斎など、数多くの著名なデザイナーを輩出しています。これに出品したかった惣領冬実は、雑誌で見かけた賞金100万円につられ、新人漫画賞に応募することに。ここで佳作を受賞し「別冊少女コミック」で漫画家としてデビューしました。

雑誌編集部を転々とする中で生まれた代表作「ピンクなきみにブルーなぼく」

ピンクなきみにブルーなぼく
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漫画家としてデビューした惣領冬実でしたが、慣れない業界や自身の身内の不幸などが重なり、一度は漫画家を辞めてしまいます。しかし、再度漫画を描き始め代表作「ピンクなきみにブルーなぼく」の連載を始めました。「ちゃお」に1984年から1989年まで連載されていた本作はギャグマンガで、純真で天然ボケの女の子野々原なずなと農業高校生の稲刈一伍の恋愛をコミカルに描いています。

名作「MARS」の誕生。細やかな表現と複雑な恋愛で人気を博する

MARS 1
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1996年から2000年まで、「別冊フレンド」に連載されていたのが「MARS」です。ある出来事がきっかけで内向的になってしまった少女麻生キラと、ロードバイクレーサーの同級生樫野零の恋愛を主軸に、二人の成長や周囲の問題を描いた作品です。

MARS 2

2016年に「MARS〜ただ、君を愛してる〜」としてドラマ化され、ドラマでは描き切れなかった内容を映画化することも発表されました。ドラマ・映画では窪田正孝演じる霧島牧生が、樫野零に並ぶW主役として位置づけられています。

細やかな線描写と、複雑な恋愛模様「MARS」の原作者・惣領冬実とは?というテーマでお送りしてきました。いかがでしたでしょうか?
深い人生経験から生まれる、細やかな表現や恋愛模様に浸ってみてください。