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芥川龍之介や、志賀直哉など日本の名だたる文豪たちが残した、小説・短編集を原作にした映画を5作品集めました。
新たな解釈とアレンジが楽しい『蜘蛛の糸』
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『蜘蛛の糸』は2011年に公開され、平幹二郎・高畑こと美他が出演しています。芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」に、同じく芥川龍之介の「アグニの国」と、「煙草と悪魔」のストーリーを盛り込んで、スケールアップさせた映画です。
生前に悪人だったカンダタ(平幹二郎)は、地獄に落ちて苦しみます。そこに、唯一カンダタが憐れみをかけた蜘蛛から助けの糸が垂らされます。カンダタは地獄から脱出できるのか…。
誰もが知っている「蜘蛛の糸」の解釈を新たにしたオリジナルストーリーなので、原作が好きな人も、まだ読んだことのない人も両方が楽しめる映画となっています。
ミステリー仕立ての『羅生門』
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1950年公開の『羅生門』も、芥川龍之介の小説を原作にしています。平安時代の戦乱の世の中で、京都の羅生門には雨宿りのために旅人たちが集まってきていました。
しかし付近の藪の中で殺人事件が起こります。関係者は事情聴取を受けるのですが、人々の証言はそれぞれ少しずつ異なっており真実にたどり着くことができません。羅生門では一体何が起こったのか…!?事件の真実がゆっくりと解明されていく様子がハラハラする映画です。
生田斗真が好演!太宰治の『人間失格』
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本当の自分が嫌で、道化として自分を偽り続けてきた葉蔵は人生に絶望し次第に酒と女に溺れていきます。
生田斗真が主人公の葉蔵を演じ、ヒロインには寺島しのぶ、石原さとみ、他にも伊勢谷祐介、森田剛らの豪華キャストで話題となった作品です。
『人間失格』の葉蔵は、太宰治自身でもあるといわれています。古典でありながらもずっと多くのファンを魅了する太宰治作品に、映画で是非触れてみてください。
癒しを求める旅『暗夜行路』
映画『暗夜行路』は志賀直哉の小説を原作にした1959年の映画です。
幼少期から、父親に厳しくしつけられてきた時任は、小説家を目指して頑張っていました。人生に失敗し恋愛にも苦しみを感じた時任は、山に登って心の癒しを求めようとします。時任に救いは訪れるのか…。時任が暗闇の夜を行く道を見つける様子が描かれた映画です。
名だたる名作のオムニバス映画『BUNGO~ささやかな欲望~ 見つめられる淑女たち/告白する紳士たち』
『BUNGO~ささやかな欲望~ 見つめられる淑女たち/告白する紳士たち』は、2012年に公開され、文豪の名作ばかりを映像化した、オムニバス形式の映画です。
人間の欲望をテーマに文豪の作品を少しずつアレンジして、より物語の深みを増しています。
収録されている作品は以下の通りです。
宮沢賢治 『注文の多い料理店』
三浦哲郎 『乳房』
永井荷風 『人妻』
岡本かの子 『鮨』
坂口安吾 『握った手』
林芙美子 『幸福の彼方』
『BUNGO~ささやかな欲望~ 見つめられる淑女たち』に収録されている『注文の多い料理店』は、宮沢賢治の同名短編集が原作。
映画では2人の不倫男女が森のレストランを訪れるシーンから始まります。自分の利益のために相手を騙して別れようとしている2人が、不可思議なレストランに迷い込み、恐怖のコース料理が運ばれてきます。原作のファンタジックな雰囲気に、大人っぽい色気アレンジがプラスされた魅力的なエピソードに仕上がっています。
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以上、日本の文豪たちによる名作小説を原作にした映画をご紹介しました。一見堅そうな文学作品ですが映像で見ることにより、とっつきやすくなりますよ。映画を見て、小説とはまた一味違った楽しみ方をしてみてくださいね。
『蜘蛛の糸』
©カエルカフェ
『羅生門』
©1950角川映画
『人間失格』
©2010「人間失格」製作委員会
『BUNGO~ささやかな欲望~ 見つめられる淑女たち』
『BUNGO~ささやかな欲望~ 告白する紳士たち』
©「BUNGO ささやかな欲望」製作委員会