CinemaGene(シネマジーン)

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『ゴキブリ姫 ~Cockroach Princess~』山元 隼一さんインタビュー

2015年10月20日(火)~ 22日(木)、ホテル グランパシフィック LE DAIBAで開催中のマルチコンテンツマーケット”Japan Content Showcase 2015″に行ってきました!
CinemaGene編集部が注目しているのは、東京都が選出した8組のクリエイターが出展している「Tokyo Creators NEXT」。
今回は「Tokyo Creators NEXT」に出展しているクリエイター・山元 隼一さんのブースにお邪魔して、原作・監督の山元 隼一さん、キャラクターデザインの徳永 真利子さん、プロデューサーの青木基晃さんにお話を伺ってきました。

CinemaGene×山元 隼一さんコラボアニメーション
『ゴキブリ姫 ~Cockroach Princess~』

【あらすじ】
愛されたいゴキブリの女の子の物語。近未来、資産家の家に虚弱体質で産まれた女の子アイ。幼いアイが命の危険に瀕し、そこで医者は両親の達ての願いから彼女を助けるために強靭な生命力を持つゴキブリのDNAをアイに注入。アイをゴキブリ人間として生まれ変わらせる。
アイは特異な外見のせいで、子供の頃からいじめられて育ってしまう。あるとき彼女は、目の見えない男の子ユウに出会い、恋をする。アイが本当の愛を得るまでの物語。

山元 隼一さん 徳永 真利子さん
(右)原作・監督の山元 隼一さん
(左)キャラクターデザインの徳永 真利子さん

『ゴキブリ姫 ~Cockroach Princess~』製作の経緯


山元さん:

僕もですがみんなゴキブリって嫌いじゃないですか。女性は特に嫌いですよね。「この世の生物の中で最悪!」くらい。それを見ていてゴキブリって、すごい嫌われ者だなぁって。
人間の心を描くとき、感情っていろいろあると思うんです。
僕は特に、「好き」と「大嫌い」と「無関心」という感情について考えていて、好きってある瞬間、大嫌いにも変化するじゃないですか。逆もしかり。
そういう「感情を震わせるきっかけ」って何か、ということが気になっていたんです。
嫌われているけど、それでも人と関わっていきたいとか、愛されたいゴキブリの女の子の話にしたら、女性にも見ていただけるのでは?と思って。
プロデューサーの青木さんから、「何か面白い企画をやらないか」とお声がけがあったときに、「ちょっと変わったこんな企画があるんですけど」と話して、今に至るという感じです。
山元 隼一さん

ゴキブリを選んだわけ


山元さん:

ゴキブリの姿をしているけど、惹かれちゃうとか、価値観が逆転しちゃうと言うのは、容姿が問題ではないかもということが表現したかったんです。
キャラクターからではなく、シンプルにストーリーを楽しむ、アニメーションの動きの心地よさとかを感じてもらえれば、こういう作品があってもいいのでは?と思って。
ゴキブリをキャラクターにもってくるなんて、友達が減っちゃうんじゃないかって心配したんですけど、意外と大丈夫でした(笑)。
作品を作っていくにあたり、予想外だったのは、徳永さんがゴキブリそんなに嫌いじゃなかったってことですね。女の子は全員ゴキブリが大嫌いなんだと思ってたので(笑)。

徳永さん:
容姿はそんなに嫌いじゃないんですよ。ただ衛生面では好きじゃないんだけど。

山元さん:
衛生面ではね、避けたいよね。
でも、徳永さんの意見からも、意外と大丈夫なんだな、って思った。今までのゴキブリ全て気持ち悪いと攻めているものとは別の方向で攻めていけるなと思いました。

大切にしたかったもの


青木さん:

今世界的なアニメの流れって、みんな割とハリウッド、ディズニーとかピクサーとか学んで、本国に帰ってその技術をCGでデータを作って、映画になったりゲーム化されたりが一つの主流なんですけど、それを見たときに、そことガチで勝負してもつまらないので、よく動くとかゴリゴリ動くではなく、日本人しか描けない繊細な線や動きで勝負したいと思っていました。

山元さん:
作品の情報量についてですが、今のアニメって、セリフ過多というか、言葉で説明してしまうものが多い傾向がありますよね。
以前に作った「MEMORY」という作品も、海外展開を考えてセリフなしで作ったこともあったので、今回も同様に海外展開考えて、セリフも少なめの、静かな作品になっています。
セリフで説明しすぎちゃうと、余白がなくなっちゃうので、見る人に考えを委ねるのもいいのでは?と考えています。余白を効果的に使うというのは、俳句や日本画みたいな感じで世界に通用する日本的な演出の攻め方だと思っています。

青木さん:
セリフがない作品を作るって、相当技量が必要なんだけどね(笑)
山元 隼一さん

心に長く残る作品を作りたい


山元さん:

一人で作家性を追求して作る作品もいいですが、みんなでいろいろ集まって、意見を交換しながら作っていけるといいなと思っています。
出来上がった作品は、できるだけ人の心に長く残ってくれたらいいなぁ。
それが作品をつくるモチベーションになっているので。

青木さん:
地球が滅んで、宇宙人がこの作品の入ったディスクみたいなものを拾って、なんだこれは!っていう作品が作りたいんだよね?

山元さん:
「人間という変わった知的生命体がいたのか」って宇宙人に思ってもらえる作品ですね(笑)。
「人間って面白いもの作ってたんだな。」「なんで昔の人類は、こんな作品が作れたの?」って思ってもらえるものにしたいですね。

青木さん:
山元さんは情熱があり、クリエイターだけど、ディレクター目線にも、プロデューサー目線にもなってチームを組めるの人なので、かなりいいものが作っていけると思います。
期待していてください。

山元さん:
アニメーションの可能性って、まだまだ広がっていくと思います。
これからも、自分たちも見たい思うアニメーションを作れたらいいなと思っています。

【PROFILE】山元 隼一
アニメーションディレクター/2011九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻を卒業/セルアニメーションのテイストで、世界観の構築、絵コンテが得意です。最近は、PS vita「Deemo ~ラスト・リサイタル~」アニメーション監督・OVA「熱血人面犬」原作・監督などを担当。
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