どこまでも反骨精神を持った芸術家、岡本太郎の美術館に行ってみよう

お出かけ

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誰でも一度は名前を聞いたことがある岡本太郎。川崎市生田緑地の中にある川崎市岡本太郎美術館で、芸術の秋を堪能しませんか?

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噴水広場もある広々とした生田緑地に、岡本太郎美術館があります。

小田急線の向ヶ丘遊園駅から、徒歩約15分の距離にある岡本太郎美術館。岡本太郎が川崎市の生まれなこともあり、この美術館には、1700点以上の主要作品が展示・保有されています。自然豊かな生田緑地の中にあるので、緑地の中をふらっと散策するのもいいし、ピクニックをするのにも最適な場所です!

「芸術は、爆発だ!」岡本太郎ってどんな人?

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「芸術は、爆発だ」という名言が有名な岡本太郎ですが、大阪万博のシンボル「太陽の塔」など、力強い作品で知られています。それもそのはず、岡本太郎は、芸術一家に生まれたのです。

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漫画家の父と、歌人の母との間に生まれた岡本太郎

漫画家の父・岡本一平と、歌人であり作家の母・岡本かの子という、芸術一家の一人息子として生まれた岡本太郎。自由奔放な両親の教育のおかげか、その作品は既成概念に捕らわれない独特のものばかりです。自由や権利を害する者や権威を振りかざす者、抑えつけようとする者に対する、反抗的な意識は、この両親の影響なのかもしれません。

ピカソを超える!?激動のパリ時代

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左:岡本太郎 右:パブロ・ピカソ

岡本太郎は、10代後半から約10年間の多感な時期を、パリで過ごしています。絵画を学ぶためだけでなく、「何のために絵を描くのか」という問いの答えを得るために、渡仏したとも言われています。芸術に対する迷いが続いていた岡本太郎は、ある日パブロ・ピカソの「水差しの果物鉢」という絵に衝撃を受け、ピカソを超えることを決心します。それ以来、抽象画に道を求めて、創作を続けました。

太陽の塔だけじゃない!岡本太郎の力強い作品たち

芸術の重要な要素に、意味・内容・思想を挙げている岡本太郎の作品は、作品それぞれにテーマがあります。彼の代表的な作品と、その作品に込められたテーマを解説してきます。

岡本太郎のアヴァンギャルド精神が生み出した「太陽の塔」

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岡本太郎の作品の中で最も有名なのは、なんといっても「太陽の塔」ですよね。1970年の大阪万国博覧会のシンボルとして建てられ、今も大阪に残っています。「太陽の塔」は過去・現在・未来の3つの顔を持っています。実は「太陽の塔」は、依頼されて建てられたものではなく、「俺はベラボーなものを作る」と岡本太郎が宣言し、勝手に力づくで建てたものなのです。万博のテーマである「人類の進歩と調和」や、進歩が人類を幸福にするという風潮を真っ向から否定しており、技術革新や未来をテーマにした作品が並ぶ万博に、奇妙な風体の「太陽の塔」が睨みをきかせているのです。

権威の正体はファスナーの奥に?「森の掟」

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1950年に描かれたとは思えないほど、新しさを感じさせる油彩画「森の掟」。森を思わせる緑の背景の中心に、赤い怪獣が何か生き物を襲っているように描かれています。さらにその怪獣には、不自然にファスナーが付いています。岡本太郎によると、赤い怪獣は権威の象徴のようなもので、ファスナーを開けると、中身は空っぽなのだそうです。この絵は岡本太郎美術館に展示されています。

椅子ってなんで椅子なんだ?「座ることを拒否する椅子」

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なんとも岡本太郎らしい作品の「座ることを拒否する椅子」。作品の椅子は、目や口などが掘ってあり、ゴツゴツした質感です。人が座らない椅子が、果たして椅子なのか。考えさせられますね。

渋谷駅で見られる岡本太郎の最高傑作「明日の神話」

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画像は絵の一部です。

縦5.5m、横30mにもなるこの巨大壁画は、JR渋谷駅と京王井の頭線の連絡通路に展示されています。原爆が炸裂した瞬間を描いたこの絵には、赤い炎や骸骨、黒雲が描かれています。しかし、ただの原爆図のように、ひたすら悲劇を描いているのではありません。ここで思い出して欲しいのが、タイトルである「明日の神話」。絶望の中から湧き上がるようなパワーが、感じられるような気がしてきます。

というわけで、知れば知るほど引き込まれる岡本太郎と、美術館の紹介をしましたがいかがでしたか?興味がありましたら、ぜひ川崎市の美術館まで足を運んでみてくださいね。