映画『52ヘルツのクジラたち』主演:杉咲花×監督:成島出のタッグで映画化決定!

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町田そのこ先生による原作「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに75万部を売り上げる圧巻の傑作ベストセラー小説。

「52ヘルツのクジラ」とは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている―。

今回杉咲花(すぎさき・はな)さんが演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚(みしま・きこ)。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年と出会います。

愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む、切なる愛の物語。

52ヘルツのクジラたち 町田そのこ 著 中公文庫 2023/5/25

メガホンを取るのは、『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の名匠・成島出(なるしま・いずる)監督。

抜群の演技力で映画・ドラマと幅広く活躍し、国民的女優としての地位を確固たるものにしている杉咲さんは、この作品の撮影に臨むにあたり「この物語は、皆が自分の隣や心の中にいる誰もに、拍手を贈れる日々への祈りだと思います。その志に少しでも加わりたくて、貴瑚という役を演じることになりました。」とコメントし、初の成島監督作への参加に「信頼する成島組の皆さまと、力を尽くしていきたいです。」と意気込みをみせています。

原作者の町田先生は、映画化自体を未知の世界としながらも、脚本を読み「自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました」とコメント。

さらに「これから、成島出監督や杉咲花さんをはじめとした俳優の方々、素晴らしいスタッフの方々の手によってますますその輪郭を濃くし、色鮮やかになってゆくのだろうと思うと、楽しみでなりません。」と、この布陣での映画化への期待と喜びの声を寄せています。

成島監督も、「『誰にも届かない声などない』町田そのこさんのこの熱い想いにどうしたら映画はこたえられるのか。繊細で、力強く、残酷で、あたたかい本作に、大いなる覚悟で臨んでいます。」と映画化への想いを語り、「この難しい作品に、撮影前から並々ならぬ思い入れで準備をすすめてくれた杉咲さんたちと、共に挑めることを心強く思います」と杉咲さんとの初タッグに期待を寄せています。

果たしてどのような作品が生まれるのか、声なき声は届けられるのか。映画『52ヘルツのクジラたち』は現在鋭意撮影中で、公開は2024年3月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー予定です。

キャストスタッフコメント全文

杉咲花さん

■主演:杉咲花さんコメント
この物語は、皆が自分の隣や心の中にいる誰もに、拍手を贈れる日々への祈りだと思います。
その志に少しでも加わりたくて、貴瑚という役を演じることになりました。
信頼する成島組の皆さまと、力を尽くしていきたいです。


<最新プロフィール>
1997年生まれ。東京都出身。
『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)で第40回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞および新人俳優賞受賞。劇場アニメーション『メアリと魔女の花』(17)で主人公の声を担当。主な出演作は映画『無限の住人』(17)『BLEACH』(18)『パーフェクトワールド 君といる奇跡』(18)『楽園』(19)『青くて痛くて脆い』(20)『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』(21)『大名倒産』(23)など。『法廷遊戯』(23年11月)、『市子』(23年12月)、『片思い世界』(24)の公開を控えている。

成島監督

■監督:成島出さんコメント
「誰にも届かない声などない」町田そのこさんのこの熱い想いにどうしたら映画はこたえられるのか。
繊細で、力強く、残酷で、あたたかい本作に、大いなる覚悟で臨んでいます。
この難しい作品に、撮影前から並々ならぬ思い入れで準備をすすめてくれた杉咲さんたちと、共に挑めることを心強く思います。

52ヘルツで声なき声を上げる「だれか」に、この作品が届くことを信じて。熱い夏を乗り切りたいと思います。


<最新プロフィール>
1961年生まれ。山梨県出身。
1994年より脚本家として活躍した後、役所広司を主演に迎え初監督を務めた『油断大敵』(03)で藤本賞新人賞・ヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞。『八日目の蟬』(11)は日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞など10部門を受賞する。その他、『フライ,ダディ,フライ』(05)、『孤高のメス』(10)、『ソロモンの偽証 前・後編』(15)、『ちょっと今から仕事やめてくる』(17)、『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』(19)、『いのちの停車場』(21)、『ファミリア』(22)など数々の話題作を手掛ける。近作は『銀河鉄道の父』(23)。

町田そのこ先生 (c)中央公論新社

■原作:町田そのこ先生コメント
『52ヘルツのクジラたち』は、広大な世界に小さな魚を放流するような気持ちで送り出した作品でした。その魚がたくさんの方の手によって、まさに大きなクジラのような存在になり、大海を泳いでいる。それだけでも夢を見ている心地だったのに、まさか映画という未知の世界にまで泳いでいくなんて。

脚本をいただきましたが、自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました。これから、成島出監督や杉咲花さんをはじめとした俳優の方々、素晴らしいスタッフの方々の手によってますますその輪郭を濃くし、色鮮やかになってゆくのだろうと思うと、楽しみでなりません。

そして、貴瑚や愛、安吾たちの声なき声がたくさんのスクリーンに響く日が来る。誰にも届かない声などない、そう信じて書いた作品がたくさんのひとの心に届く日が訪れる。そのことが嬉しくてなりません。

2024年、みなさまと一緒に彼らの声に耳を傾ける日を過ごせますように!と書きながら、いまだに「ほんとうに映画化なの? 騙されてない?」と疑っていたりもするわたしです。


<最新プロフィール>
1980年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年に同作を含む「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、「うつくしが丘の不幸の家」(東京創元社)などがある。「52ヘルツのクジラたち」で2021年本屋大賞を受賞。
近著に「星を掬う」(中央公論新社)、「宙ごはん」(小学館)、「あなたはここにいなくとも」(新潮社)。

<ストーリー>
ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚。
虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、
今はもう会えないアンさんとの日々だったー。