四季折々、日本ならではの美しい風景を堪能できる映画

レコメンド


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映画の魅力のひとつはその情景の美しさです。映画を見終ったあとにもずっと、印象に残っているシーンがあるはず。そんな忘れられない色鮮やかな四季を感じられる映画を集めてみました。

満開の桜はいつの時代も美しい。『雷桜』 は江戸の悲恋の物語


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岡田将生演じる徳川秀斉の十七男、清水斉道は静養先の瀬田村で蒼井優演じる雷という娘と出会います。心を病み家臣を困らせるような言動ばかりの斉道。一方、雷は山奥で猪を狩り野草を積む毎日です。そんなふたりは恋におち、ひと時心を通わせるのですが運命がふたりを引き裂く日が近づいているのでした。
雷のすべてを斉道にぶつける愛情表現が切なくて胸が痛くなります。主演の二人はもちろん、家臣を演じる江本明や小出恵介などの国や家族を思う姿が素晴らしいです。

雷の名前の由来となった桜の大木。満開のその前でふたりが寄りそう様子が印象的です。また、一面シロツメクサの野原やお屋敷から見える日本庭園の美しさなどの情景も楽しんでみてください。

初夏の森がおとぎ話のようにきれいな『西の魔女が死んだ』は少女とおばあちゃんの物語


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学校へ行かない、と言い出した中学1年生の少女、まい。そんな彼女を母親は田舎のおばあちゃんの家に預けます。ひとり森の中に住むイギリス人のおばあちゃんは、まいにある日自分は魔女だと告白します。そしてまいは、自分も魔女になるための修行としておばあちゃんの家事を手伝い、自分のことは自分で決めるということを教えてもらいます。

早起きや自炊、という生きるための力を魔女だというおばあちゃんから教わるまいは、どんどん成長していきます。外国にいるかのようなかわいい家や家具、そしておばあちゃんのいでたちは絵本の世界そのままです。
清里をロケ地として撮影されたこの映画は、春から夏にかけての木々や草花などまるで本当に魔法にかかったような素敵な自然を見せてくれます。

真っ赤に染まるもみじと悲しいふたりの姿が目に焼き付く『Dolls ドールズ』は3つの究極の愛の物語


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恋人を捨て出世のための結婚を望んだ男、松本(西嶋秀俊)と、彼に捨てられ自殺未遂をしたものの死にきれず狂ってしまった女、佐和子(菅野美穂)。佐和子と生きることを選んだ松本は目を離すと何をするかわからない佐和子と自分の体を赤い紐でつなぎ、あてのない旅に出ます。
そんなふたりのストーリーと並行して、事故で引退したアイドルとそのファンの男、かつて約束したベンチで何年も恋人を待つ老女とやくざの親分のストーリーが進みます。

松本と佐和子は四季を通して静かに歩き続けますが、時がたつにつれて松本までもがまるで人形のようになっていきます。その厭世的なふたりと真っ赤な紅葉が美しく恐ろしく感じられます。
とてもセリフの少ない(特に佐和子はほとんど話しません)、なのに衝撃的な、北野武監督の作品です。

冬から春に向かう自然と、目にもおいしい料理を楽しめる『リトル・フォレスト 冬・春』は東北の小さな村の物語

『リトル・フォレスト 冬・春』映画オリジナル予告編

都会になじめず、故郷の東北・小森でひとりらすいち子。畑で採れた野菜たちを昔ながらの作り方で次々と料理していきます。納豆餅、小豆のマフィン、凍み大根…。
友人ユウ太とキッコに「いち子は大切なことから逃げている」と言われ、春になりもう一度都会へと行く決心をします。

主演の橋本愛のナレーションでストーリーは進みますが、いち子の独り言がとても自然でのんびりしたムードを出しています。
村の雪景色が文句なしに美しく、特に冬編のエンドロールがとても素敵です。(季節ごとの4部作。秋・春と冬・春でそれぞれDVDになっています。)
『リトル・フォレスト 夏・秋』が前編になるので、そちらを見てからこの秋冬編を見るのがおすすめです。

北海道の冬のカフェを舞台にした、ほっこりあたたかい『しあわせのパン』


出典:http://naitwo.me/archives/1733

大泉洋と原田知世が主演したこちらの映画は、北海道・洞爺湖の四季が描かれています。
夏の海や落ち葉のきれいな秋もきれいですが、やはり北海道ということで寒そうな木々や駅のホーム、真っ白になった冬の景色が一番印象に残ります。

「マーニ」というパンカフェを営む夫婦のもとには、郵便屋さん、近所のガラス作家の女性など常連客の他にいろいろな人が訪れます。恋人にドタキャンされた女性や登校拒否の女の子、月を見に来た老夫婦。
お店で出される料理や焼き立てパンがとってもおいしそう。夫婦ふたりの静かなトーンでの話し方や自然豊かな湖畔のかわいいお店など、ゆったり、ほんわかとした雰囲気の映画です。