CinemaGene(シネマジーン)

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カラフルに彩られた映像が素敵。大人ファンタジーの魔術師、ウェス・アンダーソンって知ってる?

295104001出典:http://www.cinemablography.org/blog/the-grand-budapest-hotel-reviewed
まるでコミックに登場しそうなマカロンカラーのホテル

ウェス・アンダーソンというアメリカの監督を知っていますか?まるで、コミックのワンシーンのようなカラフルな映像を繋いで、大人が楽しめるファンタジーを撮り続けるフィルムメイカーなのです。

ウェス・アンダーソン作品の魅力1:とにかくコミカルでキレイな映像。セットにも細かいこだわりが

EntryImage出典:http://www.dclog.jp/2mrck_r/
こちらは『グランド・ブダペスト・ホテル』に登場するピンクマカロンカラーのホテル。実はこれ、ホテルの全景のカットでは、ミニチュアが使われているんです。全景ではミニチュアを使い、アップの場面では、冒頭の写真のように実際のセットを使っています。ミニチュアとセットを組み合わせることで、全体にコミカルな魅力が醸し出されます。このように、ウェス・アンダーソンの作品では、セットや登場するアイテムの細部までにこだわりを感じます。

CourtesansAuChocolat2出典:http://www.papermag.com/2014/03/the_grand_budapest_hotel_wes_anderson_best_props.php/

これは『グランド・ブダペスト・ホテル』に登場する洋菓子屋さん「メンデル」の様子。「コーティザン・オ・ショコラ」というシュークリームの塔のお菓子を作っているワンシーン。このページの一番上に掲載されたホテルのセットの写真を見ると、ホテルの前に止まっている車にMENDL’Sと書いてあります。そう、これはメンデルのお菓子を運ぶ車なのです。このように、ひとつひとつの映像の細かいところをちゃんと作りこんでいるんですね。

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出典:http://www.gabriellaglick.com/blog/
「コーティザン・オ・ショコラ」をラッピングするための特性ケーキボックス。作品中に登場するケーキボックスひとつ取っても、ちゃんとオリジナルのパッケージデザインを施すほどのこだわりよう。

ウェス・アンダーソン作品の魅力2:ビル・マーレイなど、個性豊かな俳優が総出演

05出典:http://www.hollywoodjesus.com/life_aquatic_photo.htm
個人的な友人でないと出演依頼が難しいというビル・マーレイ

映画業界の個性的な俳優たちを毎回作品に起用するウェス・アンダーソン。俳優たちとも個人的に親交が深いウェスの作品には、毎回おなじみのメンバーたちが出演します。中でもビル・マーレイは、主演作品『ライフ・アクアティック』をはじめとして、多数の作品に出演しています。『ゴースト・バスターズ』でご存知の方も多いかもしれませんが、最近では個性的な監督に好んで起用されています。
ハリウッドの多くの俳優はエージェント会社と契約をしていますが、ビル・マーレイはどことも契約を結んでいないため、友達でなければ出演を依頼できないのです。
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出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3
大学時代の友人でもあるオーウェン・ウィルソン

ビル・マーレイと並んで出演回数が多いのが、オーウェン・ウィルソン。『ナイト ミュージアム』などハリウッドの大作にも出演していますが、実はウェス・アンダーソンとは大学の同級生。初期の頃は出演とともに制作側にも加わっており、『天才マックスの世界』や『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の脚本も書いているんです。
Anjelica_Huston_2出典:http://home.j08.itscom.net/jack/Anjelica-Huston.html
『アダムス・ファミリー』のお母さん役としておなじみ

『アダムス・ファミリー』のお母さん役としても知られるアンジェリカ・ヒューストン。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』など、ウェス作品に3作品出演していますが、いずれもお母さん役を演じています。

このように、ウェス作品にはかなりの個性派俳優たちが多数出演しています。しかも、まるで劇団のように、違う役柄で複数の作品に出演しているのが特徴なのです。細部までこだわりの感じられる映像とともに、個性的な俳優陣の顔ぶれが、ウェス・アンダーソンの作品のアイコン的な役割になっているんですね。

おすすめのウェス・アンダーソン作品

ここまで読んでくださった方は、ウェス・アンダーソンの作品を観てみたい!と思ったのでは?
これからウェス・アンダーソンの作品を観るという方に、おすすめの作品をセレクトしてみました。

マカロンピンクのホテルで繰り広げられる、ゆるいミステリー『グランド・ブダペスト・ホテル』

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出典:http://blog.livedoor.jp/meeerchi/archives/8133968.html

冒頭の写真、マカロンピンクのホテルが舞台になっている『グランド・ブダペスト・ホテル』。ホテル内で殺されたマダムDの犯人を捜すべく、伝説のコンシェルジュが、ロビーボーイとともに殺害の真相に挑むミステリーです。と、書くとまじめなミステリーのように感じますが、そこはウェス・アンダーソン作品、あくまでもゆるーいミステリーコメディとなっています。くすっと笑ってしまうシュールな場面や、ロビーボーイと洋菓子店の女の子とのロマンスも描かれて、その脱線具合がとっても良い感じです。
本作の主役を演じるのは、ウェス作品に初めての出演となるレイフ・ファインズ(コンシェルジュのグスタフ)と、トニー・レヴォローリ(ロビーボーイ)。レイフ・ファインズの顔をどこかで見たことはありませんか?実は、『ハリー・ポッター』シリーズのヴォルデモートを演じているのが、この方なのです。

日本でウェス・アンダーソンが知られるきっかけになった作品『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』

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出典:http://blog.goo.ne.jp/goo0348_2007/e/3715c2ed7ea4da02dd3ef3b16d0125a7

日本で初めて公開されたウェス・アンダーソン作品。テネンバウム家の3人の子供たちは、皆10代のころに金融や劇作家、テニスなどの分野で成功した天才ばかり。しかし、父親のテネンバウム氏の裏切りにより、一家は崩壊をはじめてしまいます。無気力な生活を送る3人の子供たちその家族を案じて、テネンバウム氏はある計画を練るのですがー。
『アダムス・ファミリー』のお母さん役、アンジェリカ・ヒューストンがこの作品でもお母さん役を演じています。最近のウェス作品はは特徴的な映像とシュールなストーリーテリングが目立ちますが、本作は「人間ドラマ」の様相が濃くなっています。
細部へのこだわりは、この時から強く出ていて、テネンバウム家の長女を演じたグウィネス・パルトローのメイクは、目のふちを黒く囲ったドーリーなメイク(写真左)。長男のチャスを演じたベン・スティラーも、親子で常に赤いジャージを着用するなど、キャラクター設定へのこだわりがすごいんです。

ウェス・アンダーソン劇団の役者が総出演!?『ダージリン急行』

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出典:http://www.dlife.jp/lineup/movie/darjeelinglimited/

ウェス・アンダーソン作品には、よくインド人やインドのモチーフが登場します。そして、この作品は『ダージリン急行』というタイトルの通り、インドが舞台。父親の死をきっかけに、仲たがいをしていた3人の兄弟が、インドでの旅をきっかけに関係を取り戻そうとするのですが…。
主演は3人のうちの2人は、それぞれかつてウェス作品で主演を務めています。(オーウェン・ウィルソンは、『ライフ・アクアティック』、ジェイソン・シュワルツマンは『天才マックスの世界』)そして、次男は演じたエイドリアン・ブロディは、『グランド・ブダペスト・ホテル』で悪役を演じています。まさにウェス劇団のレギュラーメンバーが勢ぞろいをした印象です。

この作品で印象的なのは、冒頭のシーン。すでに発車してしまったダージリン急行に飛び乗ろうとする次男のエイドリアン・ブロディが登場するのですが、謎のビジネスマンとデッドヒートを繰り広げ、結局ビジネスマンは乗り遅れてしまうのです。そのビジネスマンを演じるのが、おなじみのビル・マーレイとなっており、この冒頭の“つかみ”的な映像も、音楽を含めてめちゃくちゃカッコいいんですね。

ということで、観るたびに引き込まれてしまうウェス・アンダーソンの世界をご紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。興味を持ってくださったら、このおすすめ作品から鑑賞してみては?

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