圧倒的映像美!クリエイターが創る映画は、美しい。

レコメンド

さくらん
出典:http://www.cinemacafe.net/article/img/2006/10/31/965/806.html
蜷川実花監督、土屋アンナ主演の『さくらん』

カメラマンやミュージックビデオを手掛けたクリエイターが作る映画は、脚本も独特ですが、なんといっても注目すべきは、その映像の美しさです。それでは、クリエイター出身の監督の映画をいくつか紹介します。

目には見えない学園内のヒエラルキー『桐島、部活やめるってよ』

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出典:http://ameblo.jp/mini3298lo/entry-11828198151.html

CMディレクターでミュージックビデオなども手掛ける、吉田大八監督による長編映画。
高校のヒエラルキーの頂点に君臨する、バレー部のスター的生徒「桐島」が部活を辞めるという噂が流れます。「桐島」の親友や恋人でさえ聞かされていないその事実に、校内は不穏な空気が漂い、学校という組織の中の評価によって作られた序列が脆く崩れていきます。その生々しい社会の縮図を、脚本の巧妙さと撮影の上手さによって清々しく切り取ります。人間関係ドロドロなはずなのに、どこか気持ちよく最後まで見られる作品です。

惹かれ合う孤独な魂たち、この世の果ての恋物語『ヴァンパイア』

ヴァンパイア
出典:http://www.cinemacafe.net/article/img/2011/02/07/9976/34321.html

脚本家でありながら音楽家でもある岩井俊二監督が、日・米・カナダの共同作として撮影した作品。高校教師のサイモンは、アルツハイマーの母親と一緒に暮らしています。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見て、そのサイトで血をくれる人を探していました。そんな彼は、自殺を志願する人々から“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれているのでした。これだけ聞くと普通のヴァンパイア系かと思ってしまいますが、この作品は違います。文学的で詩的で静かな映像が、主人公の人間味をあぶり出し、優しく切ないストーリーに仕上がっています。

あの名作アニメが実写に!悲惨さの中に残る儚い美しさ『Casshan』

Casshan
出典:http://spoonyexperiment.com/casshan-robot-hunter/

宇多田ヒカルの元夫であり、彼女のMVを手掛けたことで有名になった紀里谷和明監督。ハリウッド映画「ラスト・ナイツ」で今後の活躍がさらに期待されています。彼の初監督作品である『Casshan』は、タツノコプロの「新造人間キャシャーン」の実写映画です。しかし、原作とは大幅に脚本が変更されており、賛否両論巻き起こった作品です。単純な善悪の戦いではなく、互いの主張に魂がこもっており、熱いメッセージ性を感じます。それを究極までカッコよく映す圧倒的な映像美は、紀里谷監督の渾身の一作と言っても過言ではないでしょう。

女性としても映像としても美しさを最後まで追求した物語『ヘルタースケルター』

ヘルタースケルター
出典:http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=495

女性写真家として名を馳せ、AKB48や三代目J Soul BrothersのMVも手掛ける蜷川実花。「さくらん」に続き、2作目の監督作品となる映画『ヘルタースケルター』。
トップスターの君臨するりりこは全身整形。美の崩壊と頂点からの転落に恐怖しながらも、芸能界を、日本を、人生を冒険し続けた彼女が辿り着く世界は一体どこなのでしょう?
芸能界の華やかさと事実の狭間で悩むりりこの姿を、映像のコントラストがより一層主張しています。女性監督らしい色使いも必見です!

血縁か、時間か。幸せな家族の形とは何なのか『そして父になる』

そして父になる
出典:http://www.cinemacafe.net/article/img/2014/03/04/22116/98285.html

MV、CMなど、マルチに活躍する是枝裕和監督の名作です。
大事に育ててきた息子が6歳になるころ、病院から驚くべき知らせが届きます。自分の息子が、新生児のときに取り違えられた別の家庭の子だというのです。血縁か、6年間の時間か。どうしたら一番幸せになれるのか、あなたならどうするでしょう?
このような文学的で淡々と進んでいく内容を、1つの映画として最後まで観れるのは、出演者の表情が豊かであり、それを切り取る監督の腕がなせる技です。派手な演出はありませんが、これも人間の美しさを映した傑作です。

いかかでしたか?興味のある方は、それぞれの特徴が出るクリエイターの映画を、おすすめ作品から見てみましょう!