CinemaGene(シネマジーン)

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坂本龍一×ビートたけし×デヴィッド・ボウイ!『戦場のメリークリスマス』を改めて見てみよう

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出典:https://www.acmi.net.au/

巨匠・大島渚監督による、坂本龍一、ビートたけし、デヴィッド・ボウイなど豪華キャストが共演した名作『戦場のメリークリスマス』について振り返ってみましょう。

大ヒットした名作『戦場のメリークリスマス』

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出典:http://www.adorocinema.com/

1942年、第二次世界大戦下。日本の統治下にあるジャワ島の日本軍捕虜収容所で、朝鮮人軍属カネモトが、オランダ兵デ・ヨンを犯すという事件が起きます。日本語を理解する捕虜の英国陸軍中佐ジョン・ロレンスは、ともに事件の後処理にあたった単純で粗暴な軍曹ハラと、奇妙にも友情を築いていきます。一方、捕虜収容所所長の陸軍大尉ヨノイは、軍事裁判で出会った英国軍陸軍少佐セリアズに心を動かされ…。

日本映画界の巨匠・大島渚監督が、極限状態にいる中で起こる敵対する男たちの心の交流を描いた作品です。

ミステリアスでカリスマ性溢れるセリアズ役のデヴィット・ボウイ

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出典:http://www.cheapculturetokyo.com/

セリアズ役には、当初ロバート・レッドフォードが候補に挙がっていましたが、彼には“アメリカ人にはこの作品は理解できない”と断られてしまいます。大島監督は、1980年暮れのNYブロードウェイで「エレファントマン」を演じるボウイに感激、ボウイもシナリオを読むと「すぐやりたい」「いつでも映画のためにスケジュールを空ける」と監督の手を握りました。クランクインは1982年8月。ボウイは本当に2年近くも待ち続けてくれたのです。
20世紀を代表する世界のロック・スター、ボウイがこの作品にこれほどの熱意を傾けてくれたことで、堂々としていて神秘的な上に気品のあるセリアズが創り上げられたのです。また、彼の美しさがヨノイ大尉の感情を揺さぶるということに大きな説得力を持ちました。

セリアズに翻弄されるヨノイ大尉を演じた坂本龍一

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出典:http://zeohealer.blogspot.jp/

満洲へ転属となったために、ニ・ニ六事件の決起に参加できなかった無念を抱いているエリートのヨノイ大尉は、YMOの坂本龍一が演じました。この作品が映画初出演であり、演技力というよりも、坂本がもともと持っている雰囲気やたたずまいに魅力を感じさせる印象で、秩序や規律を重んじ、自身を“死にぞこない”と感じているヨノイをうまく表現しています。ミュージシャンである坂本は、今や世界的に活躍する作曲家・音楽プロデューサーです。その彼が、この作品では音楽監督もつとめ、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、あの有名なサウンドトラックを、200時間もスタジオにこもってエネルギーを注いで作ったのです。

ラストシーンが印象的なハラ軍曹役のビートたけし

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出典:http://xoxo-xo.jugem.jp/

当時「オレたちひょうきん族」でTV界のスターであったビートたけしは、最後にキャスティングされました。勝新太郎や緒形拳の名前が挙がる中、交友のあった大島監督は「瞳だけは美しく輝いている」という理由から、たけしがふさわしいと思っていたと言います。今となっては世界的な映画監督となった北野武が、最初に足を踏み入れた映画作品ともいえます。試写のフィルムを見て、坂本とともに演技力のなさに落ち込んだというたけしですが、名シーンとなっている印象的なラストシーンは、やはり彼だからこそ表現出来たものでしょう。

『戦場のメリークリスマス』が名作となったのは、監督や出演者、スタッフなどの、構想から撮影中における熱量が伝わってくるものだったからではないでしょうか?その熱量が、ワンシーンごとに理由や意味を考えてしまうような、心に残る場面を作り上げたのだと思います。

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