「カワイイ」の先駆者!イラストレーター・内藤ルネの少女画が可愛すぎる!

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イラストレーターの内藤ルネをご存知ですか。名前は知らなくても、絵は見たことがある方は多いと思います。イラストだけに留まらず、グッズや雑貨のデザイナー、ファッション関係など多くものを手掛け、日本の可愛い文化を生み出した彼についてご紹介します。

イラストレーター・デザイナーとして多くの作品を手掛ける

愛知県岡崎市出身。19歳の時に画家の中原淳一に呼ばれ上京し、中原氏が主宰する出版社ひまわり社に入社します。雑誌の編集を手伝いながら、イラストや人形作品を製作するようになりました。1950~1960年代にかけて、圧倒的な人気のファッション誌「ジュニアそれいゆ」の創刊号から主要メンバーとなり、表紙と挿絵を担当し、大ブレイク。他にも少女雑誌各誌の口絵・付録・イラストや、マスコット人形・食器・インテリア雑貨・キャラクター文房具などの、多数のデザインを手掛け幅広く活躍します。1971年には“ルネパンダ”で一世を風靡し、大きな人気を得ました。また、長年に渡り男性同性愛雑誌「薔薇族」で表紙を描いていました。

「カワイイ」文化の始まりはここから

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今や世界共通となった、日本独自の「カワイイ」文化。原型をつくったともいえるのが、内藤ルネの少女画です。童顔でポップでヴィヴィッドに彩られた少女画、このようなイラストをお洒落にまで到達させたのは、内藤ルネが始まりです。それまでは、伏し目がちなおとなしい女の子がイラストの定番でしたが、ルネが描いた少女は明るい女の子で、ヘアスタイルもファッションも多彩でした。これが、多くの少女の心を掴みました。ルネは、枠にとらわれずに、自身の独特な感性を信じて恐れずに表現していきました。

ルネが切り開いたもの

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ルネは、可愛らしい少女だけでなく、動物から野菜、フルーツやインテリアなど、誰もが見過ごしていた、あらゆるものに“かわいい”を見出して描いていきました。キャラクターやファンシーグッズという言葉がなかった時代に、多くのイラストやグッズをはじめて生みだしていった先駆者でした。ルネの時代には珍しく、彼が生み出した作品は様々に商品化され広がっていったのです。また、ファッションにおいても、カンカン帽や短い丈の白手袋、大きなボタン使いなどを流行させました。一方で、色鉛筆やパステルを使用し、憂いを秘めた幻想的でゴシックな世界観という、全く異なる作品も生み出しています。

日本人が愛するパンダキャラの元祖ルネパンダ

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1971年、ロンドン動物園で初めて実際にパンダを見たことで、ルネパンダというキャラクターを生みだしました。翌年には中国から上野動物園にパンダが贈られたことで、日本にパンダブームが巻き起こり、ぬいぐるみや文具などのルネパンダグッズも大人気となりました。黒い毛に埋もれた目に白目を描き、実際は白い尻尾を黒く描いたルネパンダは、日本で初めてパンダをキャラクター化して描いたと言われており、その後のパンダグッズに大きな影響を与えています。

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2007年に心不全で亡くなった内藤ルネ。彼が生み出した“かわいい”は、今も受け継がれて日本を代表する文化になっています。少女だけでなく、あらゆる世代から愛され続けている彼の作品は、時代は変わっても古くならず、今も輝いており、人々の心をときめかせています。