カラフルなマリリン・モンローのポートレートや、ポップなスープ缶。一度は見たことがある作品です。これらを製作したのは、20世紀を代表する現代アーティストであるアンディ・ウォーホルです。今回は、アンディ・ウォーホルのビビットな作品の数々をご紹介します。
ポップ・アートの始まり「キャンベルのスープ缶」
同じ色合いのスープ缶が32個描かれた、シルクスクリーンの作品です。解釈は様々あり、「ポップ・アーティストとして外観や表面だけを描くため無機質な対象を選んだ」というものから、「絵画と日常に使われるものの価値は同じである」といったものまであります。ウォーホル自身がただキャンベルのスープが好きだったからだ、という解釈もあります。
最も有名な作品「マリリン・モンロー」
出典:http://andywarhol.seesaa.net/
ビビットな色調のマリリン・モンローのポートレートは、ウォーホルが手掛けた中で最も有名だといっても良いでしょう。今なお愛され、ポスターなどが販売されています。その色調は様々で、サイズ、デザインも豊富です。ウォーホルがこの作品を制作し始めたのは、マリリン・モンローの死に衝撃を受けたからだと言われています。
98億円の値が付いた「トリプル・エルビス」
出典:http://www.huffingtonpost.jp/
銃を構えカウボーイの恰好をしたエルビス・プレスリーが、重なり合いながら3人描かれています。この作品は2014年にオークションに出品され、98億円の値を付けられました。エルビス・プレスリーを題材にした作品は、これを含め22作品があります。ウォーホルは著名人を多く題材にし、また、著名人たちにとってウォーホルに題材として取り上げられることは、ステータスとなっていました。
バンドのアルバムをプロデュース「The Velvet Underground & Nico」
出典:https://www.amazon.co.jp/
The Velvet Underground & Nico
後年のウォーホルは普通の画家とは違い、自身の作品を自身の手で描いたり刷り上げたりすることがありませんでした。ファクトリーと呼ばれる絵画工房を設立し、そこで若いアーティストなどを雇い作品制作を行っていました。このファクトリーには、様々なジャンルのアーティストが集っていました。その中にいたのがThe Velvet Undergroundのメンバーでした。ウォーホルがプロデュースするにあたり、同じくファクトリーに集っていたニコを加え、ウォーホルがこのアルバムのジャケットをデザインしました。当時はヒットしませんでしたが、現在では再評価されています。
眠る男を映し続けたその意図は?『眠り』
ウォーホルは数多くの映画を撮影していました。実験的な作品が多く、ほとんどは公開されることはありませんでしたが、その芸術性やメッセージ性で評価されています。公開された作品のうちの一本が『眠り』です。文字通り、6時間にわたり眠り続ける男を映し続けた作品です。ウォーホルは同じように同じものを延々と映し続ける作品を好んで製作していました。
20世紀を代表する現代アーティスト アンディ・ウォーホルの代表作品いかがでしたか?日本でも近年ファッションブランドとのコラボなどで目にすることが多いウォーホル作品。より身近に感じられるようになったその世界観に、ぜひ魅了されてみてはいかがでしょうか。