少年と犬が、アルプスの山越えに挑む『ベル&セバスチャン』

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『ベル&セバスチャン』映画オリジナル予告編

アルプスのふもとにで暮らす孤児セバスチャンは、村人から嫌われている野犬に出会い、ベルと名付けます。必死で村人からベルを守るセバスチャンですが、2人にある試練が訪れるのです。

原作は世界的ベストセラーのフランス児童文学

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『ベル&セバスチャン』は、セシル・オーブリー著のフランス児童文学「アルプスの村の犬と少年」(邦題)を映画化した作品です。日本では1981年に「名犬ジョリィ」のタイトルでアニメ化されているので、知っている人も多いのではないでしょうか。
本作は随所にナチスユダヤが絡んだアレンジが施されており、原作より更に深みを増したストーリーとなっています。

ナチス占領下のフランスで逞しく生き抜く孤児のセバスチャン

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1943年のフランス。舞台はスイス国境近く、アルプスの麓にある小さな村。セバスチャン(フェリックス・ボシュエ)は、親代わりのセザール(チェッキー・カリョ)に母親がアルプスの山の向こうアメリカにいると言い聞かされてきました。
クリスマスに母と会えることを信じるセバスチャンは、戦争の色濃い村で自然と向き合いながら成長していきます。

村人から野獣として恐れられる野犬ベル

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そんな折り、セバスチャンは村人から「野獣」と呼ばれて恐れられている1匹の野犬と出会います。しかしセバスチャンには、その野犬が村人が言うように家畜を襲うようには見えませんでした。
試しに声をかけてみると、野犬もセバスチャンの気持ちがわかったのでしょう。セバスチャンの傍に寄り添います。
孤児として育ったセバスチャンは、1匹で行動する野犬が自分に通じるものがあると感じ、「ベル」と名前を付けて一緒に行動するようになります。

1人と1匹が挑む過酷なアルプス越えの結果は

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スイスの国境近くにあるセバスチャンが暮らす村には、スイスへの亡命を希望するユダヤ人が、レジスタンスを頼ってやってくることがあります。セザールの妹の娘アンジェリーナ(チェッキー・カリョ)もレジスタンス活動をしており、ユダヤ人をスイスに連れていく役目を担っています。
しかし、スイスに彼らを送り届けるためには、過酷なアルプス山を越えなければなりません。そこで山に慣れているセバスチャンとベルに、道案内役として白羽の矢が立つのですが、行く手には様々な危険が待ち構えていたのです。

主人公セバスチャンを演じるフェリックス・ボシュエは、2000人以上の候補者の中から選ばれただけあり、スクリーンの中でひときわ強い存在感を放っています。
繊細で逞しい孤児セバスチャンと、優しいグレート・ピレニーズ犬ベルの友情物語『セバスチャン&ベル』。動物好きは必見です。

『ベル&セバスチャン』
9月19日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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