【シネマジーンの映画ノート】『空飛ぶタイヤ』レビュー

レコメンド

公開から約1週間を迎えた映画『空飛ぶタイヤ』。原作は累計170万部を突破した池井戸潤さんの同名小説で、主演に長瀬智也さんを迎え、共演にディーン・フジオカさん、高橋一生さんほかオールスターキャストが集結。「下町ロケット」「半沢直樹」「陸王」など、これまで数多くドラマ化され、社会現象を巻き起こしてきた池井戸作品が、満を持して初の映画化!週末の映画動員ランキングでは見事初登場2位に輝き、ぴあの映画初日満足度では92.1点を獲得!そんな今話題沸騰中の本作のオススメポイントをご紹介します!

“イイ男”大集結

 

出演者のほとんどが男性である本作ですが、“イイ”のはビジュアルだけではありません!(もちろんビジュアルは最高です…!)本作に登場するキャラクターはとにかく熱く、目的に向かって真っ直ぐに突き進んでいく姿が印象的。大きな波に飲み込まれそうになりながらも、必死で立ち向かう眼差しや闘う背中に何度胸を打たれたことか…

というかみんなすごく“イイ”人たちなんですよね。特に沢田(ディーン・フジオカ)や井崎(高橋一生)は、もしかしたら長いものに巻かれていたほうが楽かもしれない状況でも、しっかり悪を悪として捉え、決して見逃さない。むしろ徹底的に暴こうとする。社会にいると自分の立場だけでなく、その後ろには組織だったり、家庭というものがあるし、正義を貫き通すのって実は非常に難しいことだと思うんです。でも彼らは、自分たちに不利に影響することが分かっている状況の中、しっかりと正しい道を進んでいく勇気を持っている。その姿は一人の人間として本当にかっこいいし素敵だなと感じました。

赤松(長瀬智也)は決して揺るがない芯の強さが素晴らしい。最初から最後まで赤松には「会社と社員、家族を守りたい」という思いが一貫してあって、自分のためよりも人のために全力で動ける人。赤松は決して“社長”という立場を地位とか名誉とか、そういう観点から捉えていない。上に立っているから偉いという思いなんか全然なくて、ただあるのは守りたいという気持ちだけなんです。みんなを守るために上に立って、引っ張っていく。そんな社長だから社員たちは信頼し、安心して着いていくことができるんですよね。まさに上に立つ者のあるべき姿を体現しています。

個人的には杉本(中村蒼)のスマートさも好きでしたね。何度か「す、杉本…!」ってなるシーンがあるんですよ。その他にも真っ直ぐで熱い男たちの勇姿が本作にはたっぷり詰まっていて、本当に胸が熱くなるし、感動する。とにかく“イイ男”だらけです!