てんとう虫は、マリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいくーーー。
まず原作「マリアビートル」との違いですが、エンディングがけっこう違います。
やはりハリウッド、エンディングまでド派手です。
原作では駅について一件落着…という感じだったのですが、ハリウッド版は駅に着いただけでは終わりませんでした。
東京発の新幹線という点はおなじですが、原作では盛岡行き、映画では京都行きとなっています。
登場する人物にそこまでの変化はありませんが、原作では触れられていない殺し屋達の過去のお話も追加されていて、感情移入がしやすく、親しみやすくなっています。
まず主人公ですが”レディバグ”という名前になっていますがこちらはてんとう虫を英語にしたものです。
▼天道虫(てんとうむし)=役:ブラットピット
・・・とにかく運が悪い殺し屋。
原作では運とタイミングが悪くて、仲介人であるマリアに電話でずっと泣き言を言っています。
マリアが紹介する仕事はどれも簡単なもののはずなのに、どうしたらそうなるの!?という不運に見舞われます。
たとえば”政治家の浮気現場の写真を撮影する ”だけの仕事のはずが、そのホテルで連続射殺事件が起きたり、”ファストフード店で新製品をたべて「うまさ爆発だ」と大袈裟なリアクションをする”だけのはずが、本当にその店が爆発してしまったりします。
映画版では、タイミングや運が悪いのはそのままですが、原作以上に周りに不運を撒き散らしていて笑ってしまいました。
レディバグ本人もついてないのですが、それ以上に彼が関わった人たちが軒並み不運になっていってしまって、もしかしてこの列車もそもそも彼が乗ったらこんなややこしいことになったのでは?と思わざるを得ません。
天道虫ことレディバグは映画でも原作でも見ている限りでは穏やかで平和主義のように見えるけど、じつはけっこう強いところがかっこいいキャラクターとなっています。
▼蜜柑(タンジェリン)&檸檬(レモン)=役:アーロン・テイラー・ジョンソン &ブライアン・タイリー・ヘンリー
・・・二人組の腕利きの殺し屋。
タンジェリン(蜜柑)は小説をよく読む、少し神経質な冷静な人間、という雰囲気はそのままですが、原作よりもだいぶアクションシーンが多く、パワー系で手癖も悪いです。意外にも天道虫とのシーンが多い印象でした。
かっちり固めてる髪の毛やスーツがボロボロになっていって後半はものすごく筋肉!という感じになるのでドキッとしてしまいました。
レモン(檸檬)は映画でも原作でも変わらず機関車トーマスが大好きで、大雑把な人間ですが、あまり深く考えて行動はしません。映画では人の本質を見抜くのに長けている部分も強調されています。
ブラピ演じるレディバグと新幹線の座席でこっそり戦うシーンは爆笑必至です。
彼らを演じたアーロン・テイラー=ジョンソンとブライアン・タイリー・ヘンリーによる、キャラクター紹介映像。
幼い頃から一緒に育ちまるで“双子”のような関係の2人のキャラクターを
「タンジェリンは短気な反社会的人間だ」
「レモンは子供みたいに無邪気で、明るいサイコパスだ、仕事のできる男さ」
とそれぞれ分析。
「16人殺害」「17人だ」と、過去現場で殺した人間の数についてまるで夫婦喧嘩のように言い争う、どこか滑稽で理性を超えた存在の2人について
「2人の“兄弟愛”はカリスマ的だね」
「最高に愉快なデコボココンビさ」
と、一見バラバラな2人だが、生涯の戦友である2人について愛情を込めて語っています。
▼狼(ウルフ)=役:バッド・バニー
原作では大嘘つきで口ばかりの弱いものいじめが好きな殺し屋でしたが、映画では悲しき復讐者という設定になっており、原作と別人のような性格になっています。
しかし過去の回想シーンもあり、人間味があって応援したくなるキャラクターとなっています。
原作では弱い者いじめをしていた狼を、居合わせた天道虫がボコボコにした結果恨まれていますが、映画では自分の妻たちに毒を盛って殺したのだとか違いしています。
映画では彼の過去に直接関係のない天道虫との温度差につい笑ってしまいます。
他にも原作の悪役である峰岸はけっこうあっさり退場して、ラスボスに”ホワイト・デス(白い死神)”という最強の男がいたりしていますので、原作をすでに読んでいても、先の展開が読めないのでじゅうぶん楽しめる映画となっています。
逆に、原作を読んでいなくても掛け合いなどが軽快で、登場人物達が殺し屋という設定なのにも関わらずコメディ要素も強く楽しめます。
今回はMX4Dで揺れや空気の噴射などを体験できるものでしたが臨場感たっぷりの音響で楽しみたい人はIMAXもおすすめです♪
クレジット
タイトル:『ブレット・トレイン』 (原題: BULLET TRAIN)
日本公開日:9月1日(木)全国の映画館で公開
US公開日:8月5日予定
原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」(角川文庫刊)
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケウィッツ
キャスト:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之、マイケル・シャノン、 バッド・バニー(ベニート・A・マルティネス・オカシオ)、サンドラ・ブロック
上映時間:2時間6分
レーティング:R15+
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