世界的に評価を受けている映画監督・北野武が、自身のオールタイムベストとしてあげた映画作品をご紹介いたします。北野監督の映画作りの原点ともなった作品の数々をご覧ください。
SF映画の名作といったら、やはりこれ！『2001年宇宙の旅』
出典：http://www.askmikeabout.com/
人類の進化の過程で現れた1枚の石板。それに触れたサルたちは道具を使う知恵を持ちます。人類の誕生です。その後、人類は木星探査船ディスカバリーへ向かいます。ところが、人工知能（AI)のHALに異変が起こり、乗組員たちは次々命を落としていきます。
北野監督が影響を受けた人物として名前を挙げているのが、数々の名作を世に送り出した巨匠スタンリー・キューブリックです。そんなキューブリックの代表作のひとつであり、SF映画きっての名作がこの『2001年宇宙の旅』です。クラッシック音楽をバックに雄大な宇宙とその生活が描き出され、高尚なイメージを持つ今作品。その素晴らしさを語る人は後を絶ちません。
社会現象を巻き起こした問題作『時計じかけのオレンジ』
15歳の少年アレックスは仲間たちと、薬、女、暴力…と、あらゆる悪さに手を染めています。しかし、ある豪邸に押し入り老婦人を殺害後逃げる時に、仲間に裏切られたアレックスは逮捕されます。そして、彼はルドヴィコ療法という新治療法を試すことになります。延々と見せられる暴力シーン、同時に彼の好きなベートーベンを聞かされ、結果アレックスは暴力におびえベートーベンの曲で拒絶反応を起こすようになるのです。
こちらも『2001年宇宙の旅』と同じくスタンリー・キューブリックの作品。淡々と行われる悪事に不快感を感じる人も多いですが、未来的な作りの老作家の家や、キューブリック作品の特徴である左右対称や、一点透視のカメラワークなど、芸術的ともいえるシーンの数々は圧倒的です。
日本を代表する時代劇エンターテイメント『七人の侍』
戦国時代、村人たちは野蛮な野武士たちがやってくるのを恐れていました。そこで、彼らは侍たちに頼んで守ってもらおうと考えます。久蔵をはじめとする侍たちと、家族を野武士に殺された菊千代たちは団結して襲撃に備え、決戦の時がやってくるのでした。
黒沢明・脚本監督の日本映画。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞するなど、海外からも高い評価を受けました。菊千代を演じたのは、日本を代表する俳優・三船敏郎です。
狂気から逃れるため…恋人たちの逃避行『ワイルド・アット・ハート』
出典：http://www.flowjournal.org/
歪んだ愛情で娘・ルーラを離さない母・マリエッタ。ルーラと恋人・セイラーの仲を裂こうと差し向けた男を、セイラーは殺してしまいます。約1年後、ルーラと出所したセイラーは2人で母から逃れて旅に出ます。しかし、マリエッタが許すはずもなく殺し屋までも依頼してしまうのでした。
ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン出演、『ツイン・ピークス』などのデヴィッド・リンチ監督作品です。カンヌ映画祭でグランプリを受賞しました。
復讐を誓うダークヒーロー『ダークマン』
科学者・ペイトンは火事で全身に大やけど覆います。命は助かったものの全神経は麻痺し、代わりに超人的な力を持ってしまいます。”ダークマン”となった彼は、もともと関わっていた人工皮膚研究の知識で皮膚を再生し、別人になりすますことができるようになりますが、それは99分しか持ちません。その数分間を恋人と過ごしながら、一方では火事を引き起こした殺し屋・デュランたちに復讐をするため近づくのでした。
『死霊のはらわた』『スパイダーマン』などのサム・ライミ監督作品。ダークマンは『フライト・ゲーム』などのリーアム・ニーソンが演じました。
出典：http://www.cinra.net/
邦画からは石井岳龍監督『狂い咲きサンダーロード』も
『Dolls ドールズ』や『ソナチネ』など、印象的な映像や哲学的な香りを醸し出す映画を生み出す北野監督が選んだ映画の数々。北野作品の原点ともいえる作品に触れてみてはいかがでしょうか。
『時計じかけのオレンジ』
©Courtesy of Warner Bros. / Park Circus Limited
