どの作品もハズレなし!完成度の高い映画が見たければデヴィッド・フィンチャーの作品を見よう

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出典:http://www.mtvjapan.com/

賛否両論を巻き起こす衝撃的な物語と先鋭的で美しくダークな映像で、世界中に多くのファンをもっている鬼才デヴィッド・フィンチャー監督。観る者の心に強く爪痕を残す監督の作品をご紹介いたします。

ブラッド・ピットとは名コンビ?

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出典:http://blog.goo.ne.jp/

18歳の頃から映画製作を始めたデビットは、同時期にアニメーターとしても働き始めました。1986年にビデオ制作会社を設立し、大手企業のCMや有名ミュージシャンのPVも手掛けるようになりました。

デビット監督の映画は、色調を抑えた薄暗い画づくりが特徴とされており、スタイリッシュに描きながら、人間の心理をとことん突き詰める物語の面白さにも定評があります。
映画監督デビュー作は成功とはいえないものでしたが、2作目の『セブン』で才能を証明します。キリスト教の「七つの大罪」になぞらえた連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事の姿を描いたサスペンス映画『セブン』は、4週連続で全米興行成績1位を記録し、世界で3億万ドル以上の興行収入を得た大ヒット作品です。この作品で主人公の1人である新人刑事を、今や大スターのブラッド・ピットが演じています。

『セブン』での共演を皮切りに、ブラッドとデビット監督は『ファイト・クラブ』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などでタッグを組み、いずれの作品もヒットに導いています。

Facebook創設を描いた『ソーシャル・ネットワーク』

THE SOCIAL NETWORK - Official Trailer [2010] (HD)

2003年の秋。ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグは、学内のデータベースをハッキングして、女子学生たちの顔写真を使い人気投票サイトを作ります。そのサイトをきっかけに、親友のエドゥアルドと共にハーバードの学生を対象に、学内交流サイトを立ち上げます。サイトは急速に学生たちの間に広がり、登録者を増やしていきます。ナップスター創設者ショーン・パーカーと出会ったことで、社会現象を巻き起こすほどのサイトに成長していきますが――。

SNSサイト「Facebook」を創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた作品です。脚色されている部分も含め、実際の人物を描いていますが、真実かのような印象を受けるほど監督がリアルな描き方に迫っています。

世界中で大ヒットした推理小説を映画化『ドラゴン・タトゥーの女』

THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO - Official Trailer - In Theaters 12/21

スウェーデンの社会派雑誌「ミレニアム」のジャーナリスト、ミカエルは、大物実業家の不正行為を暴いた記事が原因で、名誉棄損裁判で敗訴し窮地に陥っていました。そんな彼のもとに、ある大財閥の元会長から40年に起こった兄の孫娘失踪事件の調査依頼が舞い込みます。捜査に行き詰まったミカエルは、背中にドラゴンのタトゥーをした天才ハッカー・リスベットにリサーチ協力を求めます。ともに調査を進めていく2人は、大財閥・バンゲル家の闇に迫っていきますが――。

スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンによる推理小説を実写映画化した作品です。リスベットのキャラクターが強烈でありながら、新しい異色のヒロイン像として鮮烈な印象を残します。北欧ミステリーの重苦しく暗い空気感は、デビット監督が得意とする薄暗い冬景色の映像とぴったり合っており、余韻の残る作品になっています。

キャリア最高の興行収入を記録した『ゴーン・ガール』

https://youtu.be/esGn-xKFZdU

ミズーリ州の田舎町で、ニックとエイミーは、誰もが羨む理想の夫婦として幸福な生活を送っていました。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが行方をくらましてしまいます。部屋には争った形跡があり、大量の血痕も発見されたことで、警察はアリバイが不自然なニックに嫌疑をかけます。また、美人な人妻の失踪事件がメディアに取り上げられたことで世間の注目を集め、取材に対応するニックの言動にほころびが生じていき、いつしか世間からも疑いの目を向けられるようになり――。

フィクションとわかりながらも、あまりに真に迫っており、こんなこと現実にないと思いながらも、もしかして…と思ってしまうような、衝撃的という一言では表現出来ない、最初から最後まで目が離せない物語です。フィンチャー監督自身のキャリア最高となる全世界興行収入を記録するなど、世界中で大ヒットした作品です。

映画監督たちによる貴重なドキュエンタリー『ヒッチコック/トリュフォー』

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当時のヒッチコックとトリュフォーの貴重な音声テープと、ヒッチコックを慕う、マーティン・スコセッシ、デビッド・フィンチャー、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイターら、今日の映画界を牽引する10人のフィルムメーカーたちの貴重なインタビューを交え、ヒッチコックの時代を超えた映画術を新鮮な視点でいきいきと現代に蘇らせたドキュメンタリーです。

デヴィッド・フィンチャーが監督を務めた作品ではありませんが、自身が映画作りにおいて多大な影響を受けたヒッチコックとトリュフォーについてインタビューに答えているドキュメンタリー映像となっています。12月10日(土)より、全国順次公開予定です。

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出典:http://news.ameba.jp/

人間の心理をざわざわと不穏にさせるような、ぞくっとする作品ながら、観た後に余韻が残る――刺激的で衝撃的でありながら、次々と良作を生み出していくデヴィット・フィンチャー監督。次は、どんな作品を世に送り出してくれるのかを、楽しみに期待しましょう。

『ソーシャル・ネットワーク』
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『ドラゴン・タトゥーの女』
R-15

『ゴーン・ガール』
©2014 Twentieth Century Fox
R15+

『ヒッチコック/トリュフォー』 
Photos by Philippe Halsman/Magnum Photos © COHEN MEDIA GROUP/ARTLINE FILMS/ARTE FRANCE 2015 ALL RIGHTS RESERVED.

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