出典:http://www.geocities.jp/yurikoariki/dialmformurder.html
低予算映画だから面白くない?それはとんでもない誤解です。斬新なアイデアがあれば、B級映画もS級映画に変わります。低予算でも必ず満足できる、極上のサスペンス・ミステリー作品を5本ご紹介します。
低予算スリラーの頂点とも言える名作!『CUBE』
出典:http://movies.yahoo.co.jp/movie/CUBE/84330/
低予算で作られた名作といえば、必ず名前が上がるこの作品。ストーリー自体は単純で、謎の巨大立方体(CUBE)に閉じ込められた男女6人が、いかにしてそこから脱出するのか?がテーマ。但し、部屋には6つのハッチがあり、それぞれ別のCUBEにつながっている。そこを移動しながら出口を見つけ出す以外脱出する術がないのですが、部屋の選択を誤れば死のトラップが待っているという設定が、全編に強烈な緊張感を生み出しています。職種も生活環境も違う6人が、極限状態の中、狂気さえ感じるほどに追い込まれていく心理描写は見事で、観る者は徐々に彼ら6人と同じ心理状態に陥っていきます。部屋番号に脱出可能な暗号が隠されている事に気づき、安全な部屋を見つける為に様々な推理をは組立てていく部分は、パズル的要素も多分に含まれ、非常に面白く作られています。
制作費は日本円で約5,000万円というずば抜けた低予算であるが故、CUBE型の部屋もワンセットなのですが、とてもそうは思えない程広大な空間の広がりを感じさせる撮影手法にも注目です。
必見!『CUBE』の原点となる短編映画『Elevated』
出典:http://mralansmithee.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
『CUBE』は、ほぼ無名のカナダ人監督ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の作品ですが、『CUBE』のストーリーに繋がる短編映画『Elevated』がDVD特典映像として収録されています。ある女性がエレベーターに乗ると、ナイフを持った全身血まみれの男性が飛び乗ってきます。外では何が起こっているのか?公開時には実際に本編の前に流されたというだけあって、短編ながらクオリティが高く、「本編よりもこちらの方が好き!」という方もいる程です。不要な部分を全て削ぎ落としていながら、文句なく面白い!ただ、これを見るとエレベーターに乗るのが少し怖くなるかも…。
DVDの最後に収録されていますが、できれば本編より前に見る事をオススメします!但し、発売年によってはこの作品が収録されていないDVDもあるようですので、レンタルの際には前もって確認してください!
想像を絶する結末に驚愕!『ユージュアル・サスペクツ』
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コカインの密輸船が何者かに襲撃され大爆発し、多数の遺体が見つかります。警察は唯一の生存者キント(ケヴィン・スペイシー)への尋問を始めますが、彼が事件の黒幕として口にしたのは、長年FBIが追い続けていた伝説のギャング「カイザーソゼ」でした…。
この「カイザーソゼ」が誰なのか?というのがストーリーの柱になりますが、想像を絶する結末に誰もが驚愕します。ストーリーが進むにつれて「カイザーソゼ」の神秘性と、その存在感によって想像力が増幅され、さらにラストの衝撃度を高めています。見終った後、必ずもう一度見直してみてください。ラストを知ってから見ると、あらゆる場面に細かな仕掛けがちりばめられていた事に気づくはずです。
アガサ・クリスティの名作『アクロイド殺し』も併せて読みましょう!
出典:http://hurec.bz/mt/archives/2010/09/1393_195510.html
『ユージュアル・サスペクツ』は、ミステリーの女王、アガサ・クリスティ原作の『アクロイド殺し』をベースに作られたと言われています。数々のベストセラーを発表しているアガサ・クリスティ作品の中でも、「そして誰もいなくなった」に並ぶ名作として有名なこの作品。映画と併せて是非読んでみて下さい。
「シックス・センス」「サイン」の名匠、シャラマン監督が低予算で挑んだ意欲作『ヴィジット』
祖母の家に帰省した姉妹は、「楽しく過ごすこと」「遠慮なく食べること」「夜9時半以降は部屋を出ないこと」という、3つの約束を守るようにと言われます。ところが9時半を過ぎると、部屋の外で異様な物音が鳴り響き、あまりの恐怖に耐えきれなくなった姉妹はドアを開けてしまい…。「シックス・センス」の大成功で不動の評価を得たM・ナイト・シャラマン監督が、「パラノーマル・アクティビティ」のプロデューサー、ジェイソン・ブラムを製作スタッフに迎えた意欲作。彼が私財を投じて完成にこぎつけた、インディーズ映画としても注目されており、これまでの作品とは桁違いの低予算の為、キャストはほぼ無名で、撮影にはハンディカムを使用しています。
この撮影手法が、登場人物と観る者との視点を一致させ、さらなる恐怖をかきたてる効果を発揮しています。巧妙なミスリード、ありとあらゆる伏線に加え、コミカルな演出も冴えわたり、シャラマン監督健在を示す素晴らしい作品です。
シチュエーション・スリラーの金字塔『ソウ』
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/mentatsurou2/3478454.html
「シチュエーション・スリラー」とは、主に閉ざされた空間に置かれた人物の、極限状態を描いた作品のことを言います。そのジャンルの先駆けであり代表作とも言えるのが、『ソウ』です。密室である老朽化したバスルームで、2人の男が目覚めると、そこには死体が転がり、自身の足は鎖で繋がれています。ポケットにあるテープを再生すると、「6時間以内にどちらかを殺さなければ、2人とも殺す」という犯人のメッセージが流れ、2人は究極の選択を迫られます。
紆余曲折の果ての彼らの選択は?そしてラストで暴かれる驚愕の犯人の正体は?序盤からラストまで、一瞬たりとも気が抜けない場面の連続。独特のカメラワークと、本格ミステリー小説のようなストーリーも秀逸です。
アルフレッド・ヒッチコック監督によるサスペンス・ミステリー『ダイヤルMを廻せ!』
出典:http://www.geocities.jp/yurikoariki/dialmformurder.html
言わずと知れたサスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック作品の中でも屈指の名作。妻の不倫を知った男が完全犯罪を計画し、友人に妻の殺害を依頼しますが、逆に友人が妻に刺殺されてしまいます。計画が狂った男ですが、頭脳明晰な彼は臨機応変に立ち回り、ついに妻を死刑囚に追い込む事に成功するのですが…。
低予算のヒッチコック作品らしく、キャストはほぼ4人、ストーリーのほとんどが殺害現場で進行していきます。それでいて実に計算された緻密な伏線、効果的な小道具の使い方など、常に緊迫感が張りつめる見事な演出で観る者を引き込んでいきます。間違いなくヒッチコックの代表作の一つと言える作品です。
伝説の女優「グレース・ケリー」
ヒッチコックは、『ダイヤルMを廻せ!』で初めて彼女を起用し、以降「裏窓」、「泥棒成金」と立て続けに彼女を起用するほど惚れ込んでいました。気品と知性あふれる美貌で一世を風靡した彼女ですが、1956年、カンヌ映画祭で知り合ったモナコ大公レーニエ3世と結婚し、あっさりと女優業を引退。伝説の女優と呼ばれるようになりました。ところが1982年、自ら運転する自動車が崖から転落して死亡し、その悲劇的な最期から、さらに「伝説」として語り継がれるようになりました。
女性なら誰もが一度は持ちたいエルメスの「ケリーバッグ」は、彼女の名前が語源となっているのはあまりにも有名です。