二階堂ふみ、大杉漣との休日デートは…映画『蜜のあわれ』試写イベントで語る

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室生犀星の幻想文学を映画化、金魚と作家と幽霊が織りなす、艶やかで濃密な恋の物語を描いた『蜜のあわれ』の試写イベントが、3月2日(水)東京国際文芸フェスティバルの一環として行われました。
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イベントには、主演の二階堂ふみちゃん、歌人の穂村弘さん、監督の石井岳龍が登壇しました。
原作の大ファンである穂村弘さんは、本作を観た感想を求められ、まず「映像化したことにびっくりした」と一言。「原作を読み、読む人すべての頭のなかに、それぞれの理想の少女、金魚像が浮かび上がる。これは言葉だから成立するものだと思っていたが、それを見事に映像で作り上げているとは驚きました。」と絶賛。
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それを受けた石井監督は、「映画は小説とは違い、生身の人間が演じた者を、周りの人間たちが形にする。だから、嘘がつきにくいんです。嘘とリアルの隙間をうめる演技こそが、観客の心をつかむと思います。二階堂さんはそれを実に上手くこなしてくれました。」
二階堂ふみちゃんの存在が本作の映像化には必要不可欠だったと話しました。

また、大杉漣演じる老作家との関係性についてどう思うかの質問に、穂村弘さんは、「“あたい”って可愛く言うのも難しいのに、二階堂さんはすごいですね。金魚と老作家という、残された命が短いふたりの、命がけのイチャイチャ。人が本当に望んでいるものや、最後まで捨てられないものが浮かび上がる気がして目が離せなくなります。」

大杉さんとのエピソードを聞かれた二階堂ふみちゃんは、「撮影期間、休みの日に一緒に出掛けたんです。帰りに大杉さんの好きなパン屋さんに寄って、とても喜んでらして。その姿を見て、このチャーミングな姿があの愛嬌のある老作家につながったのかと思いました。」
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映画の魅力を語りつくすイベントに、満席となった会場には和気あいあいとした雰囲気が漂っていました。

『蜜のあわれ』作品情報

『蜜のあわれ』映画オリジナル予告編

作家と金魚の秘めた恋
金魚・老作家・幽霊 個性豊かな人物たちが繰り広げる、幻想的な文学ドラマ

赤子(二階堂ふみ)は、ある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる、真っ赤な金魚。
赤子と老作家(大杉漣)は共に暮らし、夜はぴたっと身体をくっつけて寝たりもする。
「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。
短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」
「僕もとうとう金魚と寝ることになったか―」
奇妙な会話を繰り広げる2人は、互いに愛を募らせていく―。
そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へ蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。
作家の芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りのおじちゃん・辰夫(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて・・

4月1日(金)より、新宿バルト9他にてロードショー
©2015『蜜のあわれ』製作委員会