CinemaGene(シネマジーン)

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エミネムの伝説的自伝映画『8 Mile』は何が凄いのか

アメリカのヒップホップミュージシャンである、エミネム。最も売れているラッパーとして活躍する彼の伝説的映画が、『8 Mile』(8マイル)です。単なる人気者映画ではないこの作品に込められているメッセージを、感じてみませんか?

エミネムのこと、知っていますか?

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出典:http://wallpapercave.com/

1972年生まれのエミネムは、12歳まで母と二人でカンザスシティ、デトロイトと転居を繰り返し孤独な日々を送ります。その頃から、ラップに安らぎを求めるようになりました。彼の生み出す言葉には、自らの経験が大きく反映されています。
その抜群のラップセンスを生かしてMCバトルに参加し、そしてレコード会社に売りこみ続けた結果、1999年に全米ポップスチャート初登場ながら2位という衝撃的なメジャーデビューを果たします。
暴力事件や離婚などスキャンダルで世間を騒がせながらも、スターの座は確固としたもので、2002年には初の主演映画『8 Mile』が公開されたのです。

エミネム、唯一の映画『8 Mile』

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出典:http://travis67.ti-da.net/

デトロイトを舞台に描かれた、エミネムの半自伝的映画です。
1995年、デトロイトには「8マイル」と呼ばれる境界線がありました。それは貧困層と富裕層、白人と黒人を分けるラインでした。貧しい白人層に住むジミーは飲んだくれの母と幼い妹と暮らしています。彼の夢はいつかラップを武器に「8マイル」を超えること。しかし、黒人ラッパーたちにバカにされ舞台から降りた経験のあるジミーは家族のこと、自分が白人であることなどを考えて行き詰ります。
そんな時にアレックスという、「8マイル」の向こう側に夢を抱く女性と出会います。そして彼女の頼みで、ある日彼はシェルターという名のクラブでラップバトルに出場することになります。
ジミーはすべての思いを舞台の上で曝け出し、「8マイル」の向こう側へ行く決心をするのです。

メガホンをとった名監督、そして脇を固めた女優たち

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出典:https://www.uphe.com/
母親役のキム・ベイシンガーと妹役のクロエ・ブリーンフィールド

監督は『L.A.コンフィデンシャル』『イン・ハー・シューズ』などのカーティス・ハンソン。
この映画ではビッグになることよりも、自分自身の道、生きる方向を探すということを表現したかったと話しています。
主人公のジミーを演じるエミネムは、その当時の金髪を映画のためにダークグレイに染め直して撮影に挑みました。そして、彼が恋に落ちる女性、アレックスを演じたのはブリタニー・マーフィ。アニメ映画『ハッピー フィート』などでは声優としても活躍していましたが、2009年に32歳の若さで突然この世を去っています。
『L.A.コンフィデンシャル』でアカデミー助演女優賞を手にしたキム・ベイシンガーは、この作品では酒と男に溺れるどうしようもない母親を気迫あふれる演技でみせてくれました。

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エミネムと恋人役のブリタニー・マーフィ

エミネムをはじめとするアーティストたちの魂がこもった劇中音楽

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出典:http://www.fanpop.com/

『8 Mile』の音楽にはエミネムはもちろん、D12、50セント、ジェイ・Zなどのラッパー、ヒップホップユニットが参加しています。なかでも、ユニットであるD12はエミネムもメンバーのひとりとして活動しています。
『8 Mile』のサウンドトラックは大ヒットし、映画主題歌である「Lose Yourself(ルーズ ユアセルフ)」はグラミー賞2部門で受賞、さらにアカデミー歌曲賞を受賞しました。

『8 Mile』が伝えたいもの

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出典:http://www.theportlygazelle.com/

この作品は、青年がどん底から這い上がり成功する単なるサクセスストーリーではありません。
もちろん夢を追う若者たちを描いてはいるのですが、その背景には貧富の差や肌の色から生まれる争いや歪みがあります。社会的な問題を抱えながら、それを超えていくために力を振り絞る彼らの生き方が胸を打つのです。
そして、カーティス・ハンソン監督が語るように、「自分が進むべき道」をみつける映画なのです。ストーリーも音楽も魅力的で、ラップに興味がない人でもきっと楽しめる作品です。

『8mile』
TM & © Universal (2002)

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