CinemaGene(シネマジーン)

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映画もノームコア!?シンプルながらも力強さを秘めた映画6選

ベニスに死す
出典:http://obota16.blog117.fc2.com/

ファッション業界では、NYから発信された「Normcore(ノームコア)」というファッションスタイルが密かに流行しています。ノームコアとはnormal(ノーマル)とhardcore(ハードコア)を足して作られた造語で、訳すなら「究極の普通」。
ならば映画にも「ノームコア」な作品、つまり奇をてらわず、シンプルで正統派、かつ力強く美しい作品が数多くあります。そんな作品を厳選して6作ご紹介します。

斬新で美しい映像が心を打ちます。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』

ストレンジャーザンパラダイス
出典:http://campingcar.shumilog.com/2012/07/01/ストレンジャー・ザン・パラダイス/

従妹のエヴァという女性を急に数日間預かることになった従兄のウィリーと、その友人3人の奇妙な旅を描くロードムービー。全編モノクロでワンシーンワンショット。そして場面間をブラックアウトで繋ぐという、ジム・シャームッシュ監督の斬新な編集と演出は各方面で絶賛され、カンヌ国際映画祭のカメラ・ドール賞(新人監督賞)を受賞しました。
彼の原点ともいえるこの作品は、当時の映像クリエイターに大きな影響を与えたエポックメイキングな名作です。ブラックアウトとなった瞬間、前の映像が心に残る不思議な感覚をぜひ味わってみて下さい。

あなたは家族を大事にしていますか?『東京物語』

東京物語.jpg
出典:http://www.geocities.jp/yurikoariki/tokyostory.html

日本映画界の巨匠、小津安二郎監督の代表作です。故郷尾道から数年ぶりに東京に暮らす子供たちを訪ねた老夫婦を、忙しさにかまけてあまり歓迎しない子供たち。そんな中、老夫婦が帰郷後しばらくして、母親が危篤との知らせが入ります…。
戦後変わっていった家族の関係をテーマにした作品ですが、今もよく似た境遇を耳にする事も多く、家族の関係は当時からあまり変わっていないのかもしれません。この作品は国内外で今でも評価が高く、1995年には英国放送協会が発表した「21世紀に残したい映画100本」に5本選出された日本映画のうちの1本となりました。
「小津調」と呼ばれる独自のスタイル、「ローポジション」「カメラを固定して撮影」「人物がカメラに向かって話す」など、多くのこだわりを持って撮影された作品です。その辺りにも注目して鑑賞されるのも面白いですよ。

小津安二郎がその演技力を高く評価し、作品に使い続けた伝説の女優 原節子。

原節子
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%AF%80%E5%AD%90

小津安二郎は、1949年の作品「晩春」で彼女を初めて起用し、その演技力に惚れ込み、以降、この『東京物語』を含めて計6作品に起用しました。小津氏が1963年12月12日に亡くなり、その通夜に出席したのを最後に、彼女は一切表舞台から身を引き、姿を見ることはなくなりました。その行動は「小津監督の死に殉じた」とまで言われ、以降現在まで「伝説の女優」と言わ続けてきました。
2015年9月5日に逝去したことが伝えられ、まさに伝説のまま生涯を終えたと言えるのではないでしょうか。

リアルタイムに進行する完全犯罪…その結末は?『ロープ』

ロープ
出典:http://feiyuir.seesaa.net/article/134891814.html

あるアパートの一室で、2人の青年が同級生を絞殺。完全犯罪を実行し、自分たちがいかに人より秀れている事を試す。そして2人はさらにスリルを楽しむべく、被害者の関係者をその部屋に呼んでパーティを始めます。果たしてその結末は…。
巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、全編をワンカット長回しで撮影し、映画と実際の時間が同時進行するという実験的作品です。映像と同じ時間が流れる事により、緊張感とスリルが高まります。ラストで、それまで一切聞こえなかった外界の音が流れ込んでくる演出は非常に効果的です。

喪失の後には、再生がある。『幻の光』

幻の光
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/miyako_rider1129/52407065.html

是枝裕和監督初の監督作品として、1995年に製作されました。江角マキコの女優デビュー作でもあるこの作品は、ヴェネツィア国際映画祭で金オゼッラ賞を受賞し、国内外で高い評価を得ました。
出産後すぐに夫に自殺された妻が、夫の自殺の理由もわからぬまま、数年後別の男性と再婚します。それでも前夫の自殺した理由を考え続ける日々…。そしてある日、今の夫が彼女の疑問に答えを出します。彼女の中で結論は出たのかー。
是枝監督独特の、ドキュメンタリーを思わせるロングショットでの長回しは、能登の風景の魅力と登場人物の心の動きを見事に映し出しています。

映画以外でもその才能を発揮している是枝監督。

是枝監督-1
出典:http://natalie.mu/eiga/gallery/show/news_id/147923/image_id/399201
JCB CM「かけがえのない毎日」編 より

是枝監督-2
出典:http://tricker18.exblog.jp/15286618/
AKB48「桜の木になろう」ミュージックビデオより

元々ドキュメンタリー番組の演出などを手掛けていただけあって、テレビドラマやCM、ミュージックビデオなど、あらゆる映像メディアで素晴らしい作品を作り続けている是枝監督。
今後どんな素晴らしい作品を見せてくれるのか、非常に楽しみです。

人間の”心の闇”を痛烈に表現する名作『白いリボン』

白いリボン
出典:http://www.outsideintokyo.jp/index.html

第一次世界大戦前夜、ドイツののどかな農村で次々と起こる不思議な事件。犯人は?目的は?時間が経過するにつれて明確なメッセージが観る者に突き付けられます。全編モノクロの映像は映画全体に緊張感を生み出し、長回しを使うことで、より緊張感が持続する。 人間が持つ無意識の悪意を表現する手法は、さすが鬼才、ミヒャエル・ハネケ監督です。カンヌ映画祭パルムドール受賞を含め、多くの映画賞を受賞した作品ですが、期待に違わぬ名作です。

眩しいまでの映像美と哀しい結末の見事なコントラスト。『ベニスに死す』

ベニスに死す
出典:http://obota16.blog117.fc2.com/

ベニスに静養にやってきた老作曲家が、宿泊先で見かけた美少年に心を奪われてしまう。伝染病の蔓延するベニス。でも彼はこの地を去ることができず、破滅へと向かっていきます。 巨匠ルキノ・ヴィスコンティの限りなく美しい映像と、冒頭から厳かに流れるグスタフ・マーラーの交響曲第5番・第4楽章「アダージェット」が見事なまでにマッチし、観る者を一気に作品の中に引きこんでいきます。哀しいまでに残酷で、美しいラストは間違いなく映画史に残るシーンです。

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