自分にとって大きな出会いとは?映画『世界でいちばん長い写真』高杉真宙インタビュー

インタビュー

誉田哲也さん原作、愛知県の学校で実際にあった出来事をもとに描かれた映画『世界でいちばん長い写真』は、消極的で人生の目的を持てずにいた少年・宏伸が、パノラマカメラと出会い変わっていく物語。そんな本作で主演を務める高杉真宙さんにインタビューしてきました!作品についてはもちろん、多方面で活躍する高杉さんの仕事に対する思いも熱く語っていただきました。

――まずは本作の感想を教えてください。

最初に台本を読ませていただいて、純粋に爽やかな青春ものだなという印象を受けました。実際にありそうな話というか、すごく大きな出来事が起きていくわけではないけど、誰しもが共感できる作品だと思いますね。人生について何も考えていなかった普通の男の子が、カメラと出会い、それを通した人との関わりの中で、ちょっとずつ変わっていく。それぞれ大小はあると思いますが、みんなきっとどこかでそんな青春を送っているんじゃないかなと。そういった部分も含めて、素直に“いいな”と感じました。

――撮影現場ではどのように過ごしていましたか?

もう本当の学校みたいでしたね!ある意味、自分の学生生活に置き換えて撮影していたというか、スタッフさんも僕らも、学生に戻った気分で青春を送っていたと思います。あとはアドリブを入れることも多く、自由な現場でした。映画を観てみたら、使われないと思っていたアドリブも結構使われていて、台本以上にそれぞれのキャラクター性が出ていたように感じましたね。

――撮影中、印象的だった出来事は?

今回のモデルになった日本福祉大学付属高校(※以下、日福)のみなさんと撮影したことです。撮影場所が愛知県の知多半島で、実際に日福の制服を着て撮影しました。普段、エキストラの学生さんと一緒に撮影するのとはまた違った感覚を覚えたというか、日福のみなさんだからこその力強さとか勢いがあったと思います。本当に押し寄せてくる何かがあって、キャスト陣もそれに負けないようにと煽られていましたね。

――もし高杉さんがパノラマ写真を撮るとしたら、どんな写真を撮りたいですか?

やっぱり高いところからの景色が素敵だなと思います。山の中とか!でも夕日に染まった街も撮ってみたいですね。

――草野監督の印象はいかがですか?

本当に自由にやらせてくれる監督で、僕はそこがすごいなと思っていました。監督って“こうしたい!”というのが強い方も多いのですが、僕たちに一回やらせてみて、よかったらそれでいこうという考えなんです。もちろんどの監督にもその考えはありますが、草野監督は今まで出会った中で一番自由にさせてくれたように感じました。監督が僕らの演技を“見たい”って言ってくれるので、僕らも安心して自分の思ったこと、感じたものを出し切ることができましたね。

――高杉さんは宏伸と自分は似ている部分があると感じたそうですが、どのようなところが似ていて、どのようなところが違うと思いますか?

根本的な部分は似ていますが、僕は内気ではあるけど自分の意見が言えないというわけではないので、そこは違うと思いますね。あと僕は結構マイペースなので、宏伸のように人に左右されるというのもあまりないかなと。ただ、「今の自分から変わりたい」と思う前の宏伸とは重なるところが多かったです。

――自分とは真逆の性格の役と、今回のように少し共通点のある役で、演じるときに難しさの違いなどはありますか?

いやぁ、どちらも難しいですね。自分と共通点があると「この気持ちわかるな」と共感はしやすいのですが、全然違う役でも台本を読み進めていくとそう感じるときもあります。性格は似ていなくても、どうしてこの行動をとるのかとか、そういう目的を見つけていくと、その役の性格を理解できる部分も出てきますね。ただ自分と似ている役だと、どこが違って、どんなふうに考えているのか、固まりやすいかなとは思うので、そういった部分で難しさに違いはあるかもしれないです。