自分にとって大きな出会いとは?映画『世界でいちばん長い写真』高杉真宙インタビュー

インタビュー

――パノラマカメラとの出会いによって、一気に写真に熱くなっていく宏伸が印象的ですが、高杉さんにとってのターニングポイントは?

僕は仲の良い友達が二人いて、その二人との出会いは僕にとって大きかったなと思います。その二人に出会っていなかったら、僕はまったく違う人物になっていたかもしれないと思うくらい、自分の人格を支えている気がします。高校で出会った友達なのですが、その高校に通っていてよかったなと思えることの一つですね。

――俳優の仕事や、趣味であるアニメ・マンガ・ゲームとの出会いについてはどうですか?

仕事に関しては、まさかこんな仕事をするとは思っていませんでしたね。昔は正直仕事をするのが好きじゃない時期もあったのですが、今では俳優の仕事に出会って、辞めずに続けてきてよかったなと思います。まだまだこれからも頑張っていかなきゃですが…。

アニメ・マンガ・ゲームに関しては昔からの趣味で、幼稚園とか小学校のときからずっと触れているものなので、自分にとって日常に“ある”というのが普通ですね。みなさんがドラマとか映画を観るように、僕にはこの3つが身近な存在で、最近では声優のお仕事もさせていただき、自分の趣味を仕事としても繋げていけているのが嬉しいです!

――俳優のお仕事を始める前と今で、アニメ・マンガ・ゲームに対する接し方などは変わりましたか?

自分は純粋に楽しみたいという気持ちが強いので、あまり仕事的なことは考えずに見ていますが、実際に声優のお仕事をさせていただいて、やっぱり声の演技って違うんだなとか、そういう発見はありますね。漫画家さんが絵画を描く感覚というか、普段自分がしている演技と、声だけの演技とでは、それくらい違いがありました。

それから声優のお仕事を通して、僕らはこんなにもたくさんのものが積み重ねられて作られたものを見ているんだなと実感しました。その大変さって表には伝わらないけど、でも僕は伝わらなくていいと思っています。自分もドラマとか映画の大変さは知っていますが、それが伝わってほしいとは思わないんですよね。僕は“作る”現場にずっと興味があったので、裏側を知ることができたのはすごく嬉しかったです。

――今まで誰かに言われた一言で印象的だった言葉はありますか?

「泣くまでセリフを言うな」という一言ですかね。初めて泣く演技をしたときに、「泣くまでずっとカメラを回しているから、泣いたらセリフを言え」と言われて、当時中学生だった自分はなんとなく「はい」と答えていましたが、今思うと自分にとっていい経験だったなと感じます。言葉だけ聞くと少し恐い感じがしますが、そんなふうにしてくれる現場ってなかなかないし、優しいと思います。そのときお世話になった監督は今でも大好きですし、その経験も、監督との出会いも自分にとって大きかったですね。

――もし学生時代に戻れるとしたらやってみたいことは?

う~ん… 部活とか?特に何部がいいっていうこだわりはないですが、部活に入って、みんなでワイワイしたり、学生っぽいことはもうちょっとしておけばよかったなと思うので(笑)部活以外で先輩とか後輩と関わる機会ってなかなかないじゃないですか。先輩に怒られたり、みんなで熱くなっているのを見ると、うらやましいなと思ったりします。

――映画を観てもらう方に注目してほしいポイントはありますか?

せか長委員会で集まって部室で話をしているシーンは注目してほしいです!実はそのシーン、キャストが円状に座っている真ん中にカメラを置いて、自分たちでカメラを回しながら撮影していたんです…!スタッフさんたちが誰も部屋にいない状態で、セリフを言いながら回していく感じが、おもしろいなと思いました。