公開直前!「アイアムアヒーロー」原作チェック

レコメンド

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2016年2現在、コミックスは18巻まで発行、累計部数は500万部を突破

花沢健吾の大人気サバイバル・ホラーマンガ「アイアムアヒーロー」。
実写版映画の公開を4月23日(土)に控え、キャストや様々な情報も解禁され、期待は高まるばかりですが、映画をより楽しむために今回はネタバレになりそうなポイントを伏せつつ、原作の紹介&おさらいをしたいと思います。

コンプレックスに苦しみ、妄想へと逃げ込む日々

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恋人からの一言がさらに劣等感を増幅させ…

主人公「鈴木英雄」は35歳の漫画家です。一旦はデビューするものの、連載作品は早々に打ち切りの憂き目に遭ってしまいます。単行本を2巻まで発売されますが、その後はアシスタント生計を立てながら再起を目指して、出版社へ新作の企画を持ち込む…そんな日々を送っていました。
仕事場での人間関係も良好とは言えず、閉塞感に苛まれる彼を唯一救ってくれる存在が恋人「黒川徹子」です。アシスタントの職場で出会った元同僚である彼女もまた、英雄と同様に漫画家を目指してアルバイトで生活をしています。しかし、救いである彼女との生活に常に付いて回るのが、徹子の元恋人「中田コロリ(※ペンネーム)」の存在でした。
英雄と入れ替わる形でアシスタントからデビューし、一躍人気漫画家へとなった中田を徹子は尊敬しています。そして漫画の件で連絡を取り合い、事あるごとに英雄と比較します。さらに酒グセが悪い彼女は酔うと英雄を罵倒します。生来の気弱さから本音を出せず、妄想の中でしか反論のできない英雄は、恋人とも本音で向き合うことができず、さらに劣等感を深めてゆきます。

「生きづらい」日常は唐突に終わりを迎える

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せめて自分の人生ぐらい主役になりたい…苦悩する英雄

中田は英雄の才能を高く評価し、親交を深めようと接してくれるのですが、コンプレックスから素直に受け入れることができません。出版社へ持ち込んだ新作のネームが全否定された英雄は、公園で徹子が作ってくれた弁当を食べながら「二人ともやさしいなぁ。やさしくないのは俺だけだ…」とつぶやき、涙を流すのでした。
そしてある夜、そんな鬱屈した感情がついに抑えきれず、英雄は徹子にまだ中田と関係を持っているのではないかと詰め寄ります。やんわりと否定する徹子でしたが気まずい空気が流れ、英雄は泊まらずに部屋を後にします。そして、その日を境に徹子と連絡が取れなくなってしまい…。
仕事にも身が入らず、スマホを確認しては悶々とする日々。数日後、やっと送られてきた徹子からのメールを見た英雄から笑みがこぼれます。そこには謝罪の言葉と、体調を崩して寝込んでいた、中田とはもう連絡を取らない、好きなのは英雄だけという内容でした。
翌日、趣味であるクレー射撃の練習会に参加するため猟銃を持って家を出た英雄は、徹子に謝罪だけでもと、部屋を訪れますが、それが彼の日常の「終わりの始まり」だったのです。

孤独から救ってくれたのは樹海で出会った女子高生

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イジメの罰ゲームとして樹海を訪れていた比呂美

英雄はテレビの臨時ニュースにより、各地で原因不明のパニックが発生していることを知ります。別の漫画家のアシスタントをしている友人に電話をかけてみると、師匠が錯乱し職場の同僚に噛みついて騒動になっているという答えが返ってきました。そして街中のいたるところで襲われ、噛みつかれる人たちを見かけます。
現時点で分かりかけていることはただ一つ、「噛まれたら感染する」。徹子に手と耳を噛まれたことを思い出した英雄は、自身の体調に変化がないことを確認して仕事場へと向かいます。しかし安息の場はどこにもなく、電車、タクシーとそれぞれ危機的状況を何とか切り抜けた彼は流されるがままに山梨県へと辿り着いていました。
路上よりも人気の少ない場所が安全という判断で、樹海で孤独と恐怖に苛まれながら一夜を明かす英雄。そこで出会ったのが東京から林間学校で来ているという女子高生「早狩比呂美」でした。

新たな仲間とともに逃避行は続くが…

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他の感染者と異なり、自我や感情を残している

謎のウイルス蔓延によって人々はゾンビのような食人鬼へと変貌、日本全土がパニックへと陥ります。様々なデマや憶測が飛び交う中、携帯電話のワンセグ機能で確認した政府の発表は、ウイルスを原因とした「多臓器不全及び、反社会性人格障害」というものでした。
そして2人は感染リスクが少ないという噂を聞き、半信半疑のまま富士山五合目へと向かいます。しかし他の場所と同様に、噂を聞いて集まって来た群衆も次々と感染しはじめ、2人は逃げ道を探しますが、比呂美は乳幼児と思しき感染者に噛まれてしまいます。
そんな2人に声をかけ、車に乗るように促してくれた中年男性が「荒木」でした。カメラマンである荒木はスクープを期待して富士山まで来たものの、パニックを避けて逃げる途中、猟銃を持つ英雄を見て声をかけたと言います。富士山須走口の山荘へと避難した3人は、ようやく一時の安息を得てそのまま朝を迎えるのですが、そのとき比呂美に異変が起こり…。

アウトレットモールでの出会い

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もう一人のヒロイン・薮はモールでは偽名を使っていた

英雄・比呂美・荒木の一行は、避難者たちがコミュニティを形成しているという情報を得て、御殿場アウトレットモールへと向かいます。そこで看護士である「薮」と出会うのですが、そこも安息の地と言える状況ではなかったのです…。

すでに紹介されたキャスト陣や、予告編から察するに第1巻〜8巻あたりまでのエピソードがメインとなると推測されます。現在、連載中のためオリジナルエピソードの追加や設定変更の可能性もありますが、逆に原作を知っている方も新鮮な驚きをもって楽しめるかもしれませんね。
R-15指定ということで、原作と同様にショッキングなシーンが多いことが予想される本作。
小学館の無料WEB漫画サイト「やわらかスピリッツ」では、大阪を舞台としたアナザーストーリー「アイアムアヒーロー in OSAKA」(原作:花沢健吾/作画:本田優貴)も公開中です。英雄たちがパニックに陥る中、同じ頃に大阪では何が起きていたのか?
映画館へ足を運ぶ前に、こちらも事前チェックしておきたいところです。