過去のアカデミー賞受賞作品はどれも心に響く名作揃いです。2000年から2009年までの作品の中から、秀逸なものを振り返ってみましょう!
作品賞をはじめとする6部門を受賞!『シカゴ』(2003年第75回)
2003年のアカデミー作品賞はミュージカル『シカゴ』です。殺人罪で刑務所に入ってしまったロキシー(レネー・ゼルウィガ―)、アイドルのヴェルマ(キャサリン・ゼダ・ジョーンズ)、悪徳弁護士ビリー(リチャード・ギア)が、ショービジネスの世界で成り上がって行くサクセスストーリーです。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズは、この作品で助演女優賞を受賞しています。音楽もダンスもきらびやかで楽しく爽快!カッコ良くて、とてもセンスのいいミュージカル映画です。
ノミネートとされていた11部門すべてで受賞する快挙!『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2004年第76回)
2004年の受賞作品は『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』です。作品賞や監督賞を始め、ノミネートされた11部門すべてで受賞する快挙を達成しました。
小道具も作り込まれており、じっくり鑑賞すれば異世界に旅立ったような楽しさを感じられます。
脚本賞受賞 ミシェル・ゴンドリー監督作品『エターナル・サンシャイン』(2005年第77回)
記憶と現実を交互に見ていくような演出で、2005年の脚本賞を受賞した作品です。見た後には温かい気分を味わえる恋愛ものです。繊細な心理描写に優れていて、好きなのにすれ違うジョエルとクレメンタインに切なくなります。また、「記憶を消す」サービス会社があるなど、独特な表現が魅力的な映画です。
監督自身の体験を基にした作品『クラッシュ』(2006年第78回)
ロサンゼルスを舞台に黒人、白人、警官など、登場人物1人1人の視線からそれぞれの抱える問題や、抱く気持ちを描いています。憎悪や差別心などがむき出しになり、ある出来事をきっかけに、色々な人々が関わって衝突(クラッシュ)していくところが見どころ。対立している人々はその後どうなって行くのか、深く考えさせられる社会派の映画です。第78回アカデミー作品賞を受賞しました。
数々の映画祭で賞を受賞『リトル・ミス・サンシャイン』(2007年第79回)
美女コンテストに挑む、お世辞にも可愛いと言えない女の子オリーブの話です。オリーブの家族は変人ぞろいで、頑固な父親、無言の兄、ゲイの叔父、麻薬中毒の祖父など、問題だらけの家族ですが、底なしに明るいオリーブの活躍で絆を深めるストーリー。コメディーでくすっと笑えるけれど、実はとってもハートフルな映画です。観終わった後に明るい気分になれますよ。
2008年脚本賞受賞作『JUNO/ジュノ』(2008年第80回)
10代で妊娠してしまったジュノは、子供を産んで里親に預けることに…。一見、10代の妊娠という重いテーマですが、この映画では暗い気持ちになる間もないほど軽く笑い飛ばして、テンポ良く進みます。しかしギャグみたいなセリフの中にも、心に響く言葉がたくさんちりばめられており、敬遠されがちな若者の妊娠の問題に、明るく向き合える作品かもしれません。
作品賞を含む8部門を受賞『スラムドック$ミリオネア』(2009年第81回)
インドの貧困家庭に生まれた少年ジャマールが、テレビ番組の賞金クイズ番組で勝ちあがって行くストーリー。ジャマールは順調にクイズに正解していくのですが、正解するための知識をどこで得たのか、ということをジャマールの人生を振り返りながら描いていきます。最後には感動の展開が待ち受けていて、スッキリするのですが、同時にインドの貧困問題についても考えさせられる良作でした。
世界が揺れ動いた2000年代。社会的なメッセージを含む映画や、人々の心を癒してくれる映画が沢山誕生しました。気になった映画は是非チェックしてみてください。
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』
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