映画『サクラダリセット』黒島結菜×平祐奈×玉城ティナ×恒松祐里インタビュー

インタビュー

「リセット」のひと言で、世界を最大3日分巻き戻すことができる―
この卓越した能力を巡って、能力者たちが暮らす街“咲良田”を舞台に、想像を超えた物語が展開される映画『サクラダリセット』。
「過去を巻き戻す」前篇と、「未来を祈る」後篇の2部作で公開されます。
今回は、映画『サクラダリセット』で、物語のカギを握る「リセット」の能力を持つ春埼美空役の黒島結菜さん、2年前に「リセット」の影響受けて死亡した相麻菫役の平祐奈さん、「モノを消す」能力を持つ村瀬陽香役の玉城ティナさん、「記憶操作」の能力を持つ岡絵里役の恒松祐里さんにお話を伺ってきました。

―本作の出演について。

黒島結菜さん:
プロデューサーの春名さんとは2回目のお仕事でしたが、また呼んでいただけたことがうれしかったです。
監督の深川さんの作品や雰囲気が好きだったので、深川さんと仕事できることがうれしかったです。

平祐奈さん:
台本を読んで、能力者たちの街を描いた物語ってどんな話なのだろうと思いました。
相麻菫という役については、物語の最初から亡くなっている女の子なので、最初からいない女の子がどんな風に物語と絡んでいくのかなと思っていました。

玉城ティナさん:
前篇、後篇というすごい大きなプロジェクトに参加できてうれしかったです。
原作を読んだとき、能力者の街ってどういう街なのだろう思いましたし、これを映画化したらどういう風になるんだろうというワクワク感が大きかったです。

恒松祐里さん:
出演が決まった時に、マネージャーさんに「金髪にするかも」って言われて、まずは「金髪にできるんだ!」っていう嬉しさが(笑)。
ネットで金髪の画像を検索して、どんな金髪になるのかなって想像していました(笑)。
私の場合は、見た目の役作りから先に入ったという感じでした。

―演じる役柄について、どんなことを考えましたか?

黒島結菜さん:
感情表現がわかりにくいという役柄は初めての経験でした。
春埼を演じるにあたり、小さい変化をうまく伝えられるかというのが自分の課題というか挑戦でした。演技に今までない幅を持たせられるかというのには不安がありましたけど、監督からアドバイスをいただき頑張りました。

平祐奈さん:
相麻菫は、賢くて、自信ありそうだけどさみしいんじゃないのかな?と思っていました。
ケイに話しかけるときは上から目線で話していたり、強がってみせているけど、複雑な思いを抱えているんだろうなって。
春埼とケイを出会わせたり、全部計画的に行動している子だったので、すごい難しい役でした。
深川監督は相麻菫について、丁寧に事細かにお話してくだり、「相馬菫ならどうするか、という考え方でいいよ」と言ってくださったので、相麻菫として頑張れたのだと思います。

玉城ティナさん:
村瀬は、能力に対して自信を持っているのですが、そこに依存している部分もあって…。だからこそもろい部分もあって。その部分の感情は、時間とともに変化が出るように気をつけて演じていました。

恒松祐里さん:
金髪のショートカットになるって言われていたので、金髪のショートカットの画像をたくさん調べていました。
衣裳合わせのときも、金髪でショートカットのかつらをかぶっていたのですが、結局この長さのままでやることになりました。
私は見た目から変わっちゃったので、学校とかでもすごく驚かれたし、金髪だから電車とかでマナーをきちんとしていないと注目されてしまったり(笑)。
いろいろ生活にも影響があって、見た目って大切だなって思いながら演じていました。

―髪型を変えるのは勇気が必要でしたか?

恒松祐里さん:
髪型を変えることに対しては、不安はなく楽しみしかなかったです。早く色が変わらないかなとか。撮影が終わっちゃったときは残念でしたね(笑)。
黒髪に戻ったときはさみしかったですけど、いい経験ができたので、岡絵里ちゃんに出会えて本当によかったと思います。

―演じるうえで、難しかったことは?

黒島結菜さん:
感情を表に出さないのに、思いを伝えなければならないので、手の動き、目の動き、呼吸など、繊細な部分でのお芝居は大事にしていました。
春埼はリセットすると忘れちゃうので、他のシーンとのつながりや、どこまで記憶を持っているのかなど、時系列を理解するのも難しかったです。
映画の中ではそこまでは詳細に描かれていないけど、リセットしたことを説明してもらったとき、春埼はどこまで理解しているかなど、裏の裏まで考えなければいけないので大変でした。

恒松祐里さん:
生意気な感じの話し方にしたいなと思っていて、家でも練習していました。
ほかのみんなには書いてないのに、台本には私のセリフの前に必ず(笑)ってマークが入っていて。私だけ笑うことが指示されていたので、それがすごく難しくて…。
原作では「ケッケケケケ」って笑うんですけど、それをどう自分のものにしていくのが難しかったです。録音して自分で聞いたりして練習していました。

―役柄に影響を受けたことは?

黒島結菜さん:
今までは、あまりそういうことはなかったのですけど…。
春埼を演じる前は、家にいることが少なく、外に出ている事が多かったんです。友達と会ったり、映画観に行ったり…。撮影に入り、春埼を演じてからは、外にでるのが苦手というか…、すぐ家に帰るようになってしまいました(笑)。前だったら、一旦家に帰ってもまたすぐ出かけていたのに。家から出ることがだんだん面倒になって(笑)。今までそういうことがなかったので、それは初めての感覚でした。

玉城ティナさん:
村瀬とは似ているところもあると思うけど、やっぱり違う人格なので、そこまで影響があったということはなかったですね。
私は人見知りなので、村瀬と同じく殻を作っているように見られがちというところがあって…。そこは私の中ではダメなところなので、直していきたいなって思います。

―登場人物の中で、「この人素敵だな」と思う人はいますか?

玉城ティナさん:
やっぱり浅井ケイですかね。
誰にでも同じように接してくれますし、みんなのことを考えてくれているので。

黒島結菜さん:
私は佐々野さんが素敵だなと思いました。

恒松祐里さん:
私も!佐々野さん素敵でしたね。

黒島結菜さん:
私は趣味で写真を撮っているので、佐々野さんとは写真という共通点があって。
持っているカメラもかっこよかったですし。
カメラ以外にも、佐々野さんの愛する人がいて、その人を大切に思う気持ちとかも素敵で、キュンときました。

平祐奈さん:
素敵だったね~。

―ご覧になる方にメッセージを。

黒島結菜さん:
春埼の成長は小さな変化に見えるかもしれませんけど、大きいことに立ち向かおうとしている勇気や成長、その中にある強さを見てほしいなと思います。

平祐奈さん:
相麻菫の複雑な思いを抱えながらも、亡くなった世界からどうやって物語に絡んでいくか、能力者の街でみんながどんな風に立ち向かっていくのかを注目してみてもらいたいです。

玉城ティナさん:
能力者の街と言っても、人間離れした感じではなく、各キャラクターたちは本当に人間っぽいところがたくさんあるので、関係性の変わり方とか、感情の変化とかに注目してもらえたらいいなと思います。

恒松祐里さん:
能力が合ったらどうなるの?というワクワク感も楽しんでもらいたいと思います。
私は村瀬さんの能力がいいなって思いましたけど、自分もこんな能力があったらいいなとか、そういう想像をするのも楽しい作品です。
それ以外には、青春ミステリーの部分にも注目してもらいたいです。

『サクラダリセット』作品紹介


「泣いている人がいたら、リセットします」―〝悲しみ〟と〝後悔〟を消すために、
僕らは過去をやり直す―。

特殊な能力を持つ人々が半数を占める街〝咲良田〟。
住人たちの力は〝管理局〟によって慎重に、監視・制御されている。
浅井ケイは「記憶保持」の能力を持つ高校生。春埼美空は、世界を最大3日分巻き戻す=「リセット」の能力を持つが、それはケイと共に行動することで初めて効果を発揮することができる。しかし、2人には取り戻せない〝過去〟があった。それは、2年前に「リセット」の影響を受けて死んでしまった相麻 菫のこと。
ある日、ケイと春埼の前に「モノを消す」能力を持つ村瀬陽香と「記憶を操作する」岡絵里が現れる。一方、高校のボランティア活動=〝奉仕クラブ〟の一環で、「写真に入る」能力を持ちながら、それを奪われてしまった老人、佐々野からのある依頼によって、ケイと春埼は、「未来を知る」力のある〝魔女〟と呼ばれる老婆と出逢う。
何の関連もないと思われたそれらの出来事から、相麻をよみがえらせる可能性に気付いたケイは、「声を届ける」能力を持つ親友・中野智樹らと共に〝管理局〟相手に禁断のアプローチを開始する。
かくして、相麻はよみがえったかのようにみえた……だが、ケイたちは驚くべき真実に遭遇する。〝相麻 菫の再生〟こそが、すべての〝始まり〟だったのだー。

出演:野村周平 黒島結菜
平 祐奈 健太郎 玉城ティナ 恒松祐里 【前篇】加賀まりこ 【後篇】及川光博
監督・脚本:深川栄洋
原作:河野 裕「サクラダリセット」シリーズ(角川文庫/角川スニーカー文庫) 
主題歌:flumpool「ラストコール」(A-Sketch)
後篇エンディングテーマ:flumpool「ナミダリセット」(A-Sketch)
音楽:河野 伸
製作:「サクラダリセット」製作委員会
配給:ショウゲート
(C)2017映画「サクラダリセット」製作委員会
映画公式サイト:sagrada-movie.jp

Photography by 千賀 健史(http://www.chigakenji.com)