「片想い」をテーマに描いた8つの短編作品を集めた映画『全員、片想い』が7月2日(土)から公開中です。
8つのエピソードのうちの1つ、幼馴染への切ない恋心を描いた「MY NICKNAME is BUTATCHI」に出演の伊藤沙莉さんと中川大志さんにお話を伺ってきました!
Q:本作の出演が決まった時の感想を教えてください。
伊藤さん:
飯塚監督の作品に出演するのが今回で4回目になります。飯塚さんの作品では、おちゃらけた役が多かったのですが、今回も少しおちゃらけていますけど、ピュアな女の子を演じることができたのはうれしかったです。中川君とは『REPLAY&DESTROY』で共演させていただいていますが一緒のシーンが少なかったので、相手役が中川君というのもうれしかったです。
中川さん:
『REPLAY&DESTROY』の時は、ゲスト出演だけだったので、今回また飯塚作品に出演させていただけてうれしいです。
恥ずかしいんですけど、沙莉ちゃんのことは、小さな頃からテレビで見ていたので、共演できるのは本当にうれしい!
伊藤さん:
それを聞いて、私の方が恥ずかしくなっちゃった(笑)。
Q:幼馴染役を演じるにあたり、2人で相談しましたか?
伊藤さん:
役作りというわけではないのですが、距離を縮めたいと思っていましたので、いろんな話をしていましたね。
同じ「GTO」シリーズに出演していましたし、共通の知り合いのスタッフさんの話などから、縮めていけたらなって思っていました。
中川さん:
僕も同じですね。
事前に役作りをするというより、現場入ってから、監督と話し合って作っていきました。
Q:共演しての感想は?
伊藤さん:
私、普段はイケメンに警戒しちゃうんです。
だけど、その場には中川君ではなくサタケがいるんです。中川君がすごくストレートに演じてくださったので、私も自然に演じることができました。
一番最後の走るシーンは、死ぬほど走って、2人ともクタクタだったよね。
中川さん:
走ったあと、体のどこからかはわからないんですけど、聞いたことのない音がしていました(笑)。ギーギーって(笑)。
伊藤さん:
その時の中川君の走り方がダサくて(笑)。その姿に、「そこに居るのはサタケだ!」って思いました。本当はかっこよく走れるんだろうけど、役に入り込んでいるんだなって感じましたし、尊敬しました。
中川さん:
マジでうれしいです(笑)。
飯塚さんの本って、飯塚さん本人も話してくださったんですけど、「10人いたら2人に伝わればいい」みたいなところがあって、演じる側としては、センス問われるので、プレッシャーを感じていました。
伊藤さん:
そうそう、問われている気がする。
だから、リハーサルから緊張の連続で、恐怖でした(笑)。
中川さん:
リハーサルや、本よみの段階から超面白くて。楽しくもあり、焦りもありという感じで演じさせていただきました。
伊藤さん:
そんなふうには全く感じなかったよ。さすがだね(笑)。
Q:一番思い出に残っているシーンは?
中川さん:
最後の2人が走っているシーンですかね。
砂まみれになって、一生懸命なあの2人のシーンは、なんかいいなと思いました。
あのシーンはドローンで撮影していたんです。一発勝負で、5分くらい演じ続けていましたね。
伊藤さん:
カットが聞こえないんですよ。スタッフのみなさんは遠くで待機していたので。
中川さん:
一発勝負と言いつつ、結局2、3回やりましたけど(笑)。走って、何100メートルも戻って、もう1回撮影するという、かなり過酷な撮影でした。
伊藤さん:
日が沈んじゃうから、戻るのも走るんです。マラソンみたいだったよね(笑)。
中川さん:
やばかったです。
でも、夕焼け空のきれいな映像が撮れたので、苦労が報われたっていうか(笑)。
伊藤さん:
本当にきれいだったね。
Q:友達と同じ人を好きになってしまったら?
伊藤さん:
私もブタっちと似てる部分があって、素直じゃないし、ぐいぐいもいけないし。好きな気持ちが大きければ大きいほど、話し方も強くなっちゃったりしちゃうんですけど。
私はブタっちみたいに自分の気持ちと向き合うことをせずに、すぐに友達に譲ってしまうとおもいます。(笑)
もうかぶった!どうぞ!って感じになってしまうと思うんですけど、ブタっちはブタっちなりに考えて、すごく成長しようともがいていて。自分にはないところなのでいとおしいなと思いましたし、応援したくなりました。彼女にいろんな思いを託して演じていました。
Q:「片想い」と聞くと、どんなことをイメージしますか?
伊藤さん:
相手には絶対にださない。友達も気が付かないくらい、静かに好きだと思います。自信もある方ではないので。
ブタっちはサタケに伝えようとすれば伝えられたのに、伝えないのがブタっちの良さだったというか…。
中川さん:
僕は秘めないです。秘められない(笑)。
わからないですけど、動物の本能のような…。異性を好きになるって、動物的な本能なんじゃないですか?子孫を残していかないといけないので。
だから、あんまり難しく考えないかも。
伊藤さん:
絶対大丈夫という確証があるなら、少しは積極的になれるかもなぁ。
中川さん:
それってさみしくないですか?
それだと、自分で幅を狭めていることになるじゃないですか。条件つけて相手を見ちゃう人多いですよね、恋愛以外でも。失敗したくないから。でも、その失敗こそ成長なんじゃないんですかね(笑)。
伊藤さん:
かっこよすぎます(笑)
中川さん:
女性は条件とか、付き合ったらどうなるかを考えて、動く人もいるみたいですけど、男は一目ぼれから入る人が多いみたいですよ。
伊藤さん:
ブタっちも、告白したらこの関係はどうなるんだろう。って気にして言えなかったしね。
中川さん:
2人は幼馴染だから。
僕は、実際には異性の幼馴染がいないんですけど今回感じたことは、幼馴染って男女という枠を超えてるのかなって思いました。異性として意識したことなかった関係から、急に恋愛っていうスイッチに変わったとしても、小さい頃から恥ずかしい部分とか、弱い部分を見てきている関係だからこそ、これ以上関係性が変えられなくて切ないよなって思います。
恋愛感情に気がついても「冗談でしょ。」って、2人の関係性だとなっちゃう。
伊藤さん:
なっちゃう(笑)
中川さん:
なになに?気持ち悪いわ!みたいな。
最後のシーンで、ブタっちがサタケをバーンって突き放すシーンはせつないですね。
伊藤さん:
私、そのシーン好き(笑)。
あのシーンの中川君の表情がいいんですよね。
中川さん:
このシーンは演じるのが難しかったですね。
野村の気持を考えて台本読んじゃうと、感情移入しちゃうから、サタケとしては、なるべく事前に難しいこと考えないようにしてしました。
じゃないと、演技に出ちゃいそうだったので。
Q:イチオシのシーンを教えてください。
伊藤さん:
最初のシーンから注目し続けてほしいです。
ブタっちの恋心が始まっていますし、仲良く会話をしながら登校しつつも、サタケの言葉1つ1つに反応して、表情が固まったり、それに気が付かないサタケだったりとか。“あるある”がつまっているし、キュンキュンできるポイントもあるので、ぜひ注目して見てほしいです。そうするとそのあとのシーンの切なさが増すと思うので、そこを楽しんでもらえたらって思います。
中川さん:
僕は最後のシーンですね。
短い15分ないくらいの映画の中で、2人の関係性や、過ごしてきた時間が最後のシーンにぎゅっと凝縮されていると思います。
砂まみれの鬼ごっこのシーンにも、夕日がすごくきれいで、野村の感情とリンクしていて、映画観終わったあと、心に残ると思います。
伊藤さん:
サタケとブタっちの登下校の道にも注目してほしいです。最初のシーンは、別々の道から来て、一緒の道を通って学校に向かうんですけど、最後は、別々の分かれた道に進んでいくんです。
2人の関係を表しているシーンなので、そこにも注目してほしいですね。
主演:伊藤沙莉、中川大志
監督・脚本・編集:飯塚健
ⓒ 2016「全員、片想い」製作委員会
映画『全員、片想い』は絶賛公開中
伊藤沙莉さん衣装協力
トップス ¥12,000(deux mille ans / deux mille & Co. 06-6252-7536)、スカート ¥34,000(ottod’Ame / STOCKMAN 03-3796-6851)
ネックレス ¥6,800、リング ¥7,600(Kris Nations / 以上すべてTHE COMMON TEMPO 玉川髙島屋店 03-3709-3111)
イヤリング¥32,000(Salet by eri takekawa)、リング¥17,000(Salet by era takekawa)、バングル¥15,000(arron) / 以上すべて株式会社フラッパーズ 03-5456-6866)
※すべて税抜き価格