『ファーゴ』から『CURE キュア』まで。ポン・ジュノ監督が選ぶオールタイムベスト映画

レコメンド

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出典:http://sbssports.sbs.co.kr/

英国の映画誌「Sight & Sound」誌が2012年に発表した“映画監督が選んだオールタイム・ベスト100”で、韓国映画界を代表する映画監督ポン・ジュノが選んだ珠玉の10選の中から、おすすめの作品をピックアップしてご紹介します。

癒しというタイトルに隠された意図とは?『CURE キュア』

CURE
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刑事の高部(役所広司)は、ひとりの娼婦惨殺事件を担当します。被害者の胸をX字型に切り裂くという手口の殺人が連続していることを訝しんだ高部は、友人の心理学者・佐久間(うじきつよし)に犯人たちの精神分析を依頼。しかし佐久間が精神分析を施しても、なぜ全く無関係な複数の犯人たちが同じ手口で殺人を犯し、犯人たちがそれを認識していないのかはわかりませんでした。そんなある時、若い記憶障害を患った男が捜査線上に浮かび上がります。

実話?創作?見る人を惑わせるコーエン兄弟の作品『ファーゴ』

ファーゴ
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「これは実話である」という一文で始まる本作を手掛けたのは、ブラックユーモアを得意とするコーエン兄弟です。
1987年ミネソタ州ミネアポリスに住む、自動車販売店の営業担当ジェリー・ランディガードは、多額の借金を抱えていました。借金苦を脱するために、ジェリーは自身の妻ジーンを誘拐する計画を立てます。彼女の父ウェイドは裕福だったのです。ジェリーはノースダコタ州ファーゴで2人の男に狂言誘拐を依頼します。しかし簡単だったはずの狂言誘拐計画は次第に狂い始めます。

ヒッチコックの傑作サイコスリラー『サイコ』

サイコ
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マリオンは恋人サムとの結婚を望んでいましたが、サムの経済的理由でなかなか結婚に踏み切ることができませんでした。そんな折、マリオンは4万ドルを銀行まで運ぶように言われます。マリオンはそのまま4万ドルを持ち逃げ。アリゾナ州からサムがいるカリフォルニアまで車を走らせます。その道すがらマリオンはベイツというモーテルに宿を取りました。マリオンはそこで宿を切り盛りする青年ノーマンと知り合います。

ロバート・デ・ニーロが見せた驚異の役作り『レイジング・ブル』

「怒れる牡牛」と呼ばれた世界ミドル級チャンピオンのボクサー、ジェイク・ラモッタ(ロバート・デ・ニーロ)は、弟がセコンドを務める黒人ボクサーに不可解な判定負けを喫してしまいます。それまでは無敵を誇っていたのに突然敗北を味わったジェイクは、酒浸りとなり、妻にも八つ当たりをする日々。しかし美女ビッキー(キャシー・モリアーティ)と出会い結婚します。再びの試合でKO勝ちをしますが、その年のうちに再び組まれた試合で今度は判定負け。その裏では八百長組織が暗躍していたのです。
本作のためにロバート・デ・ニーロは、体重を27kgも増減させました。この役作りは「デ・ニーロ・アプローチ」と呼ばれています。

実際にあった未解決事件の映画化『ゾディアック』

ゾディアック(字幕版)(予告編)

1969年、カリフォルニアで若いカップルが拳銃で襲撃され、女性が死亡する事件が発生。事件を通報してきた男性は、犯人が自分であると語りますが逃走。そして1か月後、新聞社に後にゾディアックと名乗ることになる人物から、2つの殺人事件の犯人であるという手紙が届きます。その手紙に添えられていた暗号文に、記者のエイブリー(ロバート・ダウニーjr.)と風刺漫画家のロバート(ジェイク・ギレンホール)は熱中。しかし犯人にたどり着くことはできず再び事件が発生してしまいます。

ゾディアック
出典:http://free4kwallpaper.com/

サスペンス、ホラー、コメディと幅広いジャンルで高クオリティな作品を生み出すポン・ジュノ監督。彼のルーツが詰まった作品を見れば、ポン・ジュノ作品の持つメッセージ性をより深く感じられること間違いなしです。

『ゾディアック』
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