「短い時間の中で僕なりにかなり向き合った」映画『きらきら眼鏡』安藤政信インタビュー

インタビュー

一冊の古本をきっかけに出会った明海(金井浩人)とあかね(池脇千鶴)が、それぞれ恋人の死と向き合いながらも、ひたむきに生きる姿を描いた映画『きらきら眼鏡』。本作で、余命宣告を受けたあかねの恋人・木場裕二役を演じた安藤政信さんにインタビュー!

――初めて台本を読んだ感想を教えてください。

とても素敵な話だなと思いましたし、その中のキャラクターの一人になれるというのが嬉しかったです。自分がいいなと思った作品で役を演じられるのは、やはり役者としてすごく幸せなことですよね。ぜひこの作品に参加したいなと強く思いました。

――本作の出演が決定したのはドラマ「コード・ブルー」の撮影中だったそうですが、命をテーマにした作品に続けて出演することが決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

「コード・ブルー」で医療に携わり、人の死や、患者さんとその家族の感情というものを見つめ続けていたので、医者側だけでなく、患者側も大切に演じてみたいと思っていたんです。

――木場裕二という役を演じてみていかがでしたか?

撮影に入るまでの2週間という短い時間の中で、僕なりに作品とも役ともかなり向き合いました。無機質な病室で、どのようにグラデーションを出していくかという部分は特に難しかったですね。ベッドの上という限られた空間の中でも、できるだけいろいろな感情を出したつもりなので、自分のシーンが良かったと言っていただけると、すごく嬉しいです。

――役作りのために減量もされたそうですね。

抗がん剤の治療を受けている方は、なかなか体が食べ物を受け付けないという話を聞いていたので、撮影までの2週間は、実際に自分もそういった感覚で過ごしました。スープとかを少し飲む程度で、結果的に6kgくらい体重が落ちました。

――監督と一緒に実際に癌の患者さんのもとを訪れたとお聞きしました。

働き盛りで、家族もいる中で余命宣告をされて、どうやって生きていくのかを毎日考え続けているというお話を聞いて、自分にも家族や大切な人がいるし、もし自分だったらどう受け入れるだろうとものすごく考えさせられました。