“空白の1年”で芽生えた決意と感謝 映画『青の帰り道』真野恵里菜インタビュー

インタビュー

群馬県前橋市と東京を舞台に、カナ(真野恵里菜)、キリ(清水くるみ)、リョウ(横浜流星)、タツオ(森永悠希)、コウタ(戸塚純貴)、マリコ(秋月三佳)、ユウキ(冨田佳輔)、7人の人生が交錯し、過去の思いを胸に抱きながら新しい未来へ向かって進んでいく姿を描いた、映画『青の帰り道』。本作で、シンガーソングライターを夢見て上京する主人公のカナを演じた真野恵里菜さんにインタビュー!

本作への思いを赤裸々に語っていただきました。

――本作に主演として出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

「真野が主演で映画を」と本当にありがたいお話をいただき、とても嬉しかったです。台本を読んで心を動かされ、カナの生き方にとても興味を持ちました。自分と重なる部分もあり、より一層カナを演じたいと思いました。

――真野さんはもともとアイドルとして歌手活動をされていましたよね。同じ歌手という立場でご自身と重なる部分があったのでしょうか?

そうですね。カナはシンガーソングライターとして活動したいのに、「無添加カナコ」としてアイドルのような売り出し方をされてしまうんです。そんなカナの、自分が思い描く理想になかなか近づくことができず、悩んでいる姿には共感しました。私はもともとアイドルが大好きで、自らアイドルになりたいと事務所に履歴書を送ったのですが、いざ活動を始めてみると、自分が想像していたようなアイドルにはなれていないと感じることも多かったですね。

――どのようなギャップを感じていたのですか?

私の中でのアイドルは、松浦亜弥さんのようなカラフルでポップでキュートなイメージでした。一方、私は白いワンピースを着て、ピアノを弾いたりすることが多くて、“元気”というよりは“おしとやか”という感じだったんです。本当は神奈川の田舎で育った元気っ子なのに、当時はその一面を思うように出せず、もどかしい気持ちでした。

――映画では登場人物の葛藤や苦悩など、繊細な心理描写がとても印象的でした。感情の起伏も激しく、演じるのは大変だったのでは?

感情をむき出しにするシリアスなシーンの撮影は特に緊張しました。ですが、この7人はどことなく芝居に対するスタンスが似ていて、演技をするうえでも安心感がありましたし、お互いを認め合って、それぞれが役としてしっかりと“生きて”いたように思います。そのおかげもあり、みんなで同じ方向を向いて、撮影に励むことができました。

――カメラが回っていないところでも、7人が役として存在していたという感じでしょうか?

そうですね。みんなで自転車に乗りながら一本道を走っている冒頭のシーンは、実際には結構長い距離を走っていて、1カット撮り終わるごとに、スタート地点まで戻らないといけなかったんです。もちろんそのときはカメラは回っていないですし、特に急ぐ必要もなかったのに、なぜか横浜くんと私はどっちが早く戻れるか競争を始めて、森永くんはその様子を見ながら後ろで笑っていました(笑)まさに役そのものだと思いましたし、各々が作品の世界観に入っている感じでしたね。