自然体でいてもいいと気づけた 映画『レディ in ホワイト』吉本実憂インタビュー

インタビュー

親の資産で何一つ不自由ない生活を送ってきた社長令嬢・如月彩花(きさらぎ あやか)。就活を経てホワイト企業に入社したはずが、そこにいたのはパワハラ全開のゲスなエリート上司をはじめとする“有毒”社員たちだった!そんな“有毒”社員たちの社内のドタバタと、上司に負けないクズっぷりを発揮する新入社員の彩花が苦難を乗り越え成長していく物語を描いた、映画『レディ inホワイト』。

高飛車な発言と奇抜なファッションで周囲を戸惑わせ、何事にも物怖じしない強気な態度と無神経さで自己を貫く、主人公・如月彩花を演じた吉本実憂さんにインタビュー!

彩花という役を通して学んだことや、自身が変わるきっかけとなったターニングポイントなど、たっぷりと語っていただきました!

――本作への出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

出演が決まったことはもちろん、また大塚(祐吉)監督とご一緒できるということが、すごく嬉しかったです。初めて一緒にお仕事をした『罪の余白』という作品で、大塚監督にはビシバシと演技指導していただいたこともあって、とても信頼しています。今回はどんな作品になるのか、とても楽しみでした。

――吉本さんが演じた如月彩花は、かなり我が強く、強烈なインパクトがあるキャラクターですが、演じてみていかがでしたか?

最初に台本を読んだとき、大塚監督のことだから絶対にクセのある役だろうと思いましたが、正直ここまで強烈なキャラになるとは思っていなかったです(笑)クランクイン前のリハーサルには自分なりの演技プランで臨んだものの、監督からは「なんか違う」とばっさり。それから監督と相談を重ねて、彩花のイメージを作っていきました。

――ばっさりですか…

確かに、もとの演技プランのままでは、自分でも“彩花をきちんと作品に活かせているのか”という心配があったので、監督にそう言われるのも納得でした。でも私は初めから相談するのではなくて、一度自分が考えた彩花を監督に見てもらったうえで、アドバイスをいただきたいと思っていたんです。

――そうして監督と一緒に彩花という人物を作っていったというわけですね。

そうですね。でも自分の中になかなか役を落とし込めず大変でした。4日間のリハーサルでしたが、3日経っても、全然彩花になりきることができなかったんです。大塚監督もそれを感じてくださっていて、どうしたらいいんだろうと二人で悩んでいましたが、4日目には「もういいか!」と細かく考えるのをやめて、その場で感じたものをそのままお芝居に反映させました。そうしたら不思議とスッと彩花が入ってくるようになったんですよね。良い意味で“諦めた”おかげで、ぶっ飛んだ彩花を演じることができました。

――確かに4日間で彩花になりきるというのは、ものすごく大変そうです。演じるうえで何か意識したことはありますか?

ワンシーンにワンポイントを必ず加えることです。例えば中指を立ててみたりとか(笑)、監督ともワンシーンごとに何かおもしろいことをしようと話していました。ただ、やっていくうちにどんどんネタ切れになってしまって、最後のほうは何をするか考えるのが難しかったですね。

――上司の翔平(波岡一喜)と、ひたすら大声でやり取りを続けるシーンなど、テンポの良い掛け合いも多く、思わず笑ってしまうシーンがたくさんありました。

実はそのシーンは、なかなかカットがかからず、台本よりも長く続けていたので、ほぼアドリブなんです(笑)波岡さんが次々にセリフを出してくるので、負けじと返し続けました。本編ではそういったアドリブもたくさん使っていただけたので嬉しかったです!

――彩花を演じたことで、吉本さん自身に変化はありましたか?

この役を演じたことで、とことん恥を捨てることができました。今まではかっこ悪く見えることに対して少し怖さがありましたが、彩花になりきったことで、例えかっこ悪かったとしても、それで結果が良くなるならいいんじゃないかと心から思えるようになりました。そのおかげで、どの現場でも積極的に自分から演技プランを提案できるようになりました。