出典:http://www.schaft.net/n00bs/2010/04/30074310.html
男女逆転「大奥」で知られる漫画家・よしながふみ。読者を引き付けてやまないストーリーや描写、おすすめの長編漫画をご紹介致します。
よしながふみ作品の魅力
よしながふみ作品の最大の魅力は、なんと言ってもストーリー。読者に伝えたいテーマを、最も効果的に魅せる展開を作れるところでしょう。彼女の作品は冒頭あたりに「ん?」と思う場面が連発されますが、その「?」は、読み進めていくうちに、きちんと解消されていきます。「?」だった部分が、実は作品の肝となる部分で、それが解消されていくプロセスがまた絶妙で、読み進めていくとどんどん引き込まれていきます。
おすすめ漫画1「大奥」
映画化やドラマ化がされている、言わずと知れた「男女逆転」の大奥のストーリーです。
男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件を、史実を交えつつ描いていきます。
男女逆転という壮大なフィクションですが、歴史的な違和感も感じませんし心情描写も驚くほどすんなりと男女逆転がうまく行われています。史実の出来事をうまく作中の設定でアレンジしており、日本史の読み物としても楽しく読めます。
おすすめ漫画2「西洋骨董洋菓子店」
エリートサラリーマンの橘圭一郎は、あるきっかけで会社を辞めケーキ店を開業する事に。そんな彼の元には天才パティシエと名高い小野祐介が呼ばれるのですが、実は二人には高校時代にただならぬ因縁がありました。元天才ボクサーの神田エイジや橘の幼馴染みの小早川千景等も加わり、男だらけのケーキ店が開店する…。
登場人物たちはほとんどのシーンでギャグを言い、弱みを出し、突っ込み合いながら笑っています。が、その奥でそれぞれの思いを秘め、最終巻へ向かっていきます。
それぞれの人生を過ごしてきた、主人公達4名の人物描写も魅力的ですが、一人一人の端役たちにも人生が感じられ、わずかな登場シーンであってもそれぞれに印象に残る場面があります。また、本作の見所は、この魅力的な物語や登場人物だけではありません。そうそれは、垂涎必須な素敵なケーキたち!傍らに甘いお菓子を用意して、是非一度読んでみてください。
おすすめ漫画3「フラワー・オブ・ライフ」
白血病を克服した春太郎を中心に、ささいな毎日、小さな悩み、平凡な学校行事、手が届きそうな夢。ごく普通の高校一年生の生活を送っていた春太郎に、一つ大きな出来事が起きる―。
普通の高校生っぽい日常が面白おかしく描かれています。二次元から飛び出てきたようなキャラクターたちが、現実にありそうで、なさそうな物語を紡いでいきます。意味もなく笑える場面もあるけど、生きるって何だろうということを考えさせられたり、心に残る台詞や印象的な場面があちこちにあって、魅了される作品です。
おすすめ漫画4「きのう何食べた?」
几帳面な弁護士・筧史朗と、人当たりの良い美容師・矢吹賢二の2人が2LDKのアパートで暮らす毎日を、食生活メインに展開する料理漫画。主人公2人はゲイのカップルであり、メインの食生活以外にも、ゲイが抱える諸事情や、筧家を舞台にしてゲイの息子とその両親がどう向き合うかも描かれている作品。
この漫画は、やさしいストーリーとともに、体に良さそうな、程よく手をかけたあたたかい家庭料理が、たくさん紹介されています。そして参考になる料理テクニックもあり、すぐに真似したくなる料理がたくさん載っています。また、「旬」というものが大切にされており、春夏秋冬の季節を生かした料理メニューが考えられているのも魅力の一つ。ゲイカップルの話ではありますが、そこの部分はさらっと描写されていますので、BLが苦手な方でもとっつきやすい作品になっています。