「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウの世界

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作家、朝井リョウをご存知でしょうか。「桐島、部活やめるってよ」が映画化されたため、名前を聞いたこともある方も多いかと思います。今回はそんな朝井リョウについてまとめてみました!

直木賞作家朝井リョウとは?

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朝井リョウは岐阜県出身の作家です。早稲田大学文化構想学部に在学中に小説家としてデビューしますが、通常の就活を経て就職。2015年までは兼業作家として活躍していました。2012年に「何者」で直木賞を受賞。直木賞受賞作家としては初めて平成生まれの作家となりました。また男性作家としては最年少受賞者でもあります。高校時代にバレー部に所属し、その経験が「桐島、部活やめるってよ」に生かされています。

学生作家から兼業作家へ

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朝井リョウは2009年、大学生作家として「桐島、部活やめるってよ」第22回小説すばる新人賞を受賞しデビューしました。そのまま専業作家として生きていくかと思いきや、普通の就職活動を経て大手映画会社に就職、2015年まで在籍をしていました。のちに直木賞を受賞する「何者」は自身が体験した就職活動に着想を得ています。また直木賞受賞のインタビューで、今日の夜、そして明日の朝は何をしますか?という問いに「明日も会社で長めの会議があるので早く寝て、5時に起きる予定です。」と返すなどしっかりサラリーマンをやっていました。

朝井、会社やめるってよ

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出典:http://www.recruit.jp/

順風満帆に見えた朝井リョウですが、2015年に入って大手映画会社を退職したというニュースが飛び込んできました。理由は不明ですが、朝井リョウ自身は会社の仕事と小説家としての仕事をきっちり分けており、小説を書くのは退社後か早朝、もしくは終業後に初めて夜遅く帰ってきて仮眠をとってからまた執筆するなど、かなりハードな生活を続けていたようです。新しいヒット作も出る中、これ以上二足の草鞋を履くのは物理的に厳しかったという見方も。一方で専業になるわけではないという話を本人がしており、今後が注目されます。

それでは、朝井リョウのオススメ作品をご紹介します。

全てはここから始まった「桐島、部活やめるってよ」

桐島、部活やめるってよ
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記念すべき朝井リョウのデビュー作です。バレー部の主将でエースの桐島が突然の退部。その退部を巡って小さな波紋が5人の高校生の間に巻き起されます。デビュー作とあって、みずみずしいタッチで描かれた青春群像劇です。肝心の「桐島」はあまり描かれず、その退部に影響される友人たちがメイン。淡い思い出を彷彿とさせる語り口調も特徴的です。

直木賞受賞作!「何者」

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朝井リョウの直木賞受賞作です。SNS時代において、就職活動に翻弄される大学生たちを描いた作品。お伝えした通り、朝井リョウ自身が就職活動を経験しているため、実体験を伴った非常にリアルな作品です。「就職活動」という場において、自分を偽ってなんとか内定を得ようとする様はもはや滑稽という領域に達しています。しかしながら、前時代的な新卒一括採用に固執する日本企業において、毎年繰り返されている茶番劇でもあります。就職活動を始める前に、ぜひとも読んでおきたい一作です。

いかがでしたでしょうか。若い感性と緻密なストーリー構成でヒット作を連発する朝井リョウ。他にもアイドルの等身大の姿を描いた作品など、特に若い世代に共感を得やすい作風と言えます。ぜひ一度、手に取ってみてくださいね。