「モテキ」だけじゃない!久保ミツロウの本格少年マンガが面白い。

レコメンド

「トッキュー!!」のここがすごい! 2.ストーリーがやっぱり熱くて面白い!

トッキュー!5
出典:http://www.suruga-ya.jp/product/detail/978014782000

ストーリーは「海猿」の作者が原作を担当しています。
「海猿」に比べると主人公の成長物語が中心であることと、国際緊急援助隊とハイパーレスキューにも話が及び、自然災害に直面する救助隊の活動や人々の心が描かれています。より広い視点になるのが特徴です。
それと「モテキ」など、他の作品では話の矛盾を少し感じるところがあったのですが、この作品は原作が決まっているだけあり話の統合性が高く、キャラ描写や作者目線の豆知識も活きているので、良いとこどりの作品ですね。
その分ぶっ飛び具合が他の作品に比べてやや落ち着き気味ですが、かなり安定しています。

トッキュー!6
出典:http://blog.livedoor.jp/fired/archives/50814169.html

兵悟が女の子と漂流する話では、離岸流に巻き込まれて女の子と数十時間の漂流。弱っていく二人だけど、体も精神もぼろぼろになっても諦めないシーンは、こみ上げるものがあります。

トッキュー!7
出典:http://blog.livedoor.jp/fired/archives/50814169.html

主人公達が救えなかった遭難者を、一瞬で救ってしまった特殊救難隊を目の当たりにする兵悟。
その圧倒的な存在感で兵悟は特殊救難隊に入りたいと思い、志願するも真田から勝負を持ちかけられて負ける。
立ち去る真田に兵悟は「なんでレスキューやってんだ?」と聞くシーン。
シンプルながらも、力強いメッセージに普段忘れていた純粋さを思い出します。

他にもあるぞ!「3.3.7ビョーシ!!」「アゲイン!!」「しあわせ5はん・くらげ」

「3.3.7ビョーシ!!」

3.3.7ビョーシ!
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/milkcurrynoodle/13268237.html

何にもとりえがなく、主体性もない純粋さだけが取り柄の主人公。元応援団長・現ホストの先輩につられて歌舞伎町で応援を始めることになって…。
ホスト×応援団の斬新設定!
少年誌デビューした作品がこれでした。この頃はまだ「トッキュー」ほど絵もコマ割りも洗練されていませんでしたが、女性の描き方はずば抜けていました。
東京で出会い頭にぶつかるれんちゃんのパイスラと胸チラの絶妙さ、背中に胸を当てて耳元でささやく、冷めた眼差しで学ランのボタンを外す、主人公の純粋さに見せた笑顔などどの描写も巧妙です!
他にも不細工な先輩ホストが、自分のことを棚に上げて主人公を不細工呼ばわりしてるけど、客席について別人のように表情が輝く、普段は眼鏡すっぴんで地味だけど、お店では夜の蝶のように輝いた姿を見せるキャバ嬢などどのシーンも、「漫画」の域を超えたリアルさがあります。
まだ初々しさを感じる久保作品なら、絶対これがおすすめ!
関係ないですが、目が死んでる団長のモデルは窪塚洋介だと思います。

「アゲイン!!」

アゲイン!!
出典:http://www.amazon.co.jp/

これはモテキの後の作品なので、知ってる方も多いと思います。
高校3年間何もなかった主人公がタイムスリップをして、高校生活をやり直すストーリーです。ひそかに憧れていた女性団長の宇佐美と一緒に応援団をやることになって…。
モテキと比べるとドロドロ感はさっぱりしていますが、その分個性的なキャラが多いです。団長のライバルである腹黒チアリーダーや残念な中二病イケメン、ドスケベな帰国子女、元非リア充の劇団員など彼・彼女らが繰り広げる学園生活から目が離せないこと間違いなし!
もちろんモテキでも見せた、くっつくのかくっつかないのかの焦らし展開や、主人公のうじうじモヤモヤの非リア充ぷりも健在!
個人的には7巻~10巻の劇団編が、非リア充でも前向きに生きる姿勢が伝わってきて好きでした。

「しあわせ5はん・くらげ」

しあわせ5はん・くらげ
出典:http://natalie.mu/comic/news/120748

まだ恋愛作品が中心だった頃の短編集。
脱サラをしてレストランを始めるOL5人組の話と、窓拭きしているところをスカウトされた主人公と売れない役者の話。これも両方原作がある作品なので、一風変わった久保作品が見れます。
それぞれタイプが違うOL女性が、協力し合ってレストランを経営するまで困難を乗り越えるのが面白いです。
個人的には主人公が社食のメニューを考えるのが夢だったけれど、会社ではお茶汲み、コピー、女の容姿を求められてうんざりするシーンに共感しました。

駆け足でしたがいかがでしたか?
ほかにもまだまだありますが、モテキとは違う久保ミツロウ作品も楽しんでみてください!