「ブギーポップは笑わない」など、大人女子が観てもレベルが高いライトノベルたち

レコメンド


出典:http://movie00.seesaa.net/article/395112319.html
「DEATH NOTE」などで有名な小畑健のイラスト

日本を代表するサブカルチャーであるライトノベル。その多くが少年向けですが、中には「本当にこれがライトノベルなのか!?」と思えるような、大人が読んでも楽しめる作品もたくさんあります。今回はその中から厳選して、6つの作品を紹介します。

ライトノベルの流れを創り出した名作「ブギーポップは笑わない」

ブギーポップは笑わない
出典:http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-8402-0804-8/

多くのライトノベル作家に影響を与えた、上遠野浩平の代表作。
特殊能力を持った敵と戦ったり、正義と悪とは何なのか考えさせられたり、一見普通のファンタジー系のライトノベルのように思われます。しかし、作りこまれた世界観と切ない雰囲気の文体、同じ時間軸を別の視点から描く構成力は、圧巻の一言。
複雑なストーリー展開ではありますが、難しい言葉は使っていないので、読みやすい作品です。

寓話的異世界物語のさきがけ「キノの旅」

キノの旅
出典:http://dengekibunko.jp/newreleases/4-8402-1585-5/

アニメ化・ゲーム化されている、時雨沢恵一の大人気短編作品です。「ブギーポップは笑わない」の影響で、ライトノベルを書き出した著者の代表作です。基本的に1話完結ですが、その長さは数ページのものから文庫本1冊のものまで様々です。
架空の世界を舞台に、少女キノがしゃべるバイクのような乗り物(作中ではモトラドと呼ばれる)のエルメスと、様々な国を旅をする物語。国と言っても、大きめの街くらいの規模のものがほとんどです。
コミカルなものや、バトルに重点を置いたものなど、短編ごとにストーリーは異なりますが、全体を共通して漂うユーモアと、寓意的な雰囲気は必読です。

科学VS魔術のバトルアクション!「とある魔術の禁書目録(インデックス)」

とある魔術の禁書目録
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/megahits6/64243618.html

鎌池和馬のデビュー作にして代表作。
超能力や兵器などの科学と、魔術や聖書などの魔術の、相反する存在が混在し対立する世界を舞台にした、SFバトルアクションです。100人を超えるユニークなキャラクターの数だけストーリーがあると言っても過言ではない程、多彩な物語が絡み合います。ヒロインも多様で魅力的でありながら、それぞれが複雑な問題を抱えており、それを主人公が正面から叩いていく展開は爽快です。中二病全開の世界観や、神上さんのお説教が逆にやみつきになるかも??

圧倒的臨場感で異世界へとあなたを誘う「獣の奏者」

獣の奏者
出典:http://book-sp.kodansha.co.jp/topics/kemono/

ファンタジーの世界を築く才能で、上橋菜穂子の右に出るものはいません。作りこまれた世界観からは、自然や生き物に対する優しさと、深い尊敬の念が満ち満ちていることがうかがえます。
多くの架空生物が登場しますが、その中で最も重要なのは、戦争の道具として人間に使われる「闘蛇」と、人に決して懐かないと言われる、闘蛇の天敵「王獣」です。主人公のエリンの母は闘蛇の獣医をしていますが、誤って闘蛇を死なせてしまった罪で処罰を受け、エリンは孤独の身になってしまいます。時が経ち、エリンは成長していく中で、王獣と心を通わせていきます。王獣一頭で闘蛇の軍勢を倒せることを知った国は、エリンを戦争の駒として使おうとします。
人生に振り回されるエリンは、獣と人の在り方を自分なりに考え続け、信念を貫き通して力強く生きていきます。

戦争のキーマンは…ニート!?「マージナル・オペレーション」

マージナル・オペレーション
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ゲームのデザイナーとしても有名な、芝村裕吏さんのファンタジーノベルです。
30歳のニートの新田良太は、なんとなく民間軍事会社に応募し、高い適正を認められ採用されます。優れた記憶力と得意としていた戦術シュミレーションゲームでの経験を活かし、才能を開花させます。ゲーム感覚でこなしていたシュミレーションで、実は以前指揮したタジキスタンでの作戦が実践だったことを知り、新田は徐々に戦争の実態に直面していきます。自分が指揮する少年兵たちが、戦争とは無縁の生活ができることを望みつつも、その生活のお金を戦争でしか稼ぐことのできない新田の葛藤が見事に描かれています。

時代の波と運命に立ち向かう人々の物語「十二国記」

十二国記
出典:http://ddnavi.com/news/50017/a/

本格ミステリーからファンタジーまで、幅広く才能を発揮している小野不由美の作品です。
単行本ごとに時代や主人公なども違いますが、共通しているのは、中国に類似した地図上にない世界が舞台だということ。絶対王政で厳しい身分制度が残る国と、そこで神として崇められる麒麟の存在。その厳しい世界で生きる人々の姿がリアルに描かれています。完成度のとても高い作品なので、少し難しいかもしれませんが、一度読んだらどっぷりはまってしまいます。

大人向けのライトノベルを紹介してきましたが、いかがでしたか?世界観が緻密に作りこまれた作品ばかりなので、その世界に入ったつもりで読んでみてください。