純粋でヘンタイな恋愛映画『友だちのパパが好き』岸井ゆきのインタビュー

インタビュー

数々のヒットCMを手がけるCMディレクターであり、“城山羊の会”劇作・演出家として第59回岸田國士戯曲賞受賞(「トロワグロ」)を果たし、ジャンルを越えて活躍する鬼才・山内ケンジ監督の長編映画第2弾『友だちのパパが好き』。
“純粋でヘンタイな恋愛映画”の本作で、親友に自分の「パパが好き」と告白される娘・妙子役を演じた岸井ゆきのさんにインタビューしてきました!

Q:出演の話が来た時の感想を教えてください。

岸井さん:
山内監督の舞台に出演させていただいたことがあり、今回また出演のお話をいただけ、とてもうれしかったです。

Q:役作りについて、監督とはどのような話をしましたか?

岸井さん:
あて書きをしてくださっていたので、「妙子はどんな子なのかな?」とか、人物像をあまり作り込まずに演じました。監督からも「こうやってほしい」という指定はなく、自由に演じさせていただきました。

Q:岸井さんがもし友達から「お父さん好きになっちゃった」と言われたら?

岸井さん:
引きますね(笑)。
妙子は引くけど、なぜかずっとマヤと友だちでいるんです。
私だったら、どんどん距離をとっていこうとするというか…避けるような態度をとってしまうと思います。

Q:妙子は、なんでずっと友だちでいたのだと思いますか?

岸井さん:
う~ん、妙子の家は、本当に普通の家庭だと思うんです。
家族の仲も悪いわけではなく、ごく普通の。
妙子はマヤに向かって、「取ってもいいよ」とか言ってますけど、お父さんのことが好きだから、取られたくなくて、見はっているんじゃないのかな?

Q:実際のお父さんとの関係は?

岸井さん:
すごく仲がいいです!
一緒に食事に行ったり、お父さんは釣りがとても好きなので、船に乗って釣りにいったりします。釣った魚を家で料理してくれて、家族で食べたりするんです。楽しい関係です。

Q:お父さん役の吹越さんとは、共演の機会が多いですね。

岸井さん:
はい、本当に吹越さんとはご縁があるんだなと思いました。
吹越さんの愛人役もやったことがあるし、その前は妹役だったので、今回もご一緒できると聞いて、「また吹越さんと一緒だ!」とうれしくなりました。
吹越さんは、演じた役のイメージから、怖い人なのかも…と思っていたんですけど、全然!
いつもニコニコしているし、ふざけるときもあるし、おもしろくて大好きです。

Q:マヤ役の安藤輪子さんとは、どんな話をしましたか?

岸井さん:
マヤと妙子って、会っているシーンはあったけど、実は仲よくしているシーンがないんです。意識していたわけではないのですが、現場でも離れて座ったりしていました。
撮影が終わってから、2人でご飯を食べに行ったんですけど、「ご飯に行ったんだよ」とみんなに話したら、「仲悪いのかと思ってた!」って言われました(笑)。全然そんな事ないのに(笑)。

Q:劇中のキャラクターで、この人の気持ちわかるなぁというキャラクターの人いますか?

岸井さん:
みんな変だなあと思いますが、その立場に立たされたら、みんなそうなっちゃうのかもと思いました。
私だったら、マヤみたいに友だちのお父さんを好きになっても、積極的に動かないし、田所先生みたいにあんな行動にはでないし…。ミドリ(お母さん)を好きな川端さんみたいになる可能性はあるかも(笑)。ミドリ(お母さん)と川端さんのシーン好きなんです。
一番幸せになってほしいのは、ミドリ(お母さん)ですね。本当に気の毒なので、一番幸せになってほしいです。

Q:岸井さん自身は、好きな人にどんな態度をとりますか?

岸井さん:
めったに好きな人ができないですけど、できたらわーって行きますね(笑)。マヤや、川端さんみたいに、前だけみて突き進む、という感じにはできないですけど。
「この人のこと好きなんだ」と、自分自身で気がつくまでに時間がかかります。
だいぶ前から、好きの状態ではあるんですけど、気づいていない時間があるというか…。
「それは好きなんだよ」って友だちから指摘されることもあります。

Q:どんなタイプの人が好きですか?

岸井さん:
話が合う人がいいですね。
その人が使う言葉に魅力を感じます。「こんな言葉使うんだ!」とか、ドキッとします。
年齢はこだわらないですけど、精神年齢的には、年上がいいかな…。

Qプライベートでは、どんなことに興味がありますか?

岸井さん:
最近、キックボクシング始めたんです。
肉体的に強くなれば、内面も強くなれるんじゃないかと思って始めました。
ミットを打っていると、ストレスが弾けて消えていくのがわかるくらい、スッキリします!体力もついてきたし、ストレス解消にもなるし、すごく楽しくて、夢中になっています。

Q:最後にご覧になる方にメッセージを。

岸井さん:
作品を見てスカッとする人と、嫌な気持ちになる人と、いろんな方がいると思うんですけど、まっすぐな気持ちでいることは間違ってないと思える作品なので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです。

 

『友だちのパパが好き』

『友だちのパパが好き』映画オリジナル予告編

ストーリー
「すみません、好きなんで。」
「なにそれ、マジで言ってんの」自分の父親に思いを寄せる親友マヤの突然の告白に、あきれる妙子。笑いとばす母親ミドリ。しかしマヤはその日をきっかけに、猛然と父親へのアタックを開始する。女子大生の娘と同い年の美少女に好意を寄せられて、うれしさをかみ殺せない父親恭介。あきれるミドリ。恭介には長年の愛人ハヅキがいて、そのために夫婦はすでに離婚することになっていたのだ。
ある晩の食卓でその事実を知らされて動揺す¬ると同時に、マヤに釘をさす妙子。しかし、愛人のために離婚、おまけに彼女の妊娠というニュースは、マヤにとってはさらに恭介へ想いと行動を加速させるものでしかなかった。一方、マヤにふられてパニックになった元恋人の高校教師は、自殺未遂が失敗に終わり、ストーカー行為を開始。その手には包丁が握られていた。さらに、不安定な母親ミドリに言い寄る同僚や、達観した妙子に不満げな恋人康司が加わって……。
当たり前だと思って¬いた数々の関係が、マヤの純愛によって、あっという間に崩れていくのを妙子は目にすることになる。

12月19日、ユーロスペースほか全国公開
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