稀にみる才能を持ち、次々と素晴らしい作品をこの世に送り出した彼ら。現在も変わらず活躍している人もいれば、ドラッグや酒におぼれこの世を去った人もいます。ロックという魅力にとりつかれたスターたちのドキュメンタリー映画を集めてみました。
『ソークト・イン・ブリーチ ~カート・コバーン 死の疑惑~』 彼は自殺ではない…その真実を追求する実録を交えた作品
アメリカのロックバンド「ニルヴァーナ」のボーカル兼ギターだったカート・コバーンは1994年に自殺したといわれています。しかし、死体発見現場の様子や妻コートニーの言動など不審な点から「他殺ではないか」との話も出ていました。
この作品は、そんなカート・コバーン他殺説を証明するために次々と新たな真実をあぶりだしていく、まるでサスペンス映画のようなドキュメンタリーです。
1987年から活動を始めたニルヴァーナは、一時マイケル・ジャクソンをしのぐ勢いでした。しかしその一方で、成功に疑問を抱きプレッシャーに押しつぶされそうになっているコバーンがいたのです。
『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』 この男がいなければストーンズはなかった、と言われる男の物語
出典:https://sati02420.wordpress.com/
かつてローリング・ストーンズのリーダーだったブライアン・ジョーンズは、27歳の若さで自宅プールで謎の死を遂げます。
音楽に目覚めた10代の頃のエピソードも描いているこの作品は、先に紹介したコバーンと同様に他殺説も浮上した彼の死についての解釈も含めて、事実に基づき作られています。
どんどん有名になってゆくストーンズは各地でライブを行いスターの道を駆け上がります。そしてドイツに訪れた時、ブライアンはアニタという女性と恋に落ちます。
しかし、ストーンズの中での自分の位置を見いだせず、ドラッグと女におぼれる彼のもとからアニタは去ってしまいます。
『バック・ビート』 ビートルズのブレイクを知ることなくこの世を去ってしまったもう一人のビートルズ、スチュの一生
ビートルズは4人…ですが、初期にはもうひとり、スチュアート・サトクリフが所属していました。
彼は絵の才能を持ち、ジョン・レノンに誘われてビートルズの初期メンバーになったものの、楽器は未経験のままベース担当になりそこから練習を始めました。演奏旅行中に写真家の女性、アストリッドと出会い、それをきっかけとしてまた絵の道へ進むことを決心します。
アストリッドとの恋と、生涯の友であるジョンを中心としたビートルズでのエピソード、そして不慮の死を遂げるまでをビートルズの名曲とともに描いた作品です。
『ローズ』 激しく歌い、激しく愛し、懸命に生きた女性シンガーの実話をもとにしたストーリー
ジャニス・ジョプリンは1960年代後半、カリスマ的な人気を博した女性ロックシンガーです。激しい気性ゆえに人とぶつかることも多く常に愛を求めながら歌いつづけました。新たな音楽性を求め、そのためにバンドやメンバーを変えながらもついに理想のバンドにたどり着きます。しかしその頃の彼女はドラッグと酒におぼれ、1970年にドラッグの過剰摂取のためにこの世を去りました。
そんな彼女をモデルにした映画が『ローズ』です。
ローズ(ベット・ミドラー)は専用機で移動するほどの大スターであり、休みもままなりません。しかし、実際の彼女は孤独で常に愛を欲しているさみしい女性でした。ある日、軍隊から脱走してきたというダイアーと恋に落ちますが、彼との間がうまくいかなくなった彼女はとうとうドラッグに手をだしてしまいます。
歌手であり女優でもあるベット・ミドラーが、ローズを見事に演じています。
『パープルレイン』 ひとりの若者がロックスターになるまでを描いたプリンス制作・主演の自伝的作品
出典:http://troublewithfilm.com/
アメリカ北部のとある町で人気絶頂のバンド「ザ・レボリューション」。そのリーダーであるキッド(プリンス)は同じくスターを夢見るアポロニアとの恋も順調でした。しかし、キッドの両親の不仲やライバルのモリスとのいさかいが原因ですべてが狂い始めます。とうとう父親が自殺未遂をしてしまい、悲しみの中でキッドは一枚の楽譜を見つけます。
本人のみならず、実際のバンドマンなどの関係者が出演しています。
1978年にデビュー、大スターとなった1984年に公開されたこの映画とサウンドトラックは大ヒットしました。
『8 Mile』 ひとりのラッパーが世界をまたにかけるようになるまでの青春音楽ムービー
『パープルレイン』と同じく、モデルとなったミュージシャン本人が出演しているこちらの映画はエミネムの自伝的ストーリーです。
もちろん彼の楽曲が多数使用されており、10年以上前の作品ですが今見てもクールです。
脚色されているのですべてがエミネム本人の人生ではないということですが、彼のラップへの愛情とそのテクニックはとても楽しめます。
白人と黒人、貧困層と富裕層での境界線「8マイル」の存在するデトロイト。この町でプロのラッパーを目指して働いている青年ジミー。しかし当時、ラップは黒人の音楽という考えがありました。飲んだくれの母親、恋人の裏切りなど散々な日々の中で彼はラップバトルへと挑むのでした。