20世紀最大のスター「ジェームズ・ディーン」の魅力

レコメンド
『ディーン、君がいた瞬間(とき)』映画オリジナル予告編

初主演映画でアカデミー賞にノミネートされながら、24歳の若さでこの世を去った孤高の天才俳優がいました。その名はジェームズ・ディーン。予告編は彼の死の直前を捉えたドキュメンタリータッチの作品『ディーン、君がいた瞬間(とき)』です。彼の短い生涯をご紹介していきます。

映画俳優を夢見た若き才能

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ディーンは1931年インディアナ州で生を受けました。9歳で母親を亡くし、その後は叔母夫婦の元で育てられます。高校時代から演劇に興味を持ち、カリフォルニア大学のロサンゼルス校で演劇科に入学、本格的に学びます。このころから舞台やCMに出ていましたが、本格的にキャリアを作るべく大学を中退、単身ニューヨークへ旅立ちます。テレビ番組の収録をこなしながら、映画俳優を目指すディーン。『底抜け艦隊』などいくつかの端役をノンクレジットでこなしたのち、ついに彼は主演の座を勝ち取ります。

初の長編映画主役に大抜擢『エデンの東』

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ジェームズ・ディーンが初めて本格的な長編映画の主役を務めた作品です。彼はこの役でアカデミー賞にノミネート。初めての映画でアカデミー賞にノミネートされた俳優は現時点でも5人しかおらず、このことが彼の非凡な才能を物語っています。舞台は第一次世界大戦下のカリフォルニア。無理解な父親や、その父親の寵愛を一身に受ける兄。そして失踪した母親への屈折した愛情。農家の次男であるキャルは反抗的な態度をとりつつも、自身と家族の中での居場所を求めます。

下敷きは聖書。不良の弟の葛藤

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ディーンはこの映画で主人公であるキャル(真ん中)を演じます。そのキャルには双子の兄がいました。品行方正で真面目な兄に対し、粗暴な嫌われ者の弟。そして兄には美しい恋人もいました。下敷きになっているのは聖書に登場する物語「カインとアベル」。人類初の殺人者であり、人類史上初めて嘘をついたとされる人物にキャルがなぞらえられています。

続けざまに主役を獲得『理由なき反抗』

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「チキン・レース」が話題となった作品でもあり、上映当時の若者たちを表す言葉としてこの映画のタイトルが使われるほど社会現象を巻き起こした作品。この映画でもディーンは主演を獲得し、鬱屈した社会や家族に反抗する役を演じています。

死に対するレッテルはここから?

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ディーンはカーレースに出場する車を自ら運転してレース会場に行く道で、交通事故に遭い24歳の若さで亡くなりました。事故の原因が、ディーンの無茶な運転であるかのように噂されていたことがあります。その原因がこの「チキン・レース」のシーンで印象付けられた運転の仕方だと言われています。実際にはディーンは安全運転を呼びかけるCMにも出演しており、荒っぽい運転を嫌ったそうです。

20世紀前半のアメリカ一大叙事詩『ジャイアンツ』

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アメリカ版大河ドラマとも言える作品です。テキサスの大地主と石油採掘で大富豪に成り上がった青年を中心に30年間を描いています。ディーンはここでも準主役として登場。石油採掘により大富豪になりあがった若者を演じています。メキシコ人差別など現代社会でも問題となっている人種差別問題を早くも映画の中で取り上げた作品でもあり、20世紀前半のアメリカ社会を克明に描き出しています。

いかがでしたか?夭折の俳優ジェームズ・ディーン。その演技は少ないながらも強烈に人々の心に焼き付いています。ぜひ一度、見てみてくださいね!