マンガ界のカリスマ・高野文子を知っている?

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あなたは高野文子という漫画家をご存知ですか?デビューしてから30年が経ちながらも、その魔法のような作風でカリスマと呼ばれる漫画家です。今回は著作と共にカリスマ漫画家・高野文子さんについてご紹介していきます。

まるで魔法!高野文子の作風

高野文子の原画
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「トーンの魔術師」とも言われる、巧みなトーンワークが高野文子の持ち味のひとつです。これが顕著に表れた頃の作品「玄関」は、第1作目の作品集「絶対安全剃刀」に収録されています。
また、作品によってがらりと絵柄を変えてしまうのも高野文子の特徴で、あらゆる表現手法や人物の描き方を試しては、次の作品では全く新しい表現をしています。

始まりは同人誌だった!?高野文子のデビュー

11月のギムナジウム
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高野文子に大きな影響を与えた萩尾望都の「11月のギムナジウム」

高野文子が漫画にのめり込むようになったきっかけは、ギムナジウム作品の草分け的存在として知られる萩尾望都の作品を読んだことでした。自分でも作品の制作をはじめ、漫画賞に応募するようになります。その後、高校卒業後に上京し看護学校に入学。卒業して看護師として務めるかたわら、同人サークル「楽書館(らくがきかん)」に参加し、同人誌に作品を掲載するようになります。これがきっかけとなり、商業誌「JUNE」での商業誌デビューにつながりました。

それまでになかった作風で注目を集めた商業誌デビュー作「絶対安全剃刀」

絶対安全剃刀
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自殺を企てる少年と、もうひとりの少年のやり取りをコミカルに描いた短編作品です。この前後から高野文子は、「ニューウェーブ」の漫画家として注目されるようになっていました。このころ短編を中心に製作していた高野文子でしたが、1作品ごとに作風をガラリと変えてしまっていたことがその理由です。また、そのスタイルが少女漫画や少年漫画などの、どのジャンルにも当てはまらないことも理由のひとつです。

凝った画面構成が賛否を呼んだ「ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事」

ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事
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短編を中心に書いていた高野文子にとって、初の連載作品となったのが「ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事」でした。少女ラッキーがスパイを相手取り、デパートで大立ち回りを繰り広げる冒険活劇です。その画面構成はスパイ映画を思わせるものでした。これが議論を呼び「素晴らしい」と称賛する声が上がった一方で、「画面構成に目を奪われ過ぎた」「画面構成がテンポを悪くさせている」という声も上がりました。

手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作「黄色い本」

黄色い本
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2003年に刊行された作品集「黄色い本」は、高野文子8年ぶりの単行本として話題を集めました。表題作は執筆に3年の月日が費やされています。ストーリーは、主人公の女の子がある小説を読み進めていくというもので、少女の読書体験を表現するために様々な表現方法がとられています。単行本「黄色い本」は高い評価を受け、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。

今もなお数多の漫画家に絶大な影響力を持つ高野文子さん。
色褪せない名作にぜひ触れてみてください。