少年マンガなのに泣ける!「うしおととら」の名言&恋愛エピソード

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出典:http://world-action.net/
2016年現在、アニメも好評放映中

「うしおととら」を知っていますか?週刊少年サンデーにて1990年~1996年にかけて連載され、大好評を博した冒険活劇マンガです。連載終了から約20年を経て2015年にはアニメ化されました。その題材と絵柄から女性読者からは敬遠されがちのようですが、綿密に張り巡らされた伏線や、魅力あふれるキャラクターたちの心情描写は今読んでも全く色褪せず、読まず嫌いは非常にもったいないと言えるでしょう。思わず涙してしまう名言も多く、ここでは恋愛エピソードと合わせてご紹介します。

「うしおととら」・二人で一体の主人公

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出典:http://www.dreamnews.jp/
普段はいがみ合っているが、実はかけがえの無いパートナー

蒼月 潮
東京都みかど市にある「恩施山覇風寺・芙玄院」に住職である父と二人で暮らす中学2年生の少年です。ある日、自宅の蔵の地下室の入口を見つけ、その中に妖怪を滅ぼす霊槍「獣の槍」で封じられていた妖怪を発見します。これを解き放つことで様々な妖との関わりを持つことになるのですが、それは遥か昔から宿命づけられていたものでした。

とら
500年に渡って獣の槍に封じられていた大妖怪。年齢は2000歳を超え、虎に似た金色の巨体、鋭い爪と牙を持つことから潮によって「とら」と名付けられます。当初は気に入らない様子でしたが、潮と共に過ごす内に自らも名乗るようになります。潮に取り憑き「喰ってやる」ことが目的でしたが、いつしかその関係性は変化してゆきます。

「あたし、あの、うしおがいいよう。」(12巻)

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出典:http://matome.naver.jp/
潮の幼なじみであり本作のヒロイン・中村麻子

「獣の槍」は使い手の魂を削ることでその力を発揮し、髪が伸びた異形の者へとなり妖怪を滅ぼします。しかし使いすぎる事で使い手の人間は獣と化し、最終的には妖怪になってしまうという諸刃の剣でもありました。それを承知した上で、仲間を助けるために限界まで槍を使った潮は獣へと変化し、暴走をはじめます。元に戻す方法は潮に縁のある少女たち5人が、彼の母親の形見でもある櫛で伸びた髪を梳ることだけでした。集結した少女たちの1人・中村麻子は、潮とは昔から喧嘩ばかりだが、互いに想い合う幼なじみです。先の4人がそれぞれ髪を梳るも、元に戻らない潮に麻子が語りかけます。「あの、うしお」という言葉に麻子の想いが詰まった名シーンです。

「シャガクシャ様の…お口に…隠れていれば…良かっ…た…」(32巻)

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初めて心を許した女性との時間はあまりにも短く…

後に「とら」となる天竺の戦士「シャガクシャ」は、呪われたとも言うべき出自から自分以外の全てを憎み、それを力に変えて生き抜いてきました。そんな彼が初めて心を許したのは従者ラーマとその姉の二人でした。激しい戦のさなか、シャガクシャはラーマの姉を安全なところへと避難させようとしますが、すでに敵が待ち構えており、矢で射たれた彼女は命を落とします。かつて3人で過ごした幸せな時、弟からシャガクシャの強さを聞いた彼女が語った「戦の時は…シャガクシャ様のお口の中にでも…かくれておりましょうか。」という言葉からの最後に伝えた想いでした。この体験が「とら」へとなった後も潜在意識に残り、永い年月を生きてゆくこととなります。

「私をずぅーっと食べないつもりだねぇ。」(33巻)

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もう一人のヒロイン・井上真由子

最終決戦で敵の策略によって潮と決別したとら。自分が思っていた以上に潮が大切な存在であったことを悟り、肉体へのダメージ以上に心に深い傷を負ってしまいます。己の弱さを露呈させる事となり敗北してしまったとらは、一人静かに死んでゆこうとしますが、そこへ、とらの過去を知り、霊体となった真由子が現れ、励ましとともに愛を告白します。上で述べている、とらが大切な者たちに言う「食ってやる」には「守ってやる」という意味が込められていることがここで分かります。

「麻子…大好きだ。」(29巻)

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触れられず、音も聞こえない潜水艦の窓越しの告白

最後の戦いを前にして、これ以上「獣の槍」を使うと、今度こそ人間に戻れないことを潮は知らされます。しかし、滅びゆく日本を救うため、覚悟を決めて出発しようとする潮を麻子が引き留めにきます。このとき、麻子は潮の記憶を失っているのですが、想いは消えていなかったのです。潮は下を向く事で口の動きを隠し、伝えるというよりも麻子への想いを確かめるために告白をする作品屈指の名シーンです。

今回紹介した以外にも多くの名言やエピソードがあり、その全てが一つに繋がった壮大なスケールで展開されるドラマは少年マンガの域を超えており、読む者の心を捉えて離しません。特に物語のラストを飾るシーンは必見です。現在放送中のアニメを観ている方もそうでない方も、原作を未見であれば是非「うしおととら」をチェックしてみる事をオススメします。