これ知ってる?『風の谷のナウシカ』にまつわる逸話

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終末世界で生きる人々を描いた奥深いエピソードとダイナミックなアニメーションで人々の心をひきつける、宮崎駿監督の1984年公開映画『風の谷のナウシカ』。今回は、今なお高い人気を誇るこの作品にまつわる逸話を3つご紹介します!

『風の谷のナウシカ』以前に描かれた「ナウシカ」と「クシャナ」

『風の谷のナウシカ』制作前、宮崎監督はそれまでに携わってきた作品を乗り越えるものを作るため、新作の試作品としてイメージボードを数多く描いていたそうです。その時期に描かれた、日米合作で構想されていた「リトル・ニモ」のイメージボードの中には、興味深いものがありました。それは「グールの王女ナウシカ」と「土竜とクシャナ」という作品群です。

「グールの王女ナウシカ」におけるナウシカというキャラクターは、西欧における悪鬼“グール”という虐げられてきた民族の王女で、男の子のような野性的な少女として描かれていたそうです。『風の谷のナウシカ』のナウシカとは、同じ名前であるものの人物像は全く異なるキャラクターですね。また、「土竜とクシャナ」のイメージボードに描かれていた少女クシャナは「破壊的で憎悪の塊のような人物」で、後に『もののけ姫』のサンのキャラクターにつながっていくアイディアになっていたといいます。

これらは『風の谷のナウシカ』とは別の作品のイメージボードとして描かれたものであり、『風の谷のナウシカ』のナウシカとクシャナへと直接的につながっていったとは言えないと思われます。ですが、宮崎監督が同時期に「ナウシカ」と「クシャナ」というふたりのキャラクターが描いていたというのはファンとして興味をそそられますよね。