推せるジブリ男子!“本庄”に注目して観る『風立ちぬ』

レコメンド
風立ちぬ

宮崎駿監督による2013年の映画『風立ちぬ』は、実在の人物である堀越二郎をモデルに、堀辰雄の小説「風立ちぬ」から得た着想を織り込んで制作された作品です。描かれているのは、優れた航空技術者である二郎が空への夢を追う半生。当時、この作品を最後に宮崎監督が長編アニメーション制作から引退することを表明したことも話題となりましたが、後にその引退宣言が撤回されることになったとは言え、まさに監督の集大成と言うにふさわしい傑作です。宮崎監督がアニメーター・映画監督としてこれまで携わった作品で繰り返し描いてきた飛翔のアニメーションや、力強い風圧を感じさせる風の描写は、本作においてもふんだんに盛り込まれており、圧巻の映像が観る者の心をつかみます。

さらにこの作品で印象的な要素といえば、大人の愛の物語が真正面から描かれているということですよね。宮崎監督自身が何度も、子供たちのためにアニメーションを作っているという旨の発言をしているとおり、このテーマがこれまでの作品で大きく扱われるものではなかったために、新鮮に映ります。

また、新鮮な点というと、登場キャラクターにも従来の宮崎作品の中ではやや珍しいタイプの人物が登場しています。そのひとりが二郎の親友である本庄という人物です。この本庄というキャラクターの、主人公と長い付き合いの男友達というバディ的立ち位置(コナンやカリオストロの城、On Your Markなどではバディ的な関係が描かれていますね)や、熱い思いを持った知的でニヒルなイケメンという人物像は、ジブリの作品にはあまり居ないタイプで印象深いキャラクターではないでしょうか。今回はこの本庄を特集します!

一式陸上攻撃機