『his』で映画初主演の宮沢氷魚、役作りの参考にしたのはLGBTQの名作映画2本

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『愛がなんだ』のヒットが記憶に新しい、今泉力哉監督の最新作『his』。

主演にはテレビドラマ「偽装不倫」(NTV)で多くの視聴者の心を掴んだ宮沢氷魚さん。本作では映画初主演にして、周囲にゲイだと知られることを恐れ、東京からひとり、田舎にやってきた主人公・井川迅(いがわしゅん)役を演じます。迅が恋焦がれる日比野渚(ひびのなぎさ)役には、U-NEXT のオリジナル配信ドラマ「すじぼり」で連続ドラマ初主演を務めるなど話題作への出演が絶えない藤原季節さん。

恋愛映画の旗手・今泉力哉監督による、男性ふたりの恋愛と、「好きだけではどうしようもない」“その先”の物語が描かれます。同性の二人が子供を持ち、家族として世間とどう向き合い、生きていくのか・・・彼らを待ち受ける社会との関わり方や偏見、差別、優しい眼差しが描かれています。

映画初主演の宮沢氷魚さんの意気込み

映画初主演をつとめる宮沢氷魚さんは、海外と日本におけるLGBTQをとりまく環境の違いを目の当たりにしたことが、出演のきっかけになったと語っています。「幼稚園から高校までインターナショナル・スクールに行って通っていて、男子校で先輩にも後輩にもゲイやバイセクシャルの人が当たり前にいましたし、アメリカにいたときもみんなオープンに公表していました。でもいざ日本の社会に出てみたらその認識というか受け入れ方がまるで違ってショックでした。 だからこそ、何らかの形でLGBTQの認知度を上げたいと思っていたので、この企画のお話をいただいた段階ですぐにやらせてくださいと言いました。」

難しい役どころの参考にしたのは2本の名作映画

ゲイだと知られることを恐れ、東京を離れ田舎暮らしを選ぶ主人公を演じるにあたり、宮沢さんが参考にしたのは、男性同士の 身を切られるような切実な恋愛を描いた映画『ブエノスアイレス』と『ブロークバック・マウンテン』でした。

映画『ブエノスアイレス』について

AmazonPrimeVideo ブエノスアイレス (字幕版)
AmazonPrimeVideo ブエノスアイレス (字幕版)

アルゼンチンの雄大な自然のもと、トニー・レオンとレスリーチャンが愛しあうが故に、お互いを傷つけてしまうカップルを演じ、第50回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞しました。

映画『ブロークバック・マウンテン』について

AmazonPrimeVideo ブロークバック・マウンテン (字幕版)
AmazonPrimeVideo ブエノスアイレス (字幕版)

1960年代の保守的なアメリカ西部を舞台に、惹かれあう2人の男性の20年間を描いた『ブロークバック・マウンテン』は、ヒース・レジャーのアカデミー賞主演男優賞ノミネートを含む、最多の8部門にノミネート、監督賞、脚色賞、作曲賞の3部門を受賞した傑作。

この2本を、クランクインの前に製作陣から観ておくべき作品とした与えられた宮沢さん。恋愛だけではなく、2人の男性の生き方を情感たっぷりに描いている作品から恋愛の本質を学んだといいます。「キラキラした男性同士の恋愛というより、もっと自然体に演じるにはどうしたらいいのか考えながら映画を観ました。人を深く愛してしまったときの、危うさや醜さといった、人間味のある部分が描かれていたので、芝居の参考にしました」と語ります。「もどかしさと、真逆の勢い。両方を大事にした」とキスシーンに臨む心境も披露してくれました。

新場面写真が解禁

「これで誰かを救うなんて言ったらバチが当たるぐらい大袈裟ですが、一人でも多くの人に興味を持っていただければ、ぼくたちがこの作品を作った意味があると思う」と語る宮沢さんの役作りの成果が伝わる、切ない新場面写真も解禁。

映画『his』は2020年1月24日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショーです。

ストーリー
井川迅は周囲にゲイだと知られることを恐れ、ひっそりと一人で田舎暮らしを送っていた。そこに、6 歳の娘・空を連れて、元恋人の日比野渚が突然現れる。「しばらくの間、居候させて欲しい」と言う渚に戸惑いを隠せない迅だったが、いつしか空も懐き、周囲の人々も三人を受け入れていく。そんな中、渚は妻・玲奈との間で離婚と親権の協議をしていることを迅に打ち明ける。ある日、玲奈が空を東京に連れて戻してしまう。落ち込む渚に対して、迅は「渚と空ちゃんと三人で一緒に生きていたい」と気持ちを伝える。しかし、離婚調停が進んでいく中で、迅たちは、玲奈の弁護士や裁判から心ない言葉を浴びせられ、自分たちを取り巻く環境に改めて向き合うことになっていく――。

クレジット
宮沢氷魚 / 藤原季節
松本若菜 松本穂香 / 外村紗玖良 中村久美
鈴木慶一 根岸季衣 堀部圭亮 戸田恵子
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:渡邊 崇
製作プロダクション:ダブ
企画製作:メ~テレ
製作:映画「his」製作委員会
配給・宣伝:ファントム・フィルム
©2020 映画「his」製作委員会(日本/5.1ch/カラー/127分)
『his』公式サイト