敷居が高いけど見てみたい。大人女子におすすめの岩波文庫

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出典:http://vi.sualize.us/

岩波文庫って知ってますか?
日本初の文庫として岩波書店から発行され、現在の文庫本のスタイルを完成させた由緒ある文庫ラインです。日本および海外の古典的価値を持つ文学作品や学術書を幅広く収めており、上質な古典を安価で楽しめるというのが読書家にとっての魅力です。
そんなちょっぴり敷居を高く感じるけれど、大人女子なら読んでおきたい岩波文庫から、初心者でも読みやすい作品をご紹介します。

「人間失格」を読んで日本文学の味わいを

人間失格
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/400310904X

まず最初にご紹介するのは、太宰治の「人間失格」「グッド・バイ」です。たくさんのファンがいる事は知っているけれど、どんな話しか実はよく知らなかったり、暗い話しなんじゃと敬遠していたりと、まだ読んだ事のない方も多いのではないでしょうか?太宰自身がモデルになっていると言われる「人間失格」ですが、実は読書の習慣がなくても一気に読み上げてしまうほどの読みやすい文章と、滑稽な面白さが詰まった作品です。主人公の悲哀に大人女子なら、きっと心を鷲掴みにされる事でしょう。
そして未完の小説「グッド・バイ」。一人の男が妻と子供との健全な生活や幸せを夢見て、たくさんの愛人と別れるために、到底好きになる要素のない、下品だけれど黙っていればとても美しい、絶世の美女キヌコに協力を持ちかけるといったストーリー。主人公とキヌコの絡みに思わずクスリとくる物語です。

岩波書店のはじまり「こころ」で大人の教養を

こころ
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4003101111

岩波書店は、夏目漱石の「こころ」を出版した事で始まりました。数々の出版社から出ている「こころ」ですが、大人女子なら「漱石全集」を刊行し続けている岩波書店のものを選びたいですね。
「先生」とよばれるある秘密を抱える男性と、未来あふれる青年。掴みどころのない、だけど居心地の良い先生の秘密を知りたいと強く思う青年に、先生がその胸の内に秘めた事件を話す時、「先生」の秘密は悲劇的な終焉を迎えます。段落ごとに続きが気になる終わり方が工夫してあり、初心者でも読みやすい作品です。また読む度にそれぞれの心情やうけるイメージが変わる事で、読書家にも大変根強い支持を集めています。

「君たちはどう生きるか」

君たちはどう生きるか
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4003315812

少年少女向けに書かれた作品なので、難解な言葉は用いられておらず読みやすい作品。混沌とした時代だからこそ読みたい、人生の指南書です。だれもが生まれてきてよかったと思える世の中、だれもがのびのびと力一杯生きられる世の中、そんな世の中を作る事が出来るのは今を生きる私達自身。大きな役目を担い、この世のすべてのものが関わりあっているのだという事が、分かりやすく物語風に描かれています。

海外文学はドストエフスキーから

ストエフスキー
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「カラマーゾフの兄弟」

なんとなく響きから、最も取っつきにくそうなドストエフスキーの作品。近年ドラマ化もされた「カラマーゾフの兄弟」は、それぞれの性格がまるで違う3人の兄弟と醜悪な父親、父の子供なのではと噂される門番や女たち。父が殺された事をきっかけにより複雑化していく人間関係が、キリスト教を背景にした哲学的要素と、殺人犯は誰かというサスペンスの要素を折り込み描かれています。
難解な要素もある作品ですが、岩波文庫の訳は読みやすく、一巻冒頭にある解説文は、カラマーゾフの兄弟に登場する人物たちを理解する上で、大変役立つものとなっています。

はじめてのカフカには、「カフカ短篇集」を

カフカ短篇集
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海外文学の中でも、ドストエフスキーと並びとても有名なフランツ・カフカ。「変身」や「審判」などで知られるカフカですが、入門編としては、この「カフカ短篇集」がおすすめです。
難解な描写も多いカフカの作品の中で最も読みやすく、内容も濃いと評判の一冊です。語りのおもしろさを十二分に引き出した訳文でおくる岩波文庫に収録された20編の作品は、カフカの類い稀なる想像力が生んだ「現代のおとぎ話」です。