「サラバ!」で直木賞を受賞。作家、西加奈子の世界

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2015年度の直木賞に輝いた「サラバ!」はもう読みましたか?今回は「サラバ!」の著者、西加奈子についてまとめてみました。

イラン出身エジプト育ち!異色の経歴を持つ作家西加奈子

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西加奈子は1977年生まれの日本の小説家です。イランはテヘランに生まれ、2歳までそこで育ちます。いったん大阪に帰国するも小学校時代はエジプト・カイロ在住と異色の経歴の持ち主です。小学校6年生で帰国し、その後は大阪に定住。関西大学法学部を卒業し、「ぴあ」のライターとして活躍します。2004年に処女作「あおい」で作家デビューを果たしました。

数々の賞を受賞・ノミネートされた実力確かな作家

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「サラバ!」で直木賞に輝くまでも、その他の賞へのノミネートや受賞が多い西加奈子。2006年に「さくら」で本屋大賞第10位ランクインを皮切りに、2007年には「通天閣」で織田作之助賞を受賞、2011年には咲くやこの花賞、2013年「ふくわらい」で河合隼雄物語賞の記念すべき第一回受賞作に選ばれるなど、実力派確か。
また著書「きいろいぞう」はアルバイトをしながら執筆した作品で、2013年に向井理・宮崎あおい主演で映画化もされました。

「プロレスから勇気をもらった」西加奈子は大のプロレス好き?!

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ひいきの棚橋弘至選手

直木賞の受賞会見で「プロレスから勇気をもらった」とコメントするなど、大のプロレス好きを公言。特に新日本プロレスの棚橋弘至をひいきの選手に上げています。プロレスとの出会いは幼稚園時代にまで遡り、猪木のアゴを笑いの種として愛嬌を振りまいていたのがキッカケだとか。天性のプロレス好きなんですね!

西加奈子代表作をご紹介!直木賞受賞作「サラバ!」

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西加奈子の直木賞受賞作です。彼女の人生をトレースするかのように、テヘラン生まれの主人公が今度はエジプトへ。そして人生を変えてしまう出来事が待ち受けているというストーリー。
主人公が男の子であり、家族もチャーミングな母や変わり者の姉など西加奈子のパーツをちりばめた作品。直木賞受賞作だけあって完成度はとても高いため、西加奈子入門としてとてもオススメです。

家族の死と向き合う重み「さくら」

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兄が自殺してしまった次男坊の家族日記です。母親は酒に溺れ妹は引きこもりになってしまい、唯一残されたのは犬のさくらのみ。家族の誰もが「自分のせいだ」という罪悪感に苛まれつつ、それでも家族の絆を取り戻そうとする姿に胸が締め付けられます。さりげなく、家族に寄り添うさくらの存在がとても光っています。余談ですがさくらの命名は、拾われた時に尻尾にさくらの花びらをくっつけていたからだそう。西加奈子らしい、美しい比喩や文体で読むのが止まらない一作です。

いかがでしたでしょうか。大阪のおばちゃんとも呼ばれる西加奈子。その生い立ちや趣味からは、想像できない文体がその小説に描かれています。是非一度手に取ってみて、淡い物語を噛み締めてみてくださね。