CinemaGene(シネマジーン)

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窓から差し込む柔らかな光。映像が瑞々しいおすすめの邦画5選

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出典:http://odakyuensen.blog.fc2.com/blog-entry-667.html

窓から差し込む柔らかな光や、映像の中で繰り広げられる人間模様が瑞々しくも儚げで、見る人々の心奥深くに残り感動を与えてくれます。映像の美しい作品としてはいくつかありますが、心の中に残るようなそんな作品を5つご紹介していきます。

ノスタルジックに心情を表した光景を映し出している-『Love Letter』


映像詩人でもある岩井俊二監督による演出と、映画番長と言われていた故篠田昇によって、冬の小樽の景色を背景と、主人公の心情を表すかのような光景を映し出した作品です。岩井監督がストーリーと脚本を自ら手掛けていて、演出も素晴らしく、故篠田氏が撮った映像は、岩井監督にとっては貴重なものとなってるようです。
透き通ったノスタルジーあふれる「REMEDIOS」の音楽とも一体となって、文学的で繊細、喪失感、微笑ましさ、美しい情景など、90年代の日本映画の代表として純愛をテーマにした中では、トップクラスの作品ともいえるものになるのではないでしょうか。
劇中のキャラクターたち誰もが魅力的に演出されていて、中心となる中山美穂の一人二役演じる女性像が、心奥深くにしみわたり温かくなって、素直に人を愛せて信じれる、そんな気持ちにさせてくれます。映画女優としての中山美穂が、その魅力を開花させた作品でもあります。
香港での単館上映として最長記録になった影響もあり、映画の舞台となった小樽へ、観光に訪れる人が多いということです。感動する気持ちは、国は違えど同じなのだということですよね。
まだ学生の時に見た人の中には、この映画を見返してみて以前よりも泣けてしまうようです。現在までの自分が歩んできた思春期の頃の恋、断ち切れない思いなど、心の中にしまいこんだ気持ちが、この映画によって思い起こされるのではないでしょうか。
ある人が、恋と時間の知恵の輪が解かれたとき、少年と少女の失われた時がまさに甦るとこの映画について代弁しています。自分自身が中山美穂演じる女性となって同じ心情、感情となって、言葉に表すことができないほどの感動をもたらしてくれるのではないかと思います。

『Love letter』画像
出典:http://wowow.jal.co.jp/hokkaido/movie01

届くはずのない手紙が、小樽にある急勾配な船見坂を駆け上がっていきます。看板には15%の勾配があると表示されるほどで、地元の人たちでも思わず途中で休憩してしまう急な坂です。

三角関係となってしまった二人の少女の成長記録-『花とアリス』


花とアリスの実写版は、2003年に日本でキットカットが発売されて30周年の記念に、2004年ウェブサイトでネット配信された短編映画になります。3章4部構成となっているショート・フィルムの劇場版で、花役が鈴木杏さん、アリス役が蒼井優さんとなっています。
明るくて素直な花と、おてんばなアリスの幼なじみが高校生となって、花が一目ぼれした先輩である、宮本との恋を成就させようとしながらも、あることがきっかけで三角関係となってしまうのだが、お互いのことを思って身を引こうとします。
その後のバレエのオーディションに合格したことがきっかけで仲直りするのですが、この映画の中で、それぞれが相手を思いながらも自分の気持との葛藤をしていく、そしてこの恋をきっかけにしてまた成長していく様が、故篠田氏の何ともいえない美しい光の映像とともに描かれている作品です。単なる青春期ではない、少年とはまた違う少女独特の感受性、心情などが映像で表現されているのではないでしょうか。
ウソから始まる本当の気持ちで悲観的な終わりにするのではなく、前向きな気持ちにさせてくれます。
映像の美しさの余韻に浸りながらも、その後の二人がどのように成長していったのか、大人になった二人が織りなす様を、見てみたいなという気持ちにさせてくれます。
ちなみに、実写版と同じ岩井俊二監督が手掛けた初の長編アニメーションとして、『花とアリス』の前日譚として、中学生時代の二人を描いた「花とアリス殺人事件」が2015年2月に放映されました。主人公二人の声は実写版と同じ鈴木杏と蒼井優が務めています。まだ一度も見たことがない方は、アニメから見ていただくといいかもしれませんね。

『花とアリス』画像
出典:https://jp.pinterest.com/pin/401453754254570566/

窓から差し込む柔らかな光が、少女の心の中を映し出しているかのようで、物語の中で鍵となるバレエのシーンです。

誰も傷つかずに幸せになれないのだろうか-『クロエ』

『クロエ』画像
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/psybf884/17622201.html

監督利重剛、撮影故篠田昇、音楽今野登茂子による作品になります。俳優やエッセイストとしても活躍されている監督が、「BeRLiN」以来6年ぶりに手掛けた作品であって、この「クロエ」は初めて原作を元に手掛けた作品でもあります。監督と同じマルチな才能を発揮して、様々な表現活動をしていたフランス出身のボリス・ヴィアンが1964年に発表した「L’ecume des jours」を、監督が『クロエ』として脚本に書き下ろした純粋な恋愛物語です。
主人公の高太郎とクロエを演じるのは、永瀬正敏とともさかりえですが、脇を固める俳優陣も実力派ぞろいばかりで、スタッフも繊細な映像美を見せてくれる故篠田昇らなどによって、独特な世界観を表現してくれています。そして、音楽が元プリンセス・プリンセスの今野登茂子が担当し、映像とともに繊細で純粋な美しさとなっています。
海外でも高い評価を受けているこの物語は、プラネタリウム勤務の高太郎とクロエの恋愛を描いたもの。胸に睡蓮の蕾を宿してしまっているクロエを中心に、二人を取り巻く人々との人間関係を、普遍的ではありますが、どのようにしたら幸せになれるのかをテーマにしています。
周りも自分も傷つかずに幸せになるのは、案外簡単なようでいて、実は簡単ではないものです。やはりどこかで犠牲があって傷つき、カモフラージュしながら毎日を過ごしていくのではないでしょうか。
物語の中での二人の気持ちが次第にずれてきてしまう、そんな心の不安定さを映像美で表現しているかのように思います。

歳月とともに移り変わる家族の人間模様-『萌の朱雀』


この映画は、深緑の風景の美しさだけではなく、そこで暮らす家族の幸せな風景や歳月とともに移り変わる家族の姿、心情、景色などが映し出されています。
川瀬直美氏が監督兼脚本を手掛けた作品ですが、史上最年少、そして日本映画では初となる、第50回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)をとった、劇場用長編デビュー作になります。この時27歳という若さです。
この賞のほかにも、第26回ロッテルダム国際映画祭国際批評家連盟賞など、たくさんの賞を受賞した名作とも言っていい映画になります。元々は8mmで作品を撮っていたということもあるのでしょうか?
主演は國村隼と尾野真千子で、尾野真千子はこれが映画初出演ということで、初々しさが残っています。この作品がきっかけで、第10回シンガポール国際映画祭主演女優賞などを受賞して女優として活躍しています。
予告編だけをみても分かるように、大きな樹木が風に揺られ、そして風鈴の音色からの家族のある風景、その全てに至るまでが茂野雅道という作曲画家作った音楽によって、この作品の世界観へと引き込まれるようです。
小さな過疎の村が舞台で、村に鉄道を通す計画を元にトンネル工事に携わっていた主人公の田村だが、計画中止の知らせで気力を失い失踪してしまいます。そんな中で、残された家族たちのそれぞれが選択する道での人間模様が描かれているのですが、登場人物たちと緑豊かな風景との色彩、光景とが相反しているかのようでとても印象的です。


ロケ地を散策している動画です。とてもきれいな映像で、訪れてみたくなります。

パンカフェ「マーニ」で繰り広げられる人生模様-『しあわせのパン』


舞台は北の国北海道!オール北海道ロケで、月浦にある洞爺湖のほとりにある、宿泊施設もあるパンカフェ「マーニ」の夫婦と、お客様たちとの人生模様を描いた作品です。
主人公は、どんな多彩な役にも扮する水縞役の大泉洋と、ミュージシャンとしても活躍しているりえ役の原田知世のお二人です。カフェに訪れる人々も、個性的な俳優さんばかりで、それぞれの喜びや悩みなどと向き合いながら夫婦の一年を、北海道の壮大な景色と四季折々の映像を織り交ぜながら話が進んでいきます。
りえが子どもの頃に出会った「月とマーニ」という絵本がきっかけで、この物語が始まります。太陽があるから自分も光り輝くことができるということを信じてきたが、大人になるにつれてそれが信じられなくなっていたため、北海道へ移り住むことを決意します。豊かな大自然の映像美だけではなく、パンカフェ「マーニ」で過ごす食卓の風景が、何とも柔らかな光に包まれている感じで、見る人をやさしく包んでホッとさせてくれる、そんな映画です。
NHKでドキュメンタリーを手掛けていた三島由紀子が、本作初で長編映画の監督を務めた作品になります。

『しあわせのパン』画像
出典:http://eiga.com/movie/56093/gallery/4/

訪れたお客様と一緒に夕ご飯を外でいただく場面です。こんなほっこりしたおもてなしをしてもらいたいし、してあげたいです。

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