「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」本屋大賞を受賞したおすすめ小説

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「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」本屋大賞を受賞したおすすめ小説

みなさんは「本屋大賞」をご存知ですか?一般的な文学賞とは異なり作家や評論家が選考に加わらず、書店員の投票のみで受賞作が決まる一風変わった文学賞です。今回はそんな本屋大賞を受賞した作品の中から、おすすめの5作品をご紹介します。

美しい数式と美しい家族愛に癒される「博士の愛した数式」

博士の愛した数式
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交通事故により80分しか記憶が持たない元数学者の「博士」と、家政婦として博士の家にやってきた「私」、そして私の息子である「ルート」の3人の心の交流を美しい数式とともに綴った作品です。始め「私」はなにかと数式を持ち出す博士に困惑しますが、「私」がシングルマザーであることを知り、家で待つ子供を気の毒に思った博士が子供を連れてくるようにと言ったことから、博士の優しさに気づきます。3人の美しい交流に心が温まる作品です。

陸上競技にかけた熱い青春「一瞬の風になれ」

一瞬の風になれ
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努力家の新二と天才肌の連。この2人の友情を主軸に、高校3年間を陸上競技にかける熱い青春を描いています。大人と子供の間、高校時代の3年間特有の、かけがえのないまっすぐな感情に満ちた青春小説です。陸上競技に詳しくなくても、陸上初心者の新二とともに、陸上競技の知識をつけながら読み進めることができます。読み終えた後の爽快感は格別です。

スリリングなだけじゃない逃亡劇「ゴールデンスランバー」

ゴールデンスランバー
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言わずと知れた名作家、伊坂幸太郎の書き下ろし小説「ゴールデンスランバー」。主人公青柳雅春は元宅配便配達ドライバーで、今は失業保険で暮らしています。そんな青柳のもとに突然学生時代の友人森田森吾が現れ、意味深な言葉を告げます。そして青柳に逃げるように言った直後、森田は乗っていた車ごと爆発し殺されてしまいます。突然首相暗殺事件の犯人に仕立て上げられた青柳は、迫る警察の手から必死に逃亡しながら真実を追い求めます。その途中、青柳は学生時代の友人をはじめ、様々な人の手を借りていくのです。
人間関係にも焦点を当てたストーリーは、スリリングなだけではない逃亡劇を見せてくれます。堺雅人主演で映画化もされた非常にエンタメ性の高い作品です。

言葉の海を渡る舟を編む人々の物語「舟を編む」

船を編む (1)
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主人公・馬締光也は玄武書房辞書編集部員で、言葉に対して並々ならぬ情熱を抱いています。物語は、辞書「大渡海」の再編集を主軸に、馬締の恋や部署内での出来事などを描きながら進んでいきます。中でも馬締と女性板前見習いの恋にはほっこり癒されます。普段何気なく使う辞書の裏に隠された、様々な人々の情熱を垣間見ることのできる作品です。

2013年には、松田龍平主演で映画化もされ、第37回日本アカデミー賞では最優秀作品賞をはじめとする6部門で最優秀賞を受賞しました。

心に染み入る青年の成長物語「羊と鋼の森」

羊と鋼の森
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主人公の青年・外村は、高校の体育館で時突然ピアノに魅せられ調律師を目指し始めます。突出した才能はなく、しかしひたむきに努力を続ける外村は、いい音を出すことに没頭し成長していきます。なにか大きな事件が起こるわけではありません。ただひたすらに静かで、柔らかなピアノの旋律に満たされたやさしい成長物語です。癒されたいときにおすすめの1冊となっています。

家族愛やミステリ、青春小説など様々な作品が受賞してきた本屋大賞。きっとあなたのお気に入りも見つかるはずです。

『舟を編む』
(C)2013「舟を編む」製作委員会