『千と千尋の神隠し』ジブリ作品で最強レベルの胸キュン!?千尋とハクの名シーンはこれだ!

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緊張の糸が切れた、でかいおにぎり

湯婆婆と契約して名前を奪われ、「千」として油屋で働くことになった千尋は、人間であるために店の従業員たちから煙たがられながらも、面倒見がいい姉御肌の少女リンから店や仕事について教わることになります。そして不思議な世界に迷い込んで最初の夜が明け、リンらと共に寝ていた大部屋で目を覚ました千尋は布団の中で震えていました。

そこへハクがやってきて千尋を両親に会わせてくれると言います。ハクを追って部屋を抜け出した千尋は、畜舎で豚の姿になってしまった両親と対面しました。千尋は涙をこらえながら両親に「きっと助けてあげる」と言うのでした。畜舎を出た後うずくまる千尋に、ハクは彼女が元の世界から着てきた服を渡してくれました。その服の中から、千尋は引っ越しに際して友達からもらったお別れのカードを見つけます。そのカードに書いてある「ちひろ」という名前を見て、彼女は湯婆婆との契約の際に奪われてしまった自身の名前を思い出します。ハクは、自分自身も湯婆婆に名前を奪われて本当の名前を思い出せなくなっていると言いました。

そしてハクは懐からおにぎりを取り出します。前日に夕ご飯を食べていなかった千尋のために自ら握ったおにぎりです。千尋は食欲が無いようで、食べたくないと言いますが、「元気が出るようにまじないをかけて作ったんだ。」と勧められて、ひとつ手に取り食べ始めます。するとおにぎりをほおばる千尋の目からは次第に大粒の涙がこぼれ始め、とうとう号泣してしまうのでした。

信じられないようなできごとの連続で戸惑っていたであろう千尋の心が、ハクの優しさに触れて解きほぐされ、緊張の糸が切れて感情が溢れだしたようですね。おにぎりを食べ、店に戻る際に「ハクありがとう、私がんばるね。」と言う千尋の心はどこか晴れやかな感じがします。この不思議な世界にやってきたばかりの頃には返事やお礼の言葉も自然に出てこなかった千尋が、心からの言葉を伝えているのも感慨深いです。