“空白の1年”で芽生えた決意と感謝 映画『青の帰り道』真野恵里菜インタビュー

インタビュー

――完成した作品をご覧になって、どのように感じましたか?

実はみんなで初号試写を観る前に、監督にお願いして先に一人で観させていただきました。いつもは撮影当時のことを思い出したり、自分がいないシーンはどうなっているのか気になるのですが、今回はただただ2時間物語が進んでいくのを見届けていました。エンドロールが終わって初めて、悔しさや嬉しさといったいろいろな感情が溢れ出てきて、気がついたらすごく泣いていました。作品が出来上がった達成感とともに、“作る”過程が本当に終わってしまったんだという寂しさもありましたね。
実は先に一人で観たいとお願いしたのは、出来上がった作品を観たときに、自分の感情がどこへ向かうのか想像できず、こわかったからなんです。一言で片づけられることではないですが、いろいろあった作品だったので、まずは観終わったときの“素”の気持ちをきちんと自分の中で消化しておきたくて。そのおかげで、初号試写ではみんなと一緒に楽しく観ることができました!

――それだけ思い入れが強かったということですよね。

はい。ある日突然、撮影が中断してしまって、なかなかその事実を受け入れられずにいました。心にはポッカリ穴が空いたようで、どうしたらいいのか分からない日々が続きましたが、それでもキャストとスタッフの“作品を作り上げたい”という気持ちだけは変わりませんでした。撮影が1年延期になっても、なんとかスケジュールを空けようと各事務所が動いてくださったり、スタッフの方々もなるべく当時のままで撮影できるようにしてくださったり、さらには新たに作品に協力してくださるという方もいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

――その“空白の1年”で新たに感じたことはありましたか?

主演として参加するからには、この作品を撮り直すまでに、役者としてもっと大きくなっていたいと思いました。そうすればこの映画もより注目してもらえるじゃないですか。1年の猶予をもらったと思う反面、自分自身が試される1年でもあるように感じました。
それから役者にとって、こうして作品に呼んでいただけることはすごくありがたいことで、一つ一つの出会いがかけがえのないものだと、当たり前のことに改めて気づくことができました。

――撮影中断から1年後、キャストのみなさんと再会してみていかがでしたか?

良い意味でみんな変わらないままでしたが、役者として各々がパワーアップしていて、勢いが増していたように思います。

――そんな7人でのシーンで思い出に残っているシーンは?

夜の公園でみんなで誕生日を祝うシーンは本当に楽しかったです。ろうそくの火が消えてしまったり、夏だったのでケーキが溶けてきたりと、実はハプニングだらけでした(笑)缶ビールを開けたら中身が噴射して、ビールまみれになったこともありましたね(笑)このシーンは映画の中でも、みんなが一番幸せなシーンですし、私たちも演じていて楽しかったです。

――まさに青春という感じでした。

夜の公園でバカ騒ぎするって大人になるとできないじゃないですか。高校生だからこそできることというか。仲間同士でバカをして、みんなで笑い合うのっていいなと思いました。

――最後に映画をご覧になるCinemaGene読者にメッセージをお願いします!

“あのとき~していたら、何か変わっていたかもしれない”という気持ちは、誰もが一度は経験したことがあると思います。映画を観て共感したり、ホッとしたり、それぞれが感じたものを大切にしていただき、誰かの生きるヒントになるような作品になっていれば嬉しいです。

真野さんの言葉一つ一つから感じられる本作への熱い思い。キャスト・スタッフが決して諦めず、最後まで懸命に走り続けたことで生まれた“熱”を、ぜひ劇場で体感してみてはいかがでしょうか?映画『青の帰り道』は12月7日(金)公開です。

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