推せるジブリ男子!“本庄”に注目して観る『風立ちぬ』

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「本庄」はどんな人物?

本庄が作中初めて登場するのは二郎が大学生の頃のシーン。彼らは大学の同期生で、同じ教室で講義を受け、連れ立って昼食をとりに食堂へ行くなど一緒に過ごすシーンが描かれており、仲の良い親友同士であることがうかがえます。本庄は、何かに熱中しているときは周りが見えなくなってしまいがちな二郎の性格を理解している様子で口を挟まず放っておくなど、ほどよい距離感を保っているところを見ても、気心が知れた仲であると感じます。それから、ふたりが会話を始める際に、よく「二郎」「本庄」と互いの名前を呼びあっているのも印象に残りますね。

本庄は大学を出た後航空技術者として二郎と同じ会社に入社し、同僚となります。また、会社の推薦で共にドイツ留学にも行っており、ふたりが学生時代・就職後と飛行機への夢を分かち合いながら多くの時間を過ごしたということがわかります。「親友」と書いて「ライバル」と読む、というような関係ですよね。

性格は、どこかとらえどころがなく浮世離れしたような印象を与える二郎に対し、非常に現実的かつ皮肉っぽいところがある本庄。キャラクターデザインとしては『紅の豚』のフェラーリンのような、シュッとした整った顔立ちをしており、声を担当したのは西島秀俊さんです。

この本庄もまた、主人公の堀越二郎と同じく実在の人物をモデルに作り出されたキャラクターです。彼のモデルは航空技術者として第二次世界大戦期の航空機設計に携わった本庄季郎。実際には本庄の方が堀越二郎よりも先輩にあたるため、作中のような同期で親友という関係性ではなかったようです。

ではここから、本庄の本編における活躍シーンと名台詞を見てみましょう。